永田浩三さんのブログに毎日新聞記者が書いた「県民健康管理調査の闇」という本に対する意見が書かれていました。今の日本政府や官僚が情報操作をし、国民を騙し続けていることがよく分かりますね。
ブログをそのまま転記しておきます。
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今話題の岩波新書、『県民健康管理調査の闇』を読んだ。こういうものを、調査報道というのだと思う。日々の取材を積み重ね、メディアのプロとして追及し、国民の知る権利にこたえる。
著者は毎日新聞の記者・日野行介さん。1975年生まれだから37~8歳。大したものだ。
福島原発事故を受けて、住民の健康への影響を調べる福島県の調査において、専門家とされるひとたちは、秘密の会議を持ち、調査結果をどう公表するかのすりあわせを行い、議事録の改ざんまでおこなわれていた。
そこで掲げられた大義名分は、住民がパニックにならない。安心をもたらすということだった。低線量の内部被ばくによる、晩発性の障がいや健康被害については、不明なことが多い。
それを理由に、ただちに健康への影響はないだの、100万人にひとりのレアケースという、まことしやかな言説が、専門家から垂れ流されてきた。そうしたことに異を唱えると、プロの反原発活動家というレッテルを貼り、専門家という権力で、冷笑し、ねじ伏せることが繰り返されてきた。
日野記者は、県民健康管理調査の検討委員会が持つ闇を明らかにしていく。闇とは、こういうことだ。検討委員会の議論は公開ですすめられる。そこでは、報道の人間や市民も自由に同席し、知ることができる。
だが、この検討委員会の前に、同じメンバーで秘密の会議が1年半にわたって続けられてきたことを、日野記者はつかみ、それを明らかにしていく。
秘密会では、さまざまな議論が噴出したが、県の事務局と座長の山下俊一・福島県立医大副学長らは、異論を封じ込め、公開の検討委員会が穏便に進行するようなシナリオを描いた。
つまり、秘密会は、根回しと懐柔の場であり、問題の隠ぺいの場であった。
日野記者は山下副学長に渾身のインタビューを試みる。余談だが、ニュースウオッチ9の大越キャスターや、ニュース23の岸井キャスターなどが行うのは、提灯儀式だ。あれはインタビューとは、断じて言えない。
さて、日野記者のインタビューで明らかになるのは、驚くべき事実だ。まず山下副学長が、被ばく2世であること。これを本人意識したのは、1986年のチェルノブイリ事故以降であった。別に、他人の人生をとやかく言いたくないが、この看板は、過大評価してはならないということだ。
彼は長崎大学教授ということも含め、いいように利用してきたのだと思う。100ミリシーベルトまで安全、20ミリまで安全といったことは、かれの口から、さんざん出たように記憶しているが、本人は、しきい線量なんてないと、今更ながら語る。だとすれば、あの騒ぎはなんだったのか。政治と政策だったのか。
今、山下副学長は、12000人の原告から、訴えられている。前代未聞のことだ。その原因は、わかりもしないことを、安全だと言い放ったことにある。しかも、その科学的根拠はなかったと、今になって言う。この責任を問わずして、なんとする
ブログをそのまま転記しておきます。
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今話題の岩波新書、『県民健康管理調査の闇』を読んだ。こういうものを、調査報道というのだと思う。日々の取材を積み重ね、メディアのプロとして追及し、国民の知る権利にこたえる。
著者は毎日新聞の記者・日野行介さん。1975年生まれだから37~8歳。大したものだ。
福島原発事故を受けて、住民の健康への影響を調べる福島県の調査において、専門家とされるひとたちは、秘密の会議を持ち、調査結果をどう公表するかのすりあわせを行い、議事録の改ざんまでおこなわれていた。
そこで掲げられた大義名分は、住民がパニックにならない。安心をもたらすということだった。低線量の内部被ばくによる、晩発性の障がいや健康被害については、不明なことが多い。
それを理由に、ただちに健康への影響はないだの、100万人にひとりのレアケースという、まことしやかな言説が、専門家から垂れ流されてきた。そうしたことに異を唱えると、プロの反原発活動家というレッテルを貼り、専門家という権力で、冷笑し、ねじ伏せることが繰り返されてきた。
日野記者は、県民健康管理調査の検討委員会が持つ闇を明らかにしていく。闇とは、こういうことだ。検討委員会の議論は公開ですすめられる。そこでは、報道の人間や市民も自由に同席し、知ることができる。
だが、この検討委員会の前に、同じメンバーで秘密の会議が1年半にわたって続けられてきたことを、日野記者はつかみ、それを明らかにしていく。
秘密会では、さまざまな議論が噴出したが、県の事務局と座長の山下俊一・福島県立医大副学長らは、異論を封じ込め、公開の検討委員会が穏便に進行するようなシナリオを描いた。
つまり、秘密会は、根回しと懐柔の場であり、問題の隠ぺいの場であった。
日野記者は山下副学長に渾身のインタビューを試みる。余談だが、ニュースウオッチ9の大越キャスターや、ニュース23の岸井キャスターなどが行うのは、提灯儀式だ。あれはインタビューとは、断じて言えない。
さて、日野記者のインタビューで明らかになるのは、驚くべき事実だ。まず山下副学長が、被ばく2世であること。これを本人意識したのは、1986年のチェルノブイリ事故以降であった。別に、他人の人生をとやかく言いたくないが、この看板は、過大評価してはならないということだ。
彼は長崎大学教授ということも含め、いいように利用してきたのだと思う。100ミリシーベルトまで安全、20ミリまで安全といったことは、かれの口から、さんざん出たように記憶しているが、本人は、しきい線量なんてないと、今更ながら語る。だとすれば、あの騒ぎはなんだったのか。政治と政策だったのか。
今、山下副学長は、12000人の原告から、訴えられている。前代未聞のことだ。その原因は、わかりもしないことを、安全だと言い放ったことにある。しかも、その科学的根拠はなかったと、今になって言う。この責任を問わずして、なんとする