の名称。中性微子とも書く。電子ニュートリノ・ミューニュー
トリノ・タウニュートリノの3種類もしくはそれぞれの反粒子
をあわせた6種類あると考えられている。 ヴォルフガング・パ
ウリが中性子のβ崩壊でエネルギー保存則が成り立つようにその
存在仮説を提唱した。「ニュートリノ」の名はβ崩壊の研究を進
めたエンリコ・フェルミが名づけた。フレデリック・ライネスら
の実験によりその存在が証明された。
ニュートリノは電荷を持たず、のスピンを持つ。 また質量は非常
に小さいが存在することが確認された。
ニュートリノには電子ニュートリノ (νe)、ミューニュートリノ
(νμ)、タウニュートリノ (ντ) の3世代とそれぞれの反粒子が
存在する。 これらは電子、ミュー粒子、タウ粒子と対をなして
いる 。
ニュートリノは強い相互作用と電磁相互作用がなく、弱い相互作
用と重力相互作用でしか反応しない。 ただ、質量が非常に小さい
ため、重力相互作用もほとんど反応せず、このため他の素粒子との
反応がわずかで、透過性が非常に高い。
そのため、原子核や電子との衝突を利用した観測が難しく、ごく
稀にしかない反応を捉えるために高感度のセンサや大質量の反応
材料を用意する必要があり、他の粒子に比べ研究の進みは遅かった。
電荷を持たない粒子であるため、中性のパイ中間子のようにそれ
自身が反粒子である可能性がある。ニュートリノの反粒子がニュ
ートリノ自身と異なる粒子であるか否かは現在でも未解決の問題
である。