今日も暑くなりそうな朝です
Fさんの遺したレモンが枝先までたわわに
日本人は農なき国を望むのか ~農民作家山下惣一の生涯~を観た。
名前は知っていたがここまでの思いの人とは知らずに来た。
玄界灘に面した土地でミカンを作りながら物書きと二足のわらじを履き
物言う百姓の86歳の生涯を昨年閉じた。
1960年 当時の池田勇人は所得倍増計画を打ち出し翌年には農業基本法が制定された。
自給自足型農業から選択的拡大へとスローガンを掲げ機械化へと大幅収量UPを目指した。
八郎潟干拓の稲作同様 国が奨励結果生産過剰に陥りオレンジの自由化も相まって価格が暴落
国は指導はしても強制はしていないと冷たい。
ミカンの木全てを切って米作に切り替えた。
ある年死米(精米した際お米の形が崩れ白濁している。)が出た。
肥沃な土は微生物の働きで稲わらなどの養分を食べ収量にも大きな差が出ていた。
田んぼの生き物調査をしたところ無数の命が田んぼの中に育まれ鳥や虫蛙が其れを餌として
多くの生き物を生産し食物連鎖の基本を作っていた。
「商品としての米は輸入できるけれどこの様な環境は輸入できない 食べると言うことと
環境と地域社会は密接に繋がっていることを分かって欲しい」と話していた。
「小さな農業は残ると思うんです 強い農業と言うけれども強い農業が残るんではなくて
残った農業が強いんですよね。」と
日本経済が高度成長を遂げて農業の輸入自由化が加速し出した頃「日本農業不要論」が
巷で叫ばれ出した そんな中「食と農の大切さ」を訴え続け
「農業は成長よりも安定 拡大よりも持続 競争よりも共生」と唱えた。
道の駅が賑わっている。その地に根を張る家族農業は大規模農業と違って
身近に消費者がいることかも知れない そして目に見える安心安全な食べ物を求めていると言うことも。
県の奨める農事には、欠かせない内容ですがなにせ無理がある。
全国には通用しません。
環境や資金の有無にも無関係ではないからです。
記載されていることだけではなく、工夫と知恵も大切な要素です。
福島正信さんの無農薬栽培。
参考にして、直感や土地柄を活かさねば、農事は成り立ちません。
農民・農事者の立場に下り、そこの土を知らねば作物はできないのです。
著作は数知れずです。
書かれてあることだけに留まらず、宇宙の理念に気づいての生き方を学ばせてもらえます。
現代農業は、当時から言えば五倍の価格。
図書館で借りて読んでいます。
農業で生活している人は皆無です。
農協はあっても店舗は年々閉鎖され金融業と何ら変わりなくなってしまい
本来の農業指導はなくなりました。
急傾斜地の多い土地柄農業収入はミカン栽培や段畑で栽培されているジャガイモぐらいでしょうか 後は自家消費用にと。
地の利を生かした農業が行なわれています。
急傾斜地を逆手に取ったミカン栽培
太陽の恵みを一杯浴びて甘いミカンが育ちます ジャガイモも然りです。
其れ其れ地域の特性を生かした農業が行なわれているからこそ
お互いに恩恵を受けられるのかと思います。
先人達は今より将来を大事にする生活をしてきました。
目先の事象に右往左往するのではなく地に根を張った生き方が問われているように思いました。
現代農業アナザン・スターさんがよくブログに書かれておられますが
残念ながら手にしたことがありません。
一度読んでみたいと思います。
いえ、農業だけではありませんね、この国の危機ともいえるでしょうね。
わたしたちが生きてきた半世紀の結果だと思います。本当の豊かさとは何であったのか。
未来の子供たちに私たちは何を残せるのでしょうか。
山下惣一さんの作品読んでみます。
同時に格差社会を産みました。
山下惣一氏が問うていた「日本人は農なき国を望むのか」重い課題を突きつけられたきがします。
年々食糧自給率は低くなり 対外国に委ねる事は不安でしか無く
今回のウクライナのようにひとたび戦争になれば尚更です。
「地産地消」「身土不二」という言葉を社会に広めたのも彼でした。
数年前世界一豊かな国はという調査でブータンが選ばれたのは記憶に新しいですが
経済的には豊とは言えないですが贅沢を知った日本人は
豊かさの物差しが違ってしまったのでしょうか。
海を眺めながら何もないことはヒョッとして豊かな暮らしかも知れないと自己満足に浸るときがあります。
人それぞれ豊かさの考え方は違うでしょうが大自然の中に身を置けることも豊かさの一つではと思います。
開発よりは自然を残して子供達世代に託してあげたいと思います。
私も山下惣一さんの作品読もうと思いました。