■チェロ1台で奏でられる大宇宙の響き
「無伴奏チェロ組曲」はチェリストにとっての聖書とされるだけではなく、
数あるバッハの作品群の中でも特に重要とされる名作です。
タイトルの通り基本的にチェロ1台で演奏されますが、
音を重ねて弾く重音奏法などにより
多彩な表情を見せる重厚な作品になっています。
ですがこの組曲は20世紀前半までほぼ忘れ去られていて、
単なるチェロの練習曲程度にしか見られていませんでした。
しかし、まだ13歳だったチェリストのパブロ・カザルスが、
この作品の古びた譜面をマドリッドの楽譜屋で
偶然手にしたことから、事態は一変します。
この曲のただならぬ真価を察したカザルスは、
その後密かに10年にわたって研鑽を積み、
満を持して開かれた演奏会は音楽界に衝撃をもたらしました。
カザルスの名演をきっかけに「無伴奏チェロ組曲」は
音楽史上に残る傑作として今日まで愛され続けています。
(クラシック名曲サウンドライブラリー)
●カザルスの録音は古く,東芝のGRシリーズというモノラル録音の
レコードで聞いた。
その後,何人かのチェリストのCDを聞いたが,カザルスの演奏が
一番シンプルでスッキリして,大きな宇宙を感じる。
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