今年のブエルタ・ア・エスパーニャは最終日の個人TTを2位で終えたログリッジが最多タイとなる4度目のマイヨ・ロホを獲得しました。前半で隙をつかれてベン・オコーナーに大きなタイム差を付けられてしまったログリッジでしたが、ブエルタ3連覇にジロも総合優勝している経験値か、非情に落ち着いた冷静な走りを見せていたのが印象的でした。
ツール・ド・フランスではちょっとした焦りからか落車が多かったログリッジですが、今回はポガチャルもヴィンゲゴーもエヴェネプールもいないことで、自信を持って落ち着いて臨んでいた結果だったのではないでしょうか。ツールでビッグ4と呼ばれた選手のひとりなので勝って当たり前だったのかもしれませんが。
山岳ステージで1分ずつタイム差を縮めながら、5秒差迄詰まって迎えた第19ステージでログリッジは勝負に出ます。誰もが最も厳しい第20ステージが勝負所となると考えていた隙をついて、チームのアシストをフル稼働してステージ優勝とマイヨ・ロホを獲得したのです。このステージを全力で攻めて20ステージは守りに徹することで、総合優勝をより安全且つ確実にすると考えたのでしょう。
後のインタビューでチームメイトが全力で勝ちに行こうと決めたと言っていましたが、今季マイヨジョーヌを狙って移籍し、レッドブルというメインスポンサーを得ながら、ツールは落車でリタイヤとなってしまった悔しさもあったでしょう。
第20ステージで食中毒疑いで多くのアシストを失ってしまうログリッジにとっては、第19ステージの貯金は大きかったと思います。争いは総合表彰台の2番手・3番手になってしまいましたが、マスとカラパスはTTが速く無いので20ステージがラストチャンスでしたが、マスはログリッジに先着してものの差は僅かに3秒でした。カラパスはログリッジから2秒遅れ、オコーナーもさらに2秒遅れで続き総合表彰台を確実なものにしました。
やはり、今大会を面白くしてくれたのはオコーナーの奮闘でしょう。来季からジェイコへの移籍が決まっているオコーナーにとっては十分過ぎる貢献をチームに残せたと思います。どんどんタイム差を縮められながらも終始明るい表情を見せていて、落ち着いているなあと思って観ていたら、総合表彰台の2番目を獲得してしまったのですから。
表彰台を逃してしまったEFのカラパスは早々にルイ・コスタとリゴベルト・ウランを落車で失ったのが痛かったと思います。3位のマスは最後の山岳でオコーナーとの差を付けられなかったのが痛恨だったでしょう。序盤で大きなタイム差を得たオコーナーがチーム力の弱い中、冷静なレース運びを見せたのが印象的でした。
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