遺伝子組換え作物で悪名高きモンサント社は、もともとは農薬を作っています。その農薬と遺伝子組換え種子を売るためにあくどい手を使ってきました。しかし、今は多くの国で、遺伝子組換え作物の輸入禁止や使用禁止をし始めています。今回はモンサントの農薬残留検査が世界中で行われると言う記事です。以下「Alter Trade Japan」さんより転載します。
世界で始まるモンサントの農薬残留検査
2015年04月23日
WHOの外部研究機関である国際がん研究機関(IARC)は2015年3月20日に、除草剤グリホサートを「おそらく発ガン性物質」という2Aのカテゴリーに指定しました。この発ガン性物質のカテゴリーは下記のようになっています。
1 :ヒトに対して発がん性がある
2A:ヒトに対しておそらく発がん性がある
2B:ヒトに対して発がん性があるかもしれない。
3 :ヒトに対する発がん性については分類できない
4 :ヒトに対しておそらく発がん性がない。
2Aの「おそらく発ガン性がある」と2Bの「発ガン性があるかもしれない」の違いについてですが、前者は実験動物での十分な証拠があるものであるのに対して、2Bは実験動物での証拠がまだ十分でないものという違いがあります。つまりグリホサートは動物においては発ガン性が確認された、という判定と理解できます(どちらもヒトの発ガン性に関しては証拠が限られたものであり、その証拠が得られた場合には1のグループとなります)。
このグリホサートはモンサント社が除草剤として1974年に特許を取得します。この除草剤をかけても枯れないように遺伝子組み換えされた大豆が1996年から大規模耕作されるようになり、その使用は年々、激増しています。2000年にはその特許は切れて、現在はジェネリックとなっており、世界各地で生産されています。
このグリホサートを原料に使った除草剤、特にモンサントのラウンドアップは遺伝子組み換え耕作地域で大量に使われ、その地域でガン患者が増加しているというニュースがここ数年、目立って報道されるようになりました。アルゼンチンやブラジルなどで、農業労働者や住民の子どもたちに遺伝子損傷が見られるという研究なども発表されています。
遺伝子組み換え作物だけでなく、このグリホサートは多くの作物に使われています。たとえば米国では小麦の収穫前に、収穫を容易にして、さらに収穫を増やすためにグリホサートが散布されることが多くなっています。中米やスリランカでは農業労働者が通常はまれな慢性腎炎で多数の死者を出しており、エルサルバドル議会はグリホサートを含む農薬禁止を決議し、スリランカも大統領令でグリホサートの禁止を決定、オランダでも部分的に規制が始まっています。
グリホサートが撒かれる地域の農業労働者、農民、住民だけでなく、グリホサートの残留した農作物を食べることによる健康被害に対しても、懸念が大きくなっています。その影響は消化器系の疾患、内分泌の異常、自己免疫疾患、不妊(男性、女性)、糖尿病、ガン、精神疾患、自閉症・認知症などの神経系の疾患など多岐にわたる可能性が指摘されています。
すでに米国の母親の母乳からこのグリホサートが検出されたり、ドイツで行われた尿検査でグリホサートが検出されるなど、人体からの検出も報告されていますが、これまで統一した大規模な調査は行われたことはありません。
今回、世界の遺伝子組み換え問題に関わる市民のグローバルなネットワークであるGlobal GMO Free Coalitionを通じて、フィード・ザ・ワールド(Feed The World)というプロジェクトが立ち上がりました。このプロジェクトは世界の市民に対して、グリホサートの母乳、尿、水道水の検査を有料で提供することで、市民自身が自分の体内、いつも使っている水道水の中にグリホサートが含まれているかどうかを知ることができるようにするものです(母乳の検査は今年後半開始予定)。
今年の10月に米国ではグリホサートを禁止する法案が提出される予定であり、カナダやブラジルなどでも同様の動きが現在あります。
日本ではこのグリホサートは100円ショップの園芸コーナーでも売っており、ホームセンターではモンサントのラウンドアップの販売コーナーがあるほど、その販売に規制は現在ありません。日本は世界で単位面積あたり農薬使用量が飛び抜けて多い国です。また、日本は世界でも最大級の遺伝子組み換え作物輸入国であり、グリホサートの残留量の高い作物が家畜の飼料や加工食品の原料として使われています。日本こそ、このグリホサートの被害について注意が必要な国といえるでしょう。
この検査は日本からも依頼することが可能です。懸念を持つ方はぜひご参加ください。
グリホサートのテスト申し込みフォーム
世界で最初の市民を対象とした認証検査がグリホサート禁止圧力を高める
世界でナンバー1の除草剤があなたの体内に?
フィード・ザ・ワールド・プロジェクトが一般市民を対象とする世界で初めてで唯一のグリホサートの検査によって木曜日に立ち上がります。このプロジェクトは米国の女性と子どもに特別の焦点がありますが、史上初の認証された尿、水、そして近日中に母乳のLC/MS/MS グリホサート測定を世界の市民に提供します。これはグリホサートの販売と使用の禁止を導くでしょう。
世界保健機関(WHO)は3月にグローバルなバイオテク産業に衝撃を与えました。バイオテク産業の最大の稼ぎ頭である化学物質-グリホサート-を「恐らくヒト発がん性物質」(1)として分類したからです。
Feed The World (2)の理事、ヘンリー・ローランズは木曜日に以下のように述べています。
「グリホサートは私たちに有毒な食、水と空気をもたらす現在の農業システムの根幹です。自分たち自身や家族の体の中にどれほどの濃度のグリホサートが存在しているのかを市民が知ることをできるようにすることで、私たちはグリホサートを禁止することをめざします。フィード・ザ・ワールドは農民やビジネス関係者や政府が子どもたちの有害物質のない未来に向けて変えていくために、利益のある農業のオルタナティブのプラットフォームも同時に提供します」
フィード・ザ・ワールドによって提供される認証されたグリホサート検査方法 (3)は一般市民が自分たちの体内、あるいは水道水にどんなレベルのグリホサートがあるかを確かさを持って発見することを可能にします。
2014年に完了した小規模な予備的研究では米国の女性の母乳、尿、水からグリホサートが発見されましたが、この検査の際に使ったELISA試験法ゆえに米国環境庁(EPA)や他の政府規制機関がその結果を無視できてしまいました。EPAやその他の政府規制機関がグリホサートを元にしている除草剤に対して、グリホサートの禁止を含む厳しい行動を取るように圧力を強めるため、フィード・ザ・ワールドは認証されたLC/MS/MS 検査法を採用します。 英国貴族院のメンバーである31代マー伯爵婦人(4)マーガレット・オブ・マーはこう述べます。
「将来の世代が健康で充足した生活を送るためには私たちは世界の女性たちに振り向かなければならない。グリホサートはおそらくガンを生じさせるとして知られている。そしてまだ知られないさまざまな医学的状況に生命を脅かす。私たちあるいは、私たちの子どもたちが影響を受けるかどうか、個人としては知ることができない。この重要なプロジェクトは世界の女性たちが自分たちの体内に、あるいは供給される水の中にグリホサートが入っているかどうか見つけることができる。さらなる汚染を避けて、そして最終的に私たちがグリホサートが私たちの食や水、空気の中にあることをもう我慢しないことを共に示すことに参加できる」
受賞の栄誉ある米国ドキュメンタリー映画の監督エド・ブラウンは、このフィード・ザ・ワールド・プロジェクトの最初から最後までの撮影を続けているが、彼はこう述べる。
「もし一度、この情報を知ったら、振り返ったり、無視したりすることはもうできない。この化学物質がこの惑星のほとんどどの人の体内にも発見されるということを理解することは、そしてその化学物質がたぶん発ガン性物質であるということは我々の時代でもっとも重大なストーリーである。だから私はそれを世界に伝えることを支援することを決めた。なぜならそれは我々人類全体の運命だからだ。」
Organic Consumers Association (5)とMamavation (6)を含む全米にわたるNGOと母親ブロガーはこの検査を広めることに同意署名している。
Feed the Worldプロジェクトはグリホサートを原料とする除草剤の販売をフェーズ・アウトさせ、2018年末前までに全面禁止させることを求めるために米国上院に提出される女性と子どもたちの権利法案 (7)を含んでいる。
尿と水の一般検査と同様にグリホサート検査法の確立と認証プロセスは米国の高く評された研究所で行われ、その研究所の詳細は2015年後半まで部外秘に保たれ、すべての方法が記述された論文の中にピア・レビューされた科学雑誌に掲載される予定である。母乳検査も2015年後半に始まる。
インディアナ医学大学とセント・フランシス病院の新生児集中治療ユニット(NICU)長である新生児学局の臨床学教授(8)のポール・ウィンチェスター博士はこう述べる。
「勇気と懸念を持つ市民は除草剤が実際にどこまで汚染しているのかを知るために行動しなければならない。人類史上でもっとも大量に使われた除草剤について私たちは私たち自身が検査を受ける機会を提供されている。ラウンドアップ(モンサントのグリホサートを原料とする除草剤)は雑草を殺すためだけでなく、収穫前の穀物の乾燥にも使われる。それは地下水、川の水、雨、雪、土壌、そして、食の中に存在していて、その量は増加している。ラウンドアップはあなたの体内に? あなたの赤ちゃんに? この除草剤は私たちの子孫にDNAに刻印していくの? これらの質問に答えるために力を貸してほしい。EPAはやろうとしない。政府はやろうとしない。化学企業はやろうとしない。GM進める農民たちはやろうとしない。食料品店はやろうとしない。もし、私たちがカップの中におしっこをして、その分析に支払わない限り、誰もやらない。あなたたちが真実を突き止めるために支援してくれることを願う」
このプロジェクトに対するグリホサートを原料とする除草剤を作る企業からの予想される反応は、発見されたレベルは人体には安全だというものだ。しかし、企業や政府規制機関が安全だとみなしているグリホサートの濃度が実は「有害である」ことを示す証拠を含む、グリホサートに関する健康や環境上の危険を指摘するとても明快な情報データベース(9)をフィード・ザ・ワールドは提供している。
ロンドンの分子遺伝学者、マイケル・アントニオウ博士はこう結論づける。
「グリホサートはひじょうに低い濃度であっても、内分泌(ホルモン)システムの撹乱などのメカニズムを通じてすべての年齢層で深刻な病に導き、有毒でありうるという証拠はますます増えており、この物質が人間集団全体の中でどれほど存在しているのかについて広い範囲の情報を得ることはさらに不可欠なことになってきている」
参照(外部サイト):
1.http://www.reuters.com/article/2015/03/20/us-monsanto-roundup-cancer-idUSKBN0MG2NY20150320
2.http://feedtheworld.info
3.http://feedtheworld.info/glyphosate-testing-test-yourself/
4.http://en.wikipedia.org/wiki/Margaret_of_Mar,_31st_Countess_of_Mar
5.https://www.organicconsumers.org/
6.http://www.mamavation.com/
7.http://feedtheworld.info/glyphosate-bill-of-rights/
8.http://www.neonatology.iupui.edu/faculty/paul-d-winchester/
9.http://feedtheworld.info/glyphosate/
よくされる質問: このグリホサート検査ではどんな認証方法が使われますか?
グリホセート(N-(ホスホメチル)グリシン)を直接液体クロマトグラフィー – タンデム質量分析(LC-MS/ MS)を用いて分析されます。水および尿のサンプルはイオン交換カラムを用いる固相抽出によって分析されます。抽出されたサンプルは、LC-MS/ MSに注入され、検体は定組成溶離を介しオベリスクNカラム(SIELCテクノロジーズ、米国イリノイ州プロスペクトハイツ)を用いて分離されます。グリホサートのイオン化は負極性で作動するエレクトロスプレーイオン化源を用いて達成されます。分析物は、内部標準としての13C標識グリホサートを用いて多重反応モニタリングによって検出される。検体の定量は、8点較正曲線を用いた同位体希釈法によって行われます。分析は0.1 ng / mLでの検出限界を有する。観察内および間日間の精度は0.1〜80 ng / mLでの範囲の濃度の6%から15%までです。グリホサートの回収率はその分析の線形ダイナミックレンジ内の濃度で70から80%の範囲。
プレス問い合わせ(英語):
Henry Rowlands
Director
Feed The World – http://www.feedtheworld.info
Henry @ feedtheworld.info
+359886699802
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