最大のデメリットの価格がここまで下がると、とても魅力的な製品に思えます。何せTPUチューブは、ブチルチューブに比べると大幅に軽いことが最大の特徴なのですから。軽さが命と考えれているロードバイク乗りには、相当魅力的に思えてしまうのです。
個人的にも完成車に付属したチューブを見て驚いたことがあります。1本120g以上もあるチューブが前後に2本も入っていたのです。100g軽量化するのに数万円というロードバイクでチューブだけで240gというのは相当な重量になります。あわてて手持ちのラテックスチューブに交換しました。Vittoriaのラテックスチューブはバルブが60mmなので、重さは85gでしたが、前後で50gの軽量化になりました。ミシュランのラテックスチューブは10gほど軽いのですが、23Cタイヤ迄の製品しかないのが残念です。
一般的なプチルチューブは100g前後が普通で、最軽量の製品でも80gはあるのが一般的です。それがTPUチューブなら30~40gというのですから驚きです。前後2本で100gの軽量化が4000円で出来るのなら安いものでしょう。
TPUチューブのチューブ部分の素材は「Thermoplastic PolyUrethane」の略です。日本語でいうと「熱可塑性ポリウレタン」です。名前の通り、熱で変形するポリウレタンということになります。このTPUは私の愛用サドルのFabric Cellの表面素材でもあり、なかなかの優れものです。寒い時期は少し硬めですが、夏場の暑い時期はフワフワなのです。ただ、経年劣化で徐々に可塑性が無くなって行くという欠点がありました。
リムブレーキが主流の頃は熱に弱いTPUをチューブにするという発想は生まれなかったのでしょう。TPUチューブはディスブレーキ化の中から生み出された製品といえるでしょう。リムブレーキでもアルミリムならOKという製品もあるようですが、個人的にリム部分が熱を持つのは間違いはないので、お勧めは出来ません。TPUチューブはディスクブレーキ用のホイールに限定して使うのが原則でしょう。
私の場合はディスクロードは第4世代のSupersix EVOのみなので、これまでTPUチューブの存在は知ってはいたのですが、ほとんど興味がありませんでした。ラテックスチューブが軽いことは知ってはいても、都度空気を入れるのが面倒で、ついつい100gのプチルチューブを使い続けて来たのです。
CAAD10やCAAD12の頃は軽さが命みたいに考えていたのですが、還暦を過ぎた頃から、軽さより快適性を求めるようになり、バイクの重量はほとんど気にしなくなっているからです。ただ、昨年の秋に第4世代のSupersix EVOを購入してからは、このTPUチューブが気になり始めたのです。
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