京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

フリー句「吠えている」の巻

2021-05-31 07:50:21 | 俳句
フリー句「吠えている」の巻
吠えている五月雨の川龍となる ひろあき
濁流もいずれ色溶き住処へと  巡紅
紫陽花の風の余韻が届いたよ  ひろあき
燕ホッと一息お茶飲む電線   巡紅
子育ての合間に青い空がある  ひろあき
葉桜の赤い実のなる朝日かな  巡紅
衣更若い匂いを惜しげなく   ひろあき
雨後の陽や楕円のボールキックする 巡紅
ノーサイドそして親友増えている ひろあき
ドイツ兵連合国兵共に涙したリリーマクレーン 巡紅
愛する人置いて来た海原の彼方 ひろあき
心の温度と距離はお互い手探り 巡紅
石畳を浴衣姿で連れ立ちて   ひろあき
夢の旅君を抱きしめ何処までも 巡紅
神田川しっぽり歌う古ギター ひろあき
幽霊も楽器手にして歌ってる  巡紅
墓参りぬくもりもらって帰ってくる ひろあき
一枚の写真に生きる家族かな  巡紅
あの頃に戻れる虹の橋探す   ひろあき
新幹線や特急を見せたかった君 巡紅
花の吉野から落ち行く先は平泉 ひろあき
水田やお握り何個出来るのか  巡紅
※梅雨は稔りのための水でもあります。洪水は困りますが。水の力は、恵みにもなれば脅威にもなる。そういう存在に謙虚にならなければというようなことを考えていました。


風の余韻

2021-05-29 12:08:29 | 俳句
風の余韻
         金澤ひろあき
 五月の第四日曜、義仲寺に行く途中、満開の紫陽花を見ました。五月の紫陽花!早いのに驚きです。
 大津に着くと、紫陽花のきれいなところがあるので楽しみにしていました。ところがそこにあった宅地が壊され、全くの更地に。木の影もありません。世の転変の風を感じます。
  紫陽花の風の余韻の届きけり ひろあき

「さんしょ」168号読後感

2021-05-28 07:50:11 | 俳句
「さんしょ」168号読後感
                 金澤ひろあき
拝復 お世話になっております。「さんしょ」168号と御地の新茶をありがとうございました。今年も茶摘みが行われ、いよいよ夏本番なのですね。コロナをめぐる混乱も夏までにおさまればいいのですが。まだお互い気をつけなければならないようですね。
 今号の皆様の句、おもしろく感じました。世の中の混乱に流されず、自分をしっかり見つめている感じがします。自己をしっかり肯定しています。
 案外強いぞ私 頑張れる     石神君子
  四度目の成人式目前大昼寝    藤田禮子
 このお二人のような肯定感、こちらも明るくなります。
胃を採ったパンツ時計ゆるゆるに 伊藤眞一
 おおきな手術を経て生きている。そんなイメージが伝わります。「時計ゆるゆるに」の表現、一回読むと忘れられません。
浮雲よ少し遠出がしたいのだ   杉山朝子
 これは実感ですね。浮雲は制限なく旅ができていますしね。うらやましいな。
  さばさばと友は退職揚げ雲雀   同
 私の回りにも、こういう人がいました。「やりきった」という感じなのでしょうか。それとも「もういいよ」なのでしょうか。
  桜咲かせた三千三百グラムの曾孫 鈴木和枝
 おめでとうございます。この世に花を咲かせましたね。

五月雨

2021-05-27 07:48:27 | 俳句
五月雨
         金澤ひろあき
 今年は五月半ばに梅雨入り。早いですね。文字どおり五月雨です。京都もさっそく豪雨となりました。阪急の桂駅に「雨漏り注意」の看板が立ちました。(けっこう新しい駅なのに、雨漏りするんだ!)
  雨漏りに注意コロナも足元も    ひろあき

フリー句「雨降りて」の巻

2021-05-26 07:49:04 | 俳句
フリー句「雨降りて」の巻
雨降りて蛙鳴かない畦道よ    巡紅 
きのうの空が残る青い水たまり  ひろあき
雨後の薔薇若い腰痛美人かな   巡紅
薫りを強いメッセージとする   ひろあき
雨の朝立ち食い蕎麦に足取られ  巡紅
江戸が舞台の人情噺家      ひろあき
木漏れ陽や転寝乙女大欠伸    巡紅
どこ吹く風の膝の上の猫     ひろあき
飛び出す眼渚を走るビキニの娘  巡紅
ビーチバレー砂にまみれた殊勲賞 ひろあき
拳舞う手に汗握る攻防戦     巡紅
早朝はクワガタとりに明け暮れて ひろあき
追い越して吹き抜ける風子ら駆ける 巡紅
たんぽぽの綿毛旅立つ一斉に   ひろあき
押し戻し負けるな波に小亀達   巡紅
夜半より避難勧告なりやまず   ひろあき
流転の世昇る朝日に手を合わせ  ひろあき
アメリカネイティブ歓声をあぐ  ひろあき
永劫に手の届くまで命の輪    巡紅
もしかして宇宙のパズルのワンピース ひろあき
ビルの間に正午の鐘を鳴らす寺  巡紅
恋人達が花見るベンチ      ひろあき
※5月半ばに梅雨入り。今年は例年より早いです。そのせいか、動物が季節の動きについてこれてないような感じがします。蛙もなかなか鳴きませんでした。