祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

静岡県島田市の瓦礫処理

2012-04-06 18:01:45 | 原発事故

東日本震災の瓦礫処理を静岡県島田市が約10トンの瓦礫を受け入れ、平成23年2月16日に溶融しました。島田市のホームページにそのデーターが公表されています。
その内容を見ると、放射能物質は平常と変わらず何でもありません・・・・・と言うように見えます。
しかし、本当なんでしょうか? 政府も官僚も得意とすることは、一般国民には分からないような数字を出してきています。今回の島田市の数字も同じようなものではないでしょうか?

・瓦礫の試験溶融   平成24年2月16~17日 (17時間・5回)
・受け入れ量     10240Kg
・溶融処理方法    通常の可燃ごみ(約85%)と災害廃棄物(約15%)をピット内の決めたエリアで 混合・撹拌後溶融炉2基へ投入。
             (一般ごみ58,449Kg + 災害瓦礫10,240Kg=68,689Kg)

試験溶融に伴う放射線濃度測定結果
資料名混焼用ピット内ゴミ溶融飛灰(原灰)
セシウム137(Bq/Kg)58
数量(kg)68,6893,610
セシウム137(Bq)計343,445209,380


島田市の放射線濃度測定結果には、いろいろな表やデーターが載っており、一見すると「不検出」が多くあるため、「問題なし?・・」のように見えるが実際はそうではない。分かり易くするため、上記の表に必要な数字だけを集めた。
セシウムは半減期が29年あり、燃やそうが水につけようが、そのもの自体は消滅しないのである。この基本的な事を前提に考えると、焼却炉の入口にあった「セシウム総量」と、出口の総量は同じ総量になるはずである。
下図の左側プラットホームのトラックから、「一般ごみ」と「災害瓦礫」が投入される。(混焼用ピット内ゴミ)。そこに含まれるセシウム137は「343,445Bq」ある。(数量は、議会への報告値)。
島田市のゴミ焼却炉

次の溶融炉で2つに分かれる。島田市の炉はシャフト式であり、「溶融スラブ」と「ガス・灰飛」に分配されるが、溶融スラブは3.1%であり、ガス・灰飛は96.9%である。計算すると溶融スラブは6,698Bqであり、ガス・灰飛は336,747Bqとなる。(溶融スラブ=スラブホッパー + メタルホッパー)

溶融炉から分かれたセシウム137は、燃焼室からボイラを通って集じん器(バグフィルター)に向かう。
この燃焼室・ボイラ・減温塔でセシウム137は、リターン灰として15,455Bq分離する。(リターン灰は、焼却物の約1.5%であり、リターン灰中のセシウム137は15Bq/kgである。)
従ってボイラから集じん器に向かうセシウム137は、321,291Bqとなる。

最後に集じん器を通って、原灰として残るセシウム137は、209,380Bqとの結果が出ている。
という事は、集じん器の前のセシウム137は321,291Bqであるから、差引111,912Bqはどこに行ったのか・・・・・・・?
図から分かる通り、煙突から大気に放出されたことになる・・・・・・・・・

ブログ福島原発事故による甲状腺がんのなかに書きましたが、京都大学原子炉実験所助教授 小出裕章 さんは瓦礫の処理について次のように言っていました。
 第一に排気系統にキチッとした性能のあるフィルターを取り付けて、その性能が実際にあるかどうかを現場でテストすること。
 第二は出てきた焼却灰は、それぞれの自治体が引き受けてはならない

小出助教授が指摘する通り、島田市のフィルターは、セシウムに対して能力を発揮していません。
そして、焼却後のセシウムの処理は驚くものです・・・・・・。穴を掘って、灰を埋め、その上からシートをかけて終わり・・・・・・・??????????????????
セシウムは軽いため飛びやすく、人体に摂取されやすい水溶性である。
特別なフィルターを付けて実験しない限り、島田市と同じようにセシウムは焼却と同時に拡散していきます。また、単に埋めただけでは、水に溶けてこれも拡散です・・・・・・・。チェリノブイリをはじめ、アメリカなどの除染土を密閉したコンクリートは25年~30年ほどでひび割れが始まり、雨水が入り込んでいます。結局は、生物に影響を与えることになります。(チェリノブイリでは、修復が自分たちではできないと判断し、世界に援助を求めています。)

気持ちはよく分かる。同じ日本人として、東北地方にある瓦礫を何とかしてあげたいと・・・・・
しかし、放射能物質の拡散は、絶対に駄目である・・・・・・日本を滅ぶすことになる・・・・・
未来の子供たちのため、安全な地域は確実に確保すべきでしょう・・・・
そして、今いる地域が危険と考えられる人たちを、真剣に違う地域に移転させるべきではないのか・・・
今、福島原発から20キロ圏内でも、除染して帰れるようにすると・・と言っているが、本当にそんなことができるのか?????
チェリノブイリでも26年経つが、いまだに30キロ圏内は立ち入り禁止ではないか・・・・・

今回の島田市は瓦礫の受け入れが約10トンである。その時のセシウムが約34万ベクレル。瓦礫は無くなってもセシウムは、そこにあるのである。それは、埋め立てをしても、空中に散布しても、その地域に人の寿命よりも長く存在するのである・・・・・。
国は全国各地に400万トンの瓦礫処理を依頼している。すなわち島田市の40万倍のセシウムを日本全国にばらまくつもりである。これは、一カ所にあるととても危険であるため、薄くばら撒くことで誤魔化しているだけではないのか・・・・・
単純に計算して、1360億ベクレル・・・・・・・これを全国にばらまくのである・・・・・・
確かに一カ所にあるととんでもないことである。1メートルの距離に100万ベクレルの小線源があると1日に0.0019ミリシーベルトの外部被ばくを受ける。これは1年間に換算すると0.69ミリシーベルトである。(国際放射線防護委員会の勧告値は、年間1ミリシーベルト。)その他、平常時の放射線がおよそ毎時0.04マイクロシーベルトであるので、年間に換算すると0.34ミリシーベルト・・・・これだけで、年間1ミリシーベルトを超えるが、実際には更に食物による内部被ばくも加算されるのである。・・・・・・


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放射性物質の基準はどうなっているのだろうか?

 福島事故後の暫定基準は(2012年3月末までの基準値)

・野菜、米、肉、魚、卵 500 Bq/kg
・飲料水、牛乳、乳製品 200 Bq/kg

 4月2日より新基準値(日本)


・野菜、米など「一般食品」 100 Bq/kg
・粉ミルクなど「乳幼児食品」「牛乳」  50 Bq/kg
・飲料水  10 Bq/kg

ドイツ放射線防護協会の基準(セシウム137)

・食品、飲料全般(乳児、子供、青少年)   4 Bq/kg
・食品、飲料全般(大人)   8 Bq/kg

水に関する規制値

・ウクライナ   2 Bq/kg
・アメリカ 7.4 Bq/kg

        アメリカの水質基準値は、ベータ線・ガンマ線系のすべての放射性核種の合計量が4ミリレム/Lである。
        例えばヨウ素とセシウムがともにある時は、その合計で4ミリレムなので、上記より低い数値となる。

上記の表を比較すれば分かるように、日本の基準は異常に高いものです。3月までの500Bq/kgとドイツの8Bq/kgは天と地の差・・・・4月より100Bq/kgになったものの、それでも世界の基準からは大きく外れています。
2011年5月12日、ドイツ放射線防護協会は「1kg当たり8ベクレル以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しない」ことを推奨しています。
また、「乳児、子供、青少年に対しては、1kgあたり4ベクレル(Bq)/kg以上のセシウムを含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである」とも言っています。


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それでは、なぜ世界ではセシウム137の摂取を厳しく規制しているのでしょうか・・・・

旧ソビエト連邦のゴメリ医科大学の学長であったバンダジェフスキー博士は、チェリノブイリ事故後に死亡した患者を解剖し調査していました。死亡した患者の心臓・腎臓・肝臓等に蓄積されたセシウム137の量と臓器の細胞組織の変化との関係を調べました。その結果、臨床研究と動物実験を併せて、体内のセシウム137による被ばくは低線量でも危険であるとの結論に達し公表しています。
そして、バンダジェフスキー博士は次のように言っています。
心筋細胞にセシウム137が取り込まれると、エネルギーの産生(合成)が出来なくなり、突然死につながる。」
「高濃度の放射性物質に汚染されたベラルーシのゴメリ州で死亡した400人を上回る患者の遺体を解剖。
 各臓器のセシウム137蓄積量を測定したうえで、特に心血管疾患で死亡した患者の心筋に多くのセシウム137が蓄積されていたことをつきとめた。」
「チェリノブイリ事故後に突然死した患者の剖検標本を検査したところ、99%の症例で心筋異常が存在することが明らかになった。
 特に注目すべき所見は、びまん性の心筋細胞の異常である」。

また、バンダジェフスキー博士は次のようにも言っています。
「残念ながら日本人は情報が少なすぎる。(政府当局は)情報を隠している。今のような形で情報を隠し続けると、数十年後には日本の人口は激減してしまう。」・・・・・バンダジェフスキー氏の東京公演の中で、現在、ベルラーシでは出生率より死亡率が多くなっていることを訴えています。特に若い人達が重い病気で亡くなっていっているそうです。

博士によると、心筋細胞は分裂しないためセシウムが心臓に蓄積しやく、心電図の検査で、異常とセシウム蓄積量の因果関係が確認できるとしています。「幼児は体重1kgあたり20~30ベクレルでも心臓のリズムを壊してしまう。50ベクレル以上だと突然死の可能性が高くなる。」と言っています。また、「妊娠中、胎盤に1kgあたり200ベクレル以上のセシウムがあると、コチゾールと呼ばれる重要なホルモンの濃度が下がり、新生児は肺が発達せず突然死につながりうる」としています。
 


現在、チェルノブイリ原発から西へ約70km離れたウクライナ・ナロジチでは、「チェルノブイリの事故当時、子どもや胎児だった人が、あれから25年経ったいま、ちょうど出産の時期に当たっています。先日、ウクライナの医師で、作家でもあるユーリー・シチェルバクさんが京大原子炉研で講演されたのですが、「生殖系に対する影響が大きく、不妊や流産などが深刻な問題になっている」と述べています。
オーストリア気象地球力学中央研究所(ZAMG)は、福島の原発事故で、とんでもない量の放射線物質が蒸気となって、大気中に放出されたと言っています。それは、チェリノブイリを超えた量であるとのことです。
    セシウム137  ・・・・・   5000兆から5京 ベクレル/日
    ヨウ素      ・・・・・         10京 ベクレル/日
福島第一原発はチェリノブイリ原発のように原子炉が爆発した訳ではないが、原子炉や使用済み燃料貯蔵プールにある核燃料の量が、チェリノブイリの10倍以上あるためです。
上記のウクライナ・ナロジチは、原発から70Km離れていても、25年経った現在、不妊や流産が起きています。そうすると、福島原発の20kmあたりに住んでいる人は、将来どうなるのでしょうか・・・・・・・??????????????
人命無視も甚だしい・・・・・


日本の除染は、ニュースを見る限りにおいてはお粗末そのものである。住宅を高圧洗浄機で洗い、家の軒下だけを土をはぎ取るだけ・・・・・林や森、野原、湖、川・・・・・・Etc・・・・・何にも出来ていないじゃないか・・・・
これも、厚生労働省が復興資金を食い物にしているだけじゃないのか?
それに群がる、業界のシロアリも復興資金だけが目当てで、国民一人一人の生命や、子供たちの将来はほったらかしではないのか・・・・・・最近とても不安に思うことが多すぎる・・・・・


バンダジェフスキー博士は、日本国内で現在進められている震災がれきの広域処理に関して、わずかな汚染であっても、セシウムを含んでいる汚染物質を、クリーンな地域に拡散することは理解できない」と日本政府の方針について強く否定をしています。日本政府が十分な情報の公開を行っていないことについても、疑問を呈しました。


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