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明るさの単位

2013-01-29 07:48:19 | 自転車用品

 自転車のライトを選ぶ際に頭を悩ませる問題があります。それは明るさの単位です。室内照明の場合だと『ルクス(lx)』が一般的だったのですが、LED照明になると『ルーメン(lm)』に単位が変わります。また、CATEYEの製品では『カンデラ(cd)』がカタログ表記されているといった具合なのです。
Led01
 『ルクス(lx)』は照度の単位で、光源によって照らされている面の明るさを表す指標です。一般に直射日光が約10万ルクス、部屋の窓際で2000ルクス程度、明るいオフィスで400ルクス程度の照度があるとされています。照明設計の際はこのルクス(照度)を考えながら、部屋の照明器具の配置などを考えることになります。なお、1ルクスとは、1ルーメンの光を1平方メートルに照射したときの光を示し、lx=lm/m2という関係式が成り立ちます。
 LED照明に用いられる『ルーメン(lm)』という単位は日本語では『光束』と呼ばれ、光源が全ての方向に対して放出する光の量のことを指します。一般的にはこのルーメンの値が高い光源ほど明るい光源といえるのです。Led02

 一方、『カンデラ(cd)』は光度で、光の強さを表す単位です。このカンデラのうち、ある一方向から見たカンデラ(光度)の強さは「輝度(きど)」と呼ばれる単位であらわされます。一般に、輝度が高い光源ほど、同じ光束(ルーメン)の光源よりも明るく感じます。
 『ルーメン(lm)』と『ルクス(lx)』は、どちらも明るさを示す単位ですが、それぞれが示す意味は大きく異なっています。 簡単に違いを述べれば、ルーメンは「照明器具そのものの明るさを示す単位」、ルクスは「光に照らされた面の明るさ」を示す単位ということになります。
 一般的に、照明器具の明るさを比べる場合はルーメンの数値で比べます。というのも、ルクスは同じ照明器具でも、利用条件によって値が変化することがあるからです。例えば、同じルーメンの蛍光灯を利用する場合でも、部屋が大きいほど広い範囲に光を届けなければならないので、照らされる面のルクスは小さくなります。逆に言えば、勉強机などで利用するデスクランプでは、光源から照らされる面までが非常に近いため、ルーメンが低い照明器具でも、照らされた面のルクスは大きくなります。
 こうした理由から、照明器具のスペック表では、ルクスではなくルーメンの値が記されているケースがよく見られます。製品によっては「光源から50cmの高さに置いた場合」など、一定条件におけるルクス値を明記されているものもあるようですが、照明器具の明るさを比較する場合は、ルーメンの数値で比べることが一般的になってきています。
 しかし、自転車用のライトの場合は光源が移動し、照らされる面が一定しないため、『ルクス(lx)』が用いられることはありません。自転車用ライトのカタログでは『カンデラ(cd)』か『ルーメン(lm)』で明るさが表記されるのが一般的になっています。しかし、ルーメンは「全ての方向に対して1カンデラの光度を持つ標準の点光源が1ステラジアンの立体角内に放出する光束」と定義 されており、単純にカンデラに変換することができないのです。これでは製品の明るさを比較することが難しいのが実情なのです。
Lite01
 簡単に云ってしまうと、ルーメンは『光束』つまり「光の束」の総体、図でいうと電球から照射される光の矢印の全てということになります。そして、光の矢印の1本分の明るさがカンデラ「輝度」というわけです。従って、ルーメンとカンデラを対比する場合には照射角(半減角)が問題になります。ルーメンは360度を照らす明るさを示す単位だからです。Lm_cd01

 例えば照射角(半減角)10度の場合、1ルーメンは約70カンデラですが、15度になると約30カンデラへと減衰します(図参照)。CATEYEの新製品”Nano Shot+”のカタログには「約600ルーメン(約5000カンデラ)を実現」と表記されていますが、照射角(半減角)は25度から30度程度の場合での換算ということになるのです。

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