京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

西山寮詩会 2019年6月

2019-06-10 08:09:18 | 日記
ハイ、皆さん今日は詩人です 西山寮のお話6月
                金澤ひろあき
 ハイ、皆さん今日は。6月です。1年の半分が過ぎました。あと何日で七夕。早いものです。
 京都市には嵐電(らんでん)というかわいらしいレトロな路面電車があります。その電車で、車折(くるまざき)神社まで行ったんです。車折神社の中に芸能神社があり、芸能人が信仰しています。寄進者の名前に、芸能人がいっぱいです。参拝者は、有名人を見つけては写真を撮っています。その社殿にお面が奉納されています。お多福のお面で一句、
 お多福は古代の美人風薫る   ひろあき
それでは皆さんの作品を拝見しますね。
 新緑の陽を浴び眩し子等遊ぶ  野原加代子
 子供たちの元気良さと新緑がぴったりと合いますね。新緑のように健やかに成長してほしいという願いも感じます。
 母の忌やあの日と同じ桜花散る 宮崎 清枝
 本当に思いが深い句です。お母様が亡くなられた日も、同じように桜が散っていた。風景が過去とつながっているのです。だから、心に深く沁みいるのです。
 春昼やぐ-ちょきぱ-のリハビリ- 中野硯池
 このリハビリ、やっている人は一生懸命ですが、こう書かれると、のどかな、ほっとするものを感じます。お元気になって下さいね。
蕗のとう気付いた時には花ざかり  西田 ナツエ
 気にはしていたんですが、気付いた時には遅かったということがままありますね。蕗の薹の花ざかりもそうですね。食べられませんが、まあ春を感じてよしとしましょうか。

読書録2 『羊と鋼の森』宮下奈津著

2019-06-06 12:54:35 | 日記
読書録 2  『羊と鋼の森』 宮下奈津著  文藝春秋社
                    金澤 ひろあき
 スポットが当たらないが、絶対に必要という存在があります。この本で取り上げられているピアノの調律師もそうでしょう。コンサートでは、ピアニストとその音に視線が注がれます。しかし、そのすばらしい音を裏で支えている存在は、無くてはならないものです。
 考えてみれば、調律師こそピアノに一番接していて、ピアノのことを深く知っている人達なのですね。
  『羊と鋼の森』 の主人公、外村君は、北海道の山奥出身。高校時代、偶然に天才的な調律師板鳥さんに出会ったことで、全く知らなかった世界―調律師を目指します。専門学校へ行き、卒業後、板鳥さんと同じ江藤楽器店に勤めるようになります。そこで出会った調律師の先輩達、顧客との出会いを通して成長して行く姿が描かれます。
だから、主人公外村君の成長物語なのですが、実は外村君だけでなく、多くの人が成長したり乗り越えて行く姿が描かれています。外村君の面倒を見ている先輩柳さんも、仕事は一流ながら、外村君の関わりの中で自身も成長して行きます。たぶん、将来は板鳥さんのような存在になるのではと予感されます。ふたごのピアニストの由仁と和音。一人はプロのピアニストをめざし、一人はそれを支えるための調律師を目指すことになります。
 一人の人間が成長する姿を見て、感動するのはなぜなのでしょうか。根底に、人間に対する信頼があるのですね。

近い未来

2019-06-05 08:23:27 | 日記
近い未来
                           金澤 ひろあき
商品配達のドローンが飛びかい、AIが運転する電車に乗る。病院では、AIが診断をする。そんな時代が近づいているのだろう。
この間、AIが自動運転する電車が逆走する事故があった。原因は不明だそうだ。
 人間の医師よりも、AIのほうが的確な診断をするそうだ。でもそれが極度に進んだら、体に触れて、対面で話をして、検診だけでは気づかなかった病気や、病気の原因に気づいた名人芸の医師が少なくなるのではないかとも思う。相も変わらず人と会って話をするのが好きな私は、こんなことを考えてしまう。でも便利で経済的なので、AIは普及していくのだろうな。
あじさいやちょっととまれよ世の変化     ひろあき

『羅生門』裁判

2019-06-04 12:46:52 | 日記
「羅生門」裁判
                    金澤 ひろあき
芥川龍之介の『羅生門』が定番教材として、高校一年生で出てきます。いろいろと問題を含んでいる文ですが、私が授業をした時、こんな小論文課題を出しています。以下、それを紹介します。事後教材の1つとしてどうぞ。

(事件の調書より)
 京都検非違使本部は、元下人(19歳)を、強盗、傷害、窃盗等の罪で逮捕しました。その裁判で、下人は、「強盗や傷害を行ったのは悪いことだ。しかし、せねば死ぬのでしかたなくしたことだ。だから悪いとは思っていない。」と主張しています。

(今後、行うこと)
 あなたが裁判長になって、この下人に対し、「有罪」もしくは「無罪」の判決を行っ てください。ただし、判決の根拠を述べることが必要です。

(判決を下す時に必要なこと)
1 「有罪」「無罪」の可能性がありますので、それぞれの根拠を考えつく限り出します。2 「有罪」「無罪」のどちらかに決めます。
3 その根拠や証拠を述べます。
4 予想される反論を考えます。
5 4の反論に対して再反論します。(根拠つきで)
6 自分の決定を最後に確認します。