ゴールデンウィークも、もう終わりに近くて、みんな少し淋しそうです(我家は関係ありませんが)。
この2日ほどは、報道も「ユッケ騒動」が主役で、震災や原発問題は一休みという感じです。
さて、国によると、ここ2年ほどは、「生食用牛肉」として流通していた事実は無いそうで、そうなると、市中で当然のように売られたり、食べられていた肉は・・・。
私も食堂で肉を扱っていましたが、みな、焼いたり揚げたり煮たり、熱を通したものばかりです。豚肉などは熱を通しても危険なので、気を使ったものです。牛肉のランプという部位は、低価格で、ステーキに使えるのですが、焼きすぎると固くなるので、いわゆる「レア」半生状態で食べるとおいしいお肉です。表面は焼くので、当然「トリミング」という、表面を切り落とす事はしませんでした。その作業をしなかったことが、どうやら今回の食中毒の主原因のようです。
報道の主な要点は、何故、規制がなかったのか?という、またもや国に対する問題点の追求です。国も慌てて規制を作るようですが、ほんとに規制が必要なのか・・・。私は否定的です。
どだい、この規制緩和が叫ばれて、そういう流れの時に、またぞろ規制を作る。規制強化していくのは、違うように思います。
規制を作るということがどういうことなのか、分っているのでしょうか。テレビなどで、「何で今まで規制しなかったのかしら。命に関る事なのに。国の怠慢だわ」なんて、したり顔で話すコメンテーター諸氏は?
罰則付きの規制を作るということは、取締りをする。ということです。取締りをお座なりにして、何か問題が起きれば、今回どころでない国の責任が発生するので、まずは見せしめ的な摘発と、毎年恒例になるであろう抜き打ち(じゃなくなると思いますが)検査風景が、報道機関に提供されると思われます。
本来の規制基準では、設備や方法等が大変すぎて(厳格すぎて)普通の小売店や、飲食店では無理なので、先のトリミングも追認するようです。それでも、まな板の扱いなど、相当大変そうで、ユッケなどの生食用牛肉の提供をやめる店舗も、出てくると思われます。規制を作るということは、当然自由度を狭くし、障壁を作るということで・・・たかだか(言い方が悪いかもしれませんが)一企業が起こした不祥事で、何故規制なのか、理解に苦しみます。他のお店が何をしたというのか。普通にちゃんと安全といわれるように処理をして、提供して、みんな喜んで食べて・・・、色んな業界には、自主規制なるものがあって、法的な規制ではなく、自浄努力して、安心や安全を消費者や、利用者に提供しているわけです。
「命に関る事は、国が規制や、監視をすべきだ。」問題が起きるたびに、声高に言われますが、命に関らない事って、この世の色々な事で有り得るのかな~と、思っちゃうんです。勿論薬のように、毒になったり、副作用の問題が出るものはともかく、例えば、私の好きなキノコ。毎年のように中毒者や、死亡例があって、それこそ、売られた物での事故もありますが、じゃあ、売るのに特別の資格などの規制が掛けられたかといえば、そんなことは全然ありません。
今まで業界が、自主規制で問題なくやってこれたものは、このままで良いように思いますね。事故が起きるたび規制を作っていくと・・・、堅苦しい世の中になりそうで、私は嫌いです。
みかんの尻尾に注目です。