本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」は、私の妻が三十八歳という若さで癌(乳がん)にかかり、その癌というとてつもない巨悪な病魔と戦う現実の姿を、ほとんど実話に近い形で書いているものです。それだけに、本作品が本当に人の生きることや命の大切さの意味を訴えているのを、よくみなさんにご理解していただいているのか、本作品が、小説や音楽、ドラマetcのジャンルを越えて、今凄い多くのみなさんに読まれていることがわかりました。本作品、~青春うたものがたりシリーズ~「生きる力」が、何故?そんなに人の心を魅了し感動を与えるのか!ぜひあなた自身もその目とその心で直接確かめてみてください。
人にとって 一番の喜びってなんだろう?
人にとって 一番の幸せってなんだろう?
それは、いつでも自分に悲しいことや苦しいことがあったときに
いつも手を伸ばすと その悲しみや苦しみを癒してくれる
家族や愛する人が 自分の手の届く範囲の中に
自分が永遠の眠りに着くその日まで、ずっとずっといてくれることかもしれない
(八)
本来、愛美の手術が終わることを告げられている予定時間より、二時間以上も早く彼女の担当看護師である平野ひなたが、愛美の病室に戻るといること自体が、拓也にすればおかしなことだった。
「大沢さん、奥さん手術中だというのにどこに行っていたんですか?」
「すみません。ちょっと妻の手術が終る予定の時刻まで時間があったものですから、気晴らしついでに買い物に行っていました・・・」
拓也は、平野看護師のかなり焦っている態度を見て、すぐに愛美に何かがあったことだけは分かった。
さらにまた、まだ外出先から病室に戻ったばかりで、平野看護師に詳しい話は聞いてはいないが、それに加えて愛美の手術の終わる予定時間の二時間以上も前だというのに、彼女が愛美の病室にいること自体が、さらに拓也の気持ちを不安にさせた。
そのせいで、すぐに達也の脳裏を、“おそらく愛美に何か好くないことが起きたのだろう?”という、悪い予感が駆け巡った。
ただ、何故だか?分からなかったが、平野看護師にその内容をなんど尋ねても、彼女の返事は、「私の方では何も言えないので、直接山中先生から聞いてください・・・」という、単に同じ言葉を繰り返し続けるだけだった。
そうなると、もう後の拓也の立場としては、平野看護師の指示に従って、癌患者の手術室がある五階に行って、今回愛美の乳がん手術を担当した山中大輔医師に、その内容について直接聞くしかなかった。
ただ、おそらく愛美の病室がある八階から、彼女の乳がんの手術室がある五階まで移動するのに、実際の時間にしたら五分も掛かっていないはずなのに、気のせいか?その移動時間がかなり思ったより長く感じられ、ずっとその間「きっと、愛美に何かがあったに間違い・・・」という思いが、一歩歩くたびにごとに次第に大きくなっていき、なんだかんだと移動している間中にも、かなり息苦しくなるほど緊張感と恐怖感に襲われた。
そしてまた、その移動中に平野看護師が何故だか?まったく何ひとつ一言も話し掛けて来ないのが、拓也に大きなプレッシャーとなって不安を与えた。
拓也が、平野看護師と一緒に手術室の前に着くと、もう手術中であることを知らせる赤ランプは消えていた。
再び、その赤ランプが消えているのを目にした瞬間、拓也の脳裏を、「きっと、愛美に何かあったに違いない・・・」という、凄く不安と恐怖が駆け巡った。
「今、すぐに山中医師を呼んで来ますから、ここで少し待っていてください・・・」
拓也のそんな心配を尻目に、平野看護師は何事もないかのように、そういい残して手術室の扉を開くと、大急ぎでその場を離れて手術室に向かった。
その待ち時間は、どのくらいだったのだろうか?
実際には、かなり愛美のことで気が動転しているために、まったく時間のことなど気にする余裕などはなかったが、おそらく時間にしたら、わずか五、六分ことだったのではないのだろうかと思う。
やがて手術室の扉が、金属音独自のギーッという不気味な音と共に開くと、その中から山中医師と、さっき彼を呼びに行った平野看護師が出て来た。
山中医師は、まだ手術時の姿そのままで、マスクやキャップ、手袋まではずさずに、拓也の前に現れた。
その山中医師の姿を見たとたん、拓也は少しでも気を落ち着かせるために、手術室の前の廊下に用意されている長椅子にもたれて天井の板の目を数えていたが、かなり緊張していたせいか?取り急ぎ立ち上がろうとした瞬間、思わず両足が絡んでしまい前のめりになって、その場で転んでしまった。
よほど、その拓也が慌てて転んだ姿が、滑稽に見えたのか?
さすがに、山中医師と平野看護師もその気持ちを抑え切れずに、笑い声をあげた。
「ワアッハハハ・・・」
「クスクスクス・・・」
そして、いったん笑いが収まり一段落すると、山中医師は急にいつもの医師らしい神妙な趣で、愛美の手術の経過について話し始めた。
「奥さんの手術は成功ですよ・・・」
「がん細胞が移転していた、右腕の脇の下のリンパ筋も三個の切除で済みましたから、また、しばらくすると使えるようになりますから・・・」
「よかったですね。大沢さん・・・」
「・・・・・」
当初、拓也はまったく逆の結果を考えていて、ある意味それなりの覚悟を決めていただけに、その嬉しさと興奮から全身が身震いして止まらずに、山中医師や平野看護師の言葉に対して返事も出来なかった。
そして、その後しばらく時間をおいて自分の気持ちの整理が付くのを待つと、もう一度愛美の手術の経過について尋ねた。
「山中先生、い、今の話は、ぼ、僕の聞き間違いではないですよね?!」
「いや、大沢さん、決してあなたの聞き間違いではありませんよ・・・」
山中医師からその言葉を聞いたとたん、これまでの拓也は愛美から乳がんだと打ち明けられた日から、今日の手術が無事に終わるまでの約一月の間の重圧感から一気に解き放たれて、これまでに一度も味わったことがない初めての大きな安堵感を体感したこともあり、男のプライドなど一切かまうことなく山中医師の前にひれ伏してお礼を言うと、もう自分自身が気付いたときには、いっさい周囲にほかの病院関係者や患者などがいることなども忘れてしまい、大粒の涙を流して咽び泣きしていた。
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第8話「青い目の少女」
ただ、ナナちゃんの夢を大翔くんは、どうやって叶えてあがたらいいのか?毎日どんなに考えても、決してその答えを見つけ出すことは出来ませんでした。
その訳は、彼女と話した日を境に学校に行っている時間以外には遊ぶこともやめて、その答えを探すために一時の時間も無駄にしないように、町の図書館や市役所などを訪ねて回り、彼女の病気についての資料を調べたりその治療方法などについて尋ねてみたりしました。
でも、どれもこれも小学三年生の大翔くんには難しすぎて、まったく彼女の夢を叶えてあげられるようなことの答えが、何ひとつとして見つけられなかったからです。
そして、彼がそうこうしている間に、あっという間に一月が経ってしまいました。もちろん、その間は大翔くんがナナちゃんと会うことは、まったくありませんでした。
それは、大翔くんがナナちゃんに彼女の夢を叶えてあげると、なにも正式に約束したわけでもないのに、なんだか彼女ために何も出来ない自分がとても嫌になり、大翔くん自らが彼女と会うことを避けて、まったく彼女に会いに行こうとしなかったからです。
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