大同マルタ会

大同マルタ会の方々が自由にこのブログに集い、会員の思いや写真などを思い存分に披露できる開かれた広場にしたい。

『大同コレクション』のその後

2016年01月04日 | お知らせ

 

 大同マルタ会の皆様 あけましておめでとうございます。会社が姿を消してから早8年。でも、蛙の子は蛙、当方、スズメ百まで踊り忘れず。今年も『大同コレクション』を通じ、新しい 染色・捺染の話題を追いかけ、皆さまとお話しするのを楽しみにしています。宜しくお願いします。  東山十条85

       「大同コレクション」のその後

 2013年5月~8月、京都工芸繊維大学美術工芸資料館で、『京都からアフリカへ』の展覧会を開いた「大同コレクション」は、有料入場者が1600人もあり、内外の注目を集めました。  その後、資料はすべて、大同マルタ会 会長 田中 頌 の名前で、京都工芸繊維大学美術工芸資料館に 【寄付】 し、業界・学会に役立てて頂くことになりました。       大学は2014年3月、『大同コレクションに見る 1960 年代京都の捺染産業』という、小冊子の立派な レポートを文化遺産教育研究センター(並木誠士教授)で作成し、公的機関に発送しました。その反響はすぐに現れ、大学に数多くの問い合わせがありました。

2014年10月~11月 には、福岡市美術館で『更紗の時代』の展覧会に「大同コレクション」のカンガ、ワックスが展示されました。大きな展覧会でしたが、最終第6章にアフリカンプリントが集められ、一転して華やかな色彩は目を引きました。この展覧会を取材した西日本新聞にも、色鮮やかな大同グリンワックスの写真が大きく載りました。

その他、群馬県立日本絹の里の『絹とアジアの民族衣装』展覧会に、「大同コレクション」の一部(ボーダーのついた5~6mの長尺絹サリー)6点が出品されました。

2015年には、法政大学杉浦未樹経済学部教授をリーダーとする『糸・布・衣の循環史研究会』でとりあげられ、京都工芸繊維大学で大同コレクションの見学交流研究会がありました。 この日集まった研究会のメンバーは、杉浦教授の他、和光大学、東京国際大学、日本学術振興会(東大)、長崎大学、立命館大学、京都工芸繊維大学、UCサンディエゴ(カリフォルニヤ)、パドヴァ大学(イタリヤ)、ウォーリック大学(イギリス)、カフォスカリ大学(ベネチュア)、アルバータ大学(カナダ)、シンガポール大学の先生方で、国際色豊かな研究会です。今回、大同マルタ会も参加を要請され、アフリカンプリントの生産について説明しました。

12月、立命館大学アートリサーチセンターが企画した「京都近代な戦産業の軌跡」の展覧会を、京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開催しました。  (この案内と見学記は先のブログで紹介しています)

 

 会社が ツブレル ということは、なにもかも無くなるということです。工場、建物、機械、技術、製品、名声、歴史 - - - 大同は 8年前すべてを失いました。唯一、奇跡的に残ったのが『大同コレクション』で、これとて大同製品は非常に少ない。 しかし、日本の機械捺染の歴史をたどる時、この『大同コレクション』が、これからも≪大同マルタ染工≫の存在に光を当ててくれるでしょう。