ドリルのあな

ほんの小さな喜びと
ほんの小さな幸せ感じていれば
やがてそれは希望になる
歩いてゆこう!どこまでも!!

〔年忘れ特別企画〕【不定期的連載】思わず泣ける話(12)

2013-12-26 23:07:16 | 連載もの/コラム


それは、九州地方が梅雨入りして間もない、
晴れ間が続いた6月のある日のことだった。

私は5月から2ヶ月間、現場監督の軽トラックを借りて現場を飛び回り、
資材の運搬や残材の回収を主な仕事としていたのだ。

6月に入り、軽トラ野郎として慣れてきたところに、
1ヶ月苦楽を共にした軽トラから、
別の軽トラへの乗り換えを余儀なくされたのであった。


まさかそんなところに意外な落とし穴があろうとは、
当時の私には全く知る由もなかった…。(・_・;


ある日のこと。
その日の私は現場に資材を運ぶのに3箇所回り、
午後から回収に1箇所回る予定だった。

私は積み込みを終えて軽トラを走らせ、
現場に向かう前にまず、セルフのガソリンスタンドに寄った。

そこでガソリンを給油した後、高速に乗って現場へ颯爽と向かった。

1件目の現場に到着した。
私はエンジンを止め、資材を置いた。
そして、次の現場へ向かおうとしたその時だった!


事件は、発生した…。(;゜0゜)


ヒュルルルル…。
ヒュルルルル…。
エンジンが、掛からない。


ヒュルルルル…。
ヒュルルルル…。
何度やっても、結果は変わらない。


初めて車がただの鉄の塊であるかのやうに感じた。
そら無理もない。初めて車が動かなくなったのだ!
このままトラックと共に、1人寂しく現場に居座らなければならないのか?


私は、焦った。( ̄◇ ̄;)


「一体何が原因なのだろう?」
「いつからエンジンがおかしくなったのだろうか?」


そんな思いが頭の中を駆け巡っているところに、
給油タンクからある文字が目に入った。


「軽油」


私は更に焦った。( ̄◇ ̄;)


「ガソリンを入れて、なぜ動かなくなるのだ?」
「同じ車種なのに…。」(T_T)
「以前のトラックはガソリンで普通に動いてたぢゃないかぁぁぁぁっ!」( ̄□ ̄;)


私は泣いた。
心の中で泣いた…。


この状況を説明すべく、このトラックを使用していた監督に電話した。


「ああ、ガソリンを抜かんといかんね。1万掛かるよ。」


私は財布の中を覗いた。
千円しかない…。
買ったばかりのスマートフォンで地図を見て、
近くにガソリンスタンドがないか、コンビニがないか調べた。


…コンビニが、あった。
私は現場を後にし、約500m程先のコンビニまで、走った。


…つづく。(ー ー;)



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