東洋紡のリアル・ワックス
未だ輸出アフリカンプリントを性懲りもなく追っかけています。しばらくご無沙汰していました。遅れたのはリアル・ワックス見本の写真が載せられないか交渉していましたので・・・・。
前回、大学の先生方と東洋紡を訪問して、守口工場でオランダ製品に負けない「リアル・ワックス」を輸出していたのに、社内にも極秘扱いにしていたため、見本が全く残っていないことを知った。
大学の先生方はえらいもので、翌月すぐにオランダへ飛んだ。日本に無かった「グリーン・ワックス」の見本が、オランダ「フリスコ社(前身ブリシンゲン社)」で沢山見つかったことを知っている彼女等は、同社を訪問し、とうとう東洋紡の幻の製品見本を見つけだした。見せてもらった写真は、学術研究用で申請・許可をもらったもので、ここに掲載することはできないが、すばらしい「リアル・ワックス」があった。沢山のアフリカンプリントの中から、耳ネームを頼りに、よく見つけたものと感心させられた。
「リアル・ワックス」は銅ロールを暖めながらワックス(松脂ロジン)を捺染する。物理防染で、蝋(ワックス)を盛り上げるよう深い彫刻が必要で技術的にすぐれた「大同KPD」が請われて彫刻したと聞いている。捺染後、すぐ冷やして割れ目を入れ、地染めはインジゴで染色する。一旦ワックスを落とし、色数を増やしていくのはその上に手捺染でナフトール染料など捺染していく。ワックスのひび割れ、ろう物理防染(臈纈染め)、バップル(ワックスのスポット)等、手工業的な加工が特徴で付加価値は高い。
東山十条86
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