居間塵(imagine)

居間塵、と書いて、イマジン。その日その時、流れゆく時の川から、思いつくままに掬いあげる。絵図とポエムの棚

時間と時計

2012-12-23 11:46:18 | ポエム

時間と時計

 

時間ってなんだろう
むかし天文学者が天体をながめ
頭の中に描いたのが
回転運動
世界は開店そうそうに
回転しだしたと判断したのか
そして数字のうえを回る
短針と長針を
さんざん苦労して
アナログ時計を
いまはデジタル時計を
生産した

どちらにしても
数字と回転で
日が昇り
日が落ちて
という身近のことで
世界を整頓しているが
時間だけで
整頓できるような世界はない

といっても
時計的時間がないと
物事の区切りがつかない

次の電車がいつくるのか
わからないと
あのひとがいつくるのか
わからない

 


時代の矛先

2012-12-23 11:03:57 | ポエム

時代の矛先

 

皇紀とは
ひかった
矛先?
それとも頑丈な矛盾?
天土(あめつち)の神楽(かぐら)唄(うた)を
十二の春に唄い
衆人のさなかで
はなやかに
紅白の衣を着た少女の振る鈴の音が響いて
玉砂利の音と交錯した

それから不吉なことばかりがおこり
なにはともあれ
お金がたくさん必要になり
それも、必要以上に
音のする硬貨などは眼もくれないで
火をつければ燃えてしまう
高額紙幣争奪戦がはばかり
皇紀などは
羽を折られた鳥となって
きえさったのだが

時代の感情は
羽毛が風に舞うように
七転八倒したうえに
通りすぎねばならない路上に
不気味な怪獣の世界をかもしだした

 

 

 

 

(註)1940年を皇紀2600年として全国で祝賀会が催された。当時は氏神さんが敬愛され、神道が隆盛、小学生も参加した。