ロマン派🥀 今日を生きられない

現実と非現実を行き来する憂鬱な日記

やがて伐採されるセンダンの、最後の満開

2018-05-15 | みんなの花図鑑

今、栴檀の木の花が満開になっています。 

花が目の前に降りて来て、撮りやすい場所。そこを知っていたので行って来ました。



一枚めの写真は、雑で荒々しいものを選びました。フリージャズふう。


これは柔らかい感じでしょ。

この木は川沿いにあって、橋から花を撮ることが出来るんです。去年も投稿しています。



こうやって橋の上から写していたとき、川沿いの道から、杖をついた老婦人に手招きをされました。
向こうから撮ると綺麗に撮れるよと、指差して言います。.. 遠景は苦手なんだけど、その方が仰るので。



どうやらこの人は木のすぐ近くの家のかたで、樹高15mはあろうかというこの栴檀の木の「持ち主」さんらしい。


枝も太い。




しばらくおば様(80歳少し前くらいかな)と会話して、愕然とさせられる話を聞きました。
この木は今年中に切られてしまうと・・・
えええっ、何でですか?  おば様の話では、川を広げるのだと、(勿論 行政がですよ)だからこの樹齢200年の(と仰った)栴檀は邪魔になるから、ということでした。



確かにこの栴檀は、幅10mほどの狭い川のそばに立っており、枝を川の上まで伸ばしています。そしてこの細い川が十数年前、豪雨で氾濫したことを私は知っています。それにしても・・
15mの大木、樹齢200年、今も生き続けている木をあっさり切り倒していいのか。



行政の都合で.. 。頭の中で「いかに木を殺すか」(大江健三郎の短編集の表題作)という言葉がぐるぐる回った。
おば様は少し笑みをたたえたお顔で話していたけれど、私は悲しい気持ちでいっぱいでした。来年はもうこの栴檀はここにはない.. 。




ふう..... でも気を取り直し、少しおもしろい写真を。



塩看板が付いた古〜い建物が見えるでしょう。そのうしろに木が立っている・・のではありません。木はこの建物の天井を貫いて立っています。

証拠写真(了承を得て撮影)。
  

雑然とした物置きみたいな建物の中から、幹が立ち上がっています。
話によると、木が先にあり(樹齢を考えれば当然)あとから建物をたてたそうです。今は特に使われてないらしい。

橋の向こうに若い木があり、枝を地面近くに伸ばして花を咲かせていました。



この木も切られてしまうのかも知れません。
しかしこの木々の精霊は必ず、他の場所で再び生き始める。そんなことを考えた一日でした。