佐渡のたらい舟。矢島・経島。新潟県佐渡市小木。
2023年10月2日(月)。
蓮華峰寺を見学したあと、小木港方向へ向かった。たらい舟を見るためである。自分が乗ることは考えていなかった。有名な力屋観光汽船の待合所があり、客用の送迎バス発着所があった。小木港では、たらい舟の姿が見られなかったので、どこか近くで営業しているのだろうと、岬へ向かい、反対側の湾が見える場所まで歩いたが、たらい舟はなかった。
諦めて、すぐ西にある矢島・経島へ向かい、細い道を入ると波静かな狭い入江があり、たらい舟が営業していた。ちょうど、若い女性2人が乗って漕ぎ出していったので、初めてたらい舟なるものを実見することができた。
宿根木(しゅくねぎ)。たらい舟。佐渡市宿根木。
西に進んで、13時30分ごろ宿根木集落に着くと、海の近くにたらい舟の営業所と駐車場があった。たらい舟の人に停めてもいいかと尋ねると、どうぞといわれた。宿根木は、人気のある観光地で、観光バスや個人客で賑わっていた。有名な「三角家(さんかくや)」などは、平日だったので内部公開していなかった。来る途中に、佐渡国小木民俗博物館があったが、時間がないので諦めた。
舟つなぎ石。
享和2(1802)年の小木地震により海岸が1ⅿ隆起し、千石船が入らなくなった。
重伝建・宿根木町並み案内所。
宿根木は、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。江戸時代後期から明治初期にかけて全盛期を迎えた北前船の寄港地として発展した港町で、船大工によって作られた当時の面影を色濃く残す町並みが保全されている。
保存地区内に残る伝統的建造物は106棟にのぼり、そのほとんどが板張りで作られた外壁を持つ2階建ての家屋である。 大通りに面した方向には庭や開口部が無く、屋根には庇が無いため、高い壁だけが見える開放的な町並みは日本には珍しい光景と言える。
一部の家屋の屋根は薄く割った板を何枚も重ね、その上に石を置いた石置木羽葺屋根と呼ばれる独自のものである。
家屋の外見は質素であるが、北前船で財を成した船主の往時を偲ばせる豪華な内装になっている。現在、修復された民家2軒が一般に公開されている。
狭い路地の形状に合わせて作られた通称三角屋と呼ばれる三角形の家屋など、船大工たちが造った建造物が密集する宿根木独自の景観が残されている。
集落の周囲には竹垣(風垣)が築かれている。
三角家。
宿根木を象徴する建物で、弘化3年の水害後に羽茂大橋付近から移築したものといわれる。移築前は、4間×6間の四角い建物であったが、敷地に合わせて三角形にきりつめ建てられている。建物の形から舟形の家とも呼ばれている。船大工が最大限に土地利用を図った知恵と技が見られる。2006年まで実際に使われていた。
宿根木を15分ほど見学し、13時45分ごろに出て、佐渡金山へ向かった。