祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 『原発事故被害地おける、医師らによる「被曝調査活動」の本質』

2014-10-18 01:04:57 | 原発事故
ネット上に、福島原発事故に対する医療関係者の言動について、木村知医学博士の見解が載っていました。政府及びその利害関係のある人たちは、住民の健康や将来について無視しても、自分たちの都合に合わせて活動しているようです。以下に転載します。

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2013年10月13日 | 日本とわたし


この記事は、今年のはじめ、1月30日に発表されたものです。 当時この記事を読んで、あまりのことに、ここに載せることもできずにいました。

書かはったのは、木村知さんとおっしゃる医学博士。
まず、木村氏についての紹介を、ここに載せさせてもらいます。

木村 知(きむら とも)
有限会社『T&Jメディカル・ソリューションズ』代表取締役
AFP(日本FP協会認定) 医学博士
1968年・カナダ国オタワ生まれ。
大学病院で、一般消化器外科医として診療しつつ、クリニカルパスなど、医療現場でのクオリティマネージメントにつき研究中、2004年、大学側の意向を受け退職。
以後、「総合臨床医」として「年中無休クリニック」を中心に、地域医療に携わるかたわら、看護師向け書籍の監修など、執筆活動を行う。
AFP認定者として、医療現場でのミクロな視点から、医療経済についても研究中。 著書に、「医者とラーメン屋-『本当に満足できる病院』の新常識」(文芸社)。

↓以下、転載はじめ

原発事故被害地おける、医師らによる「被曝調査活動」の本質
【T&Jメディカル・ソリューションズ】1/30/2013

福島第一原発事故により、放射能汚染された地域では、福島県立医大、弘前大、長崎大、東大などの医師らが、住民の被曝調査活動を行っている。医師らによる、住民に対するこうした調査活動は、一見「人道的活動」にも見えるが、その本質を十分に見極めないと、後々、大きな禍根を遺すことにもなりかねない。特に、東大医科学研究所が主体となって、浜通りで展開されている「活動」については、不審な点が多く、今後、十分監視していかねばならない、と考えている。

一昨年10月、南相馬市において、住民の被曝による危険を、いち早く注意喚起し、南相馬市長をはじめ、他の南相馬市議が、積極的注意喚起行動をとらないなか、孤軍奮闘されてきた、大山こういち市議と連絡をとるようになってから、私は一層、東大による被曝調査活動に対し、疑念を抱くこととなり、彼らの活動、言動についての矛盾点を、ことあるごとに、Twitterで発信してきた。

それらを総括して、今までの彼らの「活動」を一言で言うならば、それは、住民を使って「低線量被曝研究」を行い、それにより住民に「安心」を与える、つまり、政府の「福島県民を避難させない政策」に、「科学的根拠(?)」を与える使命をも兼ねたもの、「医療活動」というよりも、むしろ「政治的活動」というのが、その「本質」である、と結論できる。

そもそも浜通り地域で、「実働部隊」として、この活動を行っている坪倉正治医師は、先輩の上昌広東大医科研特任教授に、南相馬行きを命じられた、医師になって未だ十年にも満たない「大学院生」であり、放射線医学の専門家でもなければ、ましてや、被曝医療の専門家でもない

そして、この上昌広教授という人物は、数多くのメディアに度々登場する、有名な医師で、『MRIC』という医療系メルマガの編集長もしており、私も過去、十数本の医療関係の記事を、このメルマガに投稿してきた。http://medg.jp/mt/

彼は、新聞記者、メディア関係者に顔が広く、作家の村上龍氏の『JMM』というメルマガと、このMRICも連動しており、過去も、医療現場のさまざまな問題を、これらメディアを駆使して、広めてきた方である。

今回、こんな名も無い「単なる大学院生」が、新聞を始めとした数多くのメディアに登場し、ややもすると、「内部被曝の専門家」のように扱われてきたのは、この上教授の得意技である、「メディア戦略」に他ならない。坪倉医師は、言わば、上教授によって、メディアを通じ「作られた専門家」、単なる、彼の「パペット(あやつり人形)」に過ぎないと言える。

また、上教授は、政治家とも親交が多く、民主党の仙谷由人前衆議院議員、鈴木寛元文部科学副大臣らとは、親密であることは、多くのひとが知るところである。 今回、彼が、南相馬を中心とした浜通りに入り込んだのは、その仙谷由人氏から、「相馬市の立谷市長を助けてやってくれ」との依頼を、直接、発災4日目に受けたことが発端である。(仙谷由人氏は原発推進派として有名)

相馬市の立谷市長は、相馬市で病院を経営する医師。
彼は、その自分の地位と利権を、失いたくなかったのであろう、事故直後から、「米と味噌があれば生きて行ける」などと、住民とともに「籠城」を決め込んだ市長として、有名な人物。すぐに、立谷氏と上教授は、懇意となった。

(これは私の推測だが、当時の政府執行部は、福島市、郡山市の汚染が、甚大であることを把握していた。しかし、彼らを避難させると、「経済的損失」は甚大。そんななか、福島市、郡山市よりも線量の低い浜通りから、多くの避難者が出てしまったら、中通りからも、多くの住民が流出してしまう。だから、浜通りを死守せよ、という指令だったのではないか、と思っている)

南相馬では、彼は、原町中央産婦人科医院の高橋亨平氏という、末期ガンに冒された産婦人科医と共同、除染研究所などを設立して、住民らの手で、除染させる活動を始める。そして、この高橋医師が、私財を投じて、精度の高いキャンベラ社のホールボディカウンターを導入、南相馬市立病院で、内部被曝調査を開始。
このころから、坪倉医師の名前が出始め、おそらく、早野龍五教授も、このころから関わってきたようである。(早野教授は、震災直後から、精力的にツイッターを駆使して、「安全論」を拡散してきた人物として有名。 当時の投稿はツイログでは読めるが、TLからはすでに削除している)
この高橋医師は、「子どもはセシウムに強い」などと、汚染地域での出産育児を、奨励している人物
逃げ出す医師が多いなか、留まって、診療活動を行い続けたことに対して、称賛する声は多いが、妊婦や子どもを避難させようという行動、言動は一切なく、いかに、子どもたちが安心して暮らせるようにするか、つまり、子どもたちが逃げ出さないよう、いかに汚染地域で暮らし続け復興させるか、を最優先に考えていた人物として、その活動については、強い違和感を覚えずにはいられない。(過日、高橋亨平氏はご逝去された)
http://www6.ocn.ne.jp/~syunran/

話は前後するが、2011年4月、ある勉強会の後に、上教授と飲んだ際、彼が私に、酔っ払って言っていた言葉には、驚いた。
「福島市も郡山市も、とてもじゃないが避難させられん。将来奴ら(福島県民のこと)は、集団訴訟とかするんやろなあ

福島県民のことを、「奴ら」と言った彼の口元を、思わず見返した記憶が、今も鮮明に残っている。また、昨年4月ころ、医療ジャーナリストの伊藤隼也氏から、直接聞いた話だが、上教授は伊藤氏に、「南相馬はアブナイですよ」と、ハッキリ仰っている。つまり上教授は、そもそも、浜通りの住民の、健康被害が発生することを予測しながら、住民避難を訴えずに活動している、ということである。
伊藤氏は、「彼は確信犯だよ」とも言っていたが、私自身のなかで、東大の「活動」に対する疑念が、「確信」に変わった瞬間であったと同時に、かつては、むしろ懇意にしていた人物が、このような言動を、住民の知らないところで、平然と言い放っているという事実に接して、さすがの私も、愕然とした。

また、上教授の側近医師にも、彼の主導する活動について、疑問を述べている医師もいる。
その医師の立場もあるので、名前は現時点では明かせないが、以前お会いした折に、
「上教授は、浜通りの汚染地域に、多くの若い医師や医療関係者を送り込んで、『来たれ若者』のように各所で言っているが、どう思うか」と問うたところ、「自分も、非常に危惧している。特に、妊娠可能な若い女性医療関係者に、汚染地域へ行かせることには強く反対なのだが、とてもじゃないが、彼に言える雰囲気ではない」と、苦渋の表情をしていた。
内部でも、このような声が上がっているという事実に、さらに驚くと同時に、問題の深刻さを、改めて感じる。


一方、東大のHPには、「原発災害で大きな影響を受けた、福島県浜通り地方において、住民の健康不安を解消する目的、および、低線量被ばくを含む原発災害が、人体へ及ぼす影響について調査するため、 一般健診、および、健康相談会を行う。 福島県浜通り地区の市民の方を対象に、住民の健康不安を解消する目的で、放射線が、人体に及ぼす影響などについて、説明をする」とある。
こちらもぜひ、ご覧いただきたい。

彼らの「活動」は、あくまで、「不安を解消し安心をもたらす」ものであって、
決して、住民に、「危険を解消し安全をもたらす」ものではないことが、ここでもハッキリと理解できよう。
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/recovery/project_list.html


また、彼と昔から懇意の、鈴木寛元文科副大臣は、子どもの年間20mSv問題での、「戦犯」の一人であることは、皆さんご承知の通りと思う。 知人の参議院議員からの話だが、ある民主党内の会議の場で、その知人が、鈴木寛氏に、20mSvについて異論を唱えたところ、別人のような剣幕で激昂して、恫喝されたとのことだ。当時の民主党内でも、「子どもを避難させるべき」との声は、必ずしも少なくなかった、と聞いているが、そのような良識派の声を、恫喝により握り潰し、今も、福島県の子どもたちに被曝を強いるという、非人道的行為を推し進めた鈴木寛元文科副大臣の責任は、 今後、厳しく追及されるべきものである

そんな鈴木寛氏や、原発推進派の仙谷由人氏と懇意の上教授が、子どもたちに関する、避難や原発の是非を、一切述べないのは、ある意味、納得出来ることと言えよう。

これらの人脈を見ても、彼らの言う、「住民目線に立った活動」というのは、住民を守るものなどでは決してなく、
それを装い、「調査研究」し
、その結果をもって住民を「安心」させ、住民を、汚染地域に縛り付けているという、誠に非人道的なものであることは、明白である。

さらに彼らは、福島県や福島県立医大を、徹底的に、メディアを使って攻撃することで、「自分らこそが、住民を守る、真の医療活動をしている」と、ことあるごとにアピールしている。
確かに、発災直後からの、彼らの医療活動については、賞賛されるべきものもあるが、医療活動をしながらも、本来、医師として一番行わねばならない、住民を避難させ、住民に被曝回避させるといった行動、活動、言動を、「除染」のほかには一切行ってこなかったことは、医師として、到底許されるべきものではない。

最近の坪倉医師、上教授らの、決まり文句は、「地元住民の家庭菜園、未検査食材の摂食が、高い内部被曝の原因であり、継続的な検査が必要。汚染食材を食べなければ、内部被曝は減少している。現在の内部被曝レベルでは、健康被曝は起きると考えられないが、油断は禁物」だ。
いかがであろうか、これぞいわゆる、「東大話法」ではないか。「安心」させつつ、ちょっと注意喚起という、なかなか巧妙な「東大話法」だ。

以前、山下俊一氏の100mSv発言のことを、「やり方がヘタだ」と、亀田総合病院副院長の小松秀樹氏が、指摘していた。小松秀樹氏は、「立ち去り型サボタージュ」の著作で有名な、医師の「論客」だが、彼はさんざん、前述の医療系メルマガ『MRIC』で、「放射能トラウマ」という言葉をつかい、被曝よりも「心配」のほうが、デメリットである、と主張した。つまり、彼らの主張は「食べ物にさえ注意すれば、汚染地域でも住み続けることは可能、心配しすぎずに復興しましょう」ということなのである。

因みに、これも、私が何度も指摘してきたことだが、上教授は、南相馬市の、復興有識者会議の委員も務めている。
http://www.city.minamisoma.lg.jp/kikaku/fukkousimin.jsp

この地域を、「新たな放射線医学の研究フィールドに」、などという、恐ろしい計画まで立案されているが、以前、上教授も、ネットメディアで、「浜通りの被曝データは、世界が喉から手が出るほど貴重なものとなる。これらを蓄積して、世界に発信する。この地域を、廃墟にするも聖地にするも、やり方次第」などとも論じていたことからも、 彼らの活動が、決して、住民の健康を被曝から守る活動でないことは、明白である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/9497

そもそも、汚染地域の汚染もそのままに、復興推進に協力する立場の人間が、住民に、居住が危険であるとの根拠になるデータなどを、示すことなど考えられない。彼らの「活動」の本質を、一刻も早く、多くの県民、国民に気づいて欲しいと、切に願うばかりである。

坪倉医師らは、さかんに、「内部被曝は思ったほどではない、健康影響が出るとは考えにくい」と、さも、内部被曝による健康影響に、「閾値」があるかのごとく喧伝しているが、それに対する「科学的根拠」は、一切示すことは出来ていない。さて、以下の問いに対して、彼らは果たして、正確に、そして誠実に、回答できるであろうか。

・南相馬市は、内部被曝より外部被曝のほうが問題となると、以前、早野教授も仰っていたが、坪倉医師らの見解は?

・汚染食材の摂取さえ気をつければいいと、メディアで発信しているが、それは、ホールボディカウンターの結果が、汚染食材摂取の前後で低下傾向にある、ということのみから導き出したものか。

・食品汚染や内部被曝のリスクは、セシウムだけにあらず、ということについての見解は?

・空間線量に反映されない、南相馬市に散在している、超高度汚染物質についての見解は?

・内部被曝測定を、ホールボディカウンターのみで行う理由は?
 なぜ、バイオアッセイを併用しないのか?
 ホールボディカウンター結果とバイオアッセイの結果を、突合させるつもりはないのか?

・南相馬市で捕獲された、野生猿の各臓器における汚染状況について、知っているか?

・ホールボディカウンターで、正確に測定出来ない子どもらについては、その家族を測定することで推測する…かのような言説があったが、その見解に相違ないか?

・「子どもはセシウムに強い」という医師が、南相馬市の復興に関与しているが、坪倉医師らの見解も同様か?

・上司の上教授は、「本当は南相馬市は危ない」と仰っているようだが、坪倉医師らの見解も同様か?

・浜通りで、子どもを産み育てることについて、坪倉医師らの医師としての見解は?

・よく、「このくらいの値なら、健康影響は考えられないレベル」との表現を使っているが、
 内部被曝に閾値は存在するのか、存在するなら、その数値はいかほどか?

彼らの行っている、ホールボディカウンターによる内部被曝調査の結果が、将来、住民に、何らかの健康被害が生じた場合に、
「内部被曝は少ない」ゆえに、「被曝と健康被害に因果関係なし」という根拠に使われてしまうことが、非常に危惧される

彼らの活動、言動に疑問を感ずる医師、市民らが、これら事実を多くの方々と共有し、
彼らの活動について、多くの問題提起をし、多くの意見を発信していくことが、今後、早急に必要と感じている。


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