ドリルのあな

ほんの小さな喜びと
ほんの小さな幸せ感じていれば
やがてそれは希望になる
歩いてゆこう!どこまでも!!

【不定期的連載】思わず泣ける話(9)

2010-10-31 22:15:37 | 連載もの/コラム
それは、ホークスが赤く燃え盛ろうとしていた、
暑い熱い真夏の夜のこと
だった。


予約のパフェのオーダーが通り、
私達はパフェの準備に取りかかった。


盛り付けは勿論、料理長がするわけだが、
パフェを作る料理長の様子は近寄りがたいものがあり、
他を寄せ付けにくいオーラが滲み出ていたのだ。


毎回そんな緊張感と隣り合わせな厨房に、
料理長の言葉が、衝撃が走った!!


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「おい、このメロン凍ってるやないか!!
 メロン持ってこいっ!!」(゜□゜;)
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私はメロンを1玉持ってきて、
すぐさま料理長に渡した。
料理長はメロンを半分に切り、
その半玉を私に渡すやいなや、
衝撃の一言を発した!


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「食べてくれっ!!」(`へ´;)
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私は耳を疑った。
お客さんに差し出す筈のメロンを、
何故、今私が食べるのか!?(・_・;)
私は迷った。
もう一度聞くべきかどうか。
すると、横から同僚がスプーンを差し出した。


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「これ使ったがいいよ。」ゝ(・_・;)
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私は混乱した。
本当にメロンを食べるのかと。
そんな私の頭の中では、
こんな格闘が繰り広げられていたのだ。


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『そうか!メロンが凍っていたから、
 ちゃんとしたものか確認したいんだな。
 しかし、何故、私が食べるのだろう?
 これって、料理長でも、よくね!?』(・_・;)
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その時だった!
考え込む私にしびれを切らしたのか、
料理長の言葉が一閃、私の耳に飛び込んだっ!!


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「早よせんかっ!!」(゜□゜;)
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私はビクッとした!(☆□☆;)
驚きの余り、思わずメロンを食べた!
無意識のうちに、スプーンでひとすくい。
私は遂に、メロンを食べた…。(゜~゜;)
その瞬間、料理長の顔は真っ赤になっていた!!


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「お前、何しとんぢゃあぁぁぁっ!!」(゜□゜;)
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料理長のマグマは噴火した。
その瞬間、私は一目散に避難した…。(TДT;)


その後の料理長の行為を見て、私は理解した。( ̄ヘ ̄;)


そう!
あの時、料理長は『食べてくれ!』ではなく、
『(メロンの)種取ってくれ!と言ったのだ!( ̄□ ̄;)


パフェを出し終えて一段落した後、
私は料理長に素直に理由を説明し、謝った。(-_-;)


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「そうやな、凍ってたら大変やもんな、
 …て、誰が食べさすかぁっ!!」(゜□゜;)
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料理長はノリツッコミで返し、
私は少し救われた気がした。
私は安堵と同時に、感謝した。(T_T)


2010年のシーズンが終わり、
あれから何ヶ月経ったのだろうか。
あのメロンの味と、その時の料理長の表情が、
今でも鮮明に思い出されるのだった…。(T~T;)


そして、あの一件の後メロンが出る度、
職場の皆様からの容赦ないツッコミが、
シーズンが終わるまで絶えなかった
のは、
勿論、言うまでもない…。(TヘT;)

コメント
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