お雛さまを飾った。と言ってもお内裏様とお雛さまだけ。とても全部出す気にはなれない。39歳の時にやっとやっと生まれて来たひとり娘の為に買ったものである。娘が小さい頃は毎年飾った。飾るのに半日、仕舞うのに半日がかりだったが、楽しかった。サトウハチローの”うれしいひなまつり”のレコードを何度も大きな音でかけて、娘を抱いて眺めた。”この幸せがいつまでも続くのだろうか”という思いが頭をよぎったことがあったがーー。
その娘はお雛さまも親の所に預けて、30をいくつか越えたが、まだ独り者。父親はその娘のことだけが今の大きな心配事。いつになったらこのお雛さまを引き取ってくれるのだろう。いつの日か、じいさんは孫娘を抱いて、おひなさまの歌を聴きながら、もう一度全部飾ったお雛さまを眺めることが出来るのだろうか。
♪ 着物をきかえて 帯びしめて
今日はわたしの はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひな祭り ♬
その娘はお雛さまも親の所に預けて、30をいくつか越えたが、まだ独り者。父親はその娘のことだけが今の大きな心配事。いつになったらこのお雛さまを引き取ってくれるのだろう。いつの日か、じいさんは孫娘を抱いて、おひなさまの歌を聴きながら、もう一度全部飾ったお雛さまを眺めることが出来るのだろうか。
♪ 着物をきかえて 帯びしめて
今日はわたしの はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひな祭り ♬