小学校3年生の時、元海軍の生き残りの義兄さんからハーモニカを買ってもらいました。
ほかの友人のハーモニカとどうも音が違う。なんとなく音が籠っているような感じがしました。そのうえ吹いてみてもどうも上手くメロディが出ません。
学校に持って行って受け持ちの音楽の先生に聞いてみました。
「ショウちゃん、これはね、オクターブ・ハーモニカって言うのよ。1オクターブ低い音が一緒に付いていてとても良い音が奏でられるのよ。丁度ハモンドオルガンのようなのよ。
(ハモンドオルガンは当時ラジオ番組の「君の名は」でなんとなく知っていました。)
C(ハ)調なのでみんなと一緒に吹いても綺麗に音が合いますよ。良かったら先生一寸吹いて良いですか?」と言って、校歌と讃美歌を吹いてくれました。
僕はその音色を聴いて驚きました。まるで教会の中に居るようでした。荘厳でした。
これで勇気をもらってオクターブのハーモニカの練習をしました。
どうにかオクターブにも慣れて、他の人と合奏できるようになりました。
学芸会のハーモニカの演奏練習では、一緒の吹いている友人は「ショウちゃん、変な音出すなよ。」と初めのうちは文句を言っておりましたが、そのうち慣れたのか文句を言わなくなりました。
学芸会のハーモニカの演奏会に一丁前に出られました。
その想い出多いオクターブ・ハーモニカを大枚を叩いて60数年ぶりに買いました。
やはり初めて持った時と同じように、感が狂ってなかなか巧く奏でられません。
今は当時と違い、ハーモニカを大きく口に銜え、ベース伴奏を自然に入れようとしているからでしょう。
子供が奏でるように小さく自然に銜えゆっくりと奏でますと、綺麗なオクターブが戻ってきました。
荘厳な音の中に小学校のあの音楽の先生が戻ってきました。
当時日本人離れした、まるでベートーヴェンの様にウエーブの掛かった金髪を肩まで垂らした、当時のままの先生でした。
その音楽の先生はもうこの世にはいません。数年前に天国へ召されました。
今一所懸命C調オクターブ・ハーモニカの練習に励んでいます。
巧くなったら、近いうちにAm調を買い、日本の歌、外国の民謡や演歌調も練習しようと思っています。
僕にハーモニカを奏でるきっかけを与えてくれた方に感謝いたします。
楽しみに待ってますからレパートリを増やしてやー
楽しみにしていますよ!!