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「第2部  ロシア動乱(スムータ)再び。 CIAによるプーチン失脚作戦」  プーチンの狙い プリゴジンの狙い ポスト・プーチン

2023-06-12 22:13:30 | 軍事
小説「「第1部  ロシア動乱(スムータ)再び。 CIAによるプーチン失脚作戦」  越境攻撃の狙い」からの続き。

何度も言うが、起きるのは、「革命」ではなく「動乱」である。

●動乱の兆し

米本土ラングレーからオンラインで会議に参加しているSAC(特別行動センター)のセンター長、巨漢のマシュー・ヘンリーが動乱(スムータ)の兆しについて説明を始めた。


ロシア軍内に広がる厭戦・反乱・不満

「なぜリヴォリャーツィヤ(革命)ではなくスムータ(動乱)なのか?その理由については後で説明します。
ロシア軍が統率・規律を失いつつあるという情報が次々と入ってきています。

・戦闘拒否:ルハンシク州、動員兵約600人が戦闘拒否。ロシアに送還。
・不満爆発、補給兵站の破綻:私財で食糧調達、弾薬までも自給自足を要求される。敵から奪い取れ!
・給料未払いで反乱:2022年11月。チェヴァシ共和国の動員兵100人ほどが反乱。
・給料未払いで反乱をしたと理由をビデオ公開:プーチンが約束した月給約40万円払われなていないと。
・列車移動中に酔った下士官が上官を殴り殺す:ロシア・マグニトゴルスク軍事裁判所の発表。
・動員令に反発して入隊事務所や行政機関への放火:2022年9月イルクーツク州で18件。徴兵委員が撃たれる。
・志願兵訓練所で発砲、11人死亡:2022年10月ベルゴロド露軍演習所で発生。発砲したCIS志願兵は射殺。
・ワグネル内で裏切者の傭兵をハンマーで頭部を殴打し撲殺:2022年11月。撲殺されたのは55才の禁固24年の服役囚のエフゲニー・ヌージン氏。9月にウクライナに投降後、反露を表明。ワグネルは私刑ではなく公正な行為と強弁。
・ロシア軍内の反乱は日常茶飯事
・公然とプーチンと軍上層部を非難:。ベルゴロドに移送されたまま、約500人の兵が命令も補給もなく非人間的な状況に置かれたと動画を公開。

(The.Daily.Digest、モーニングショー2022.9.29、毎日新聞2022.11.14ほか)


(The.Daily.Digest、)



プーチン離れ加速 辞任を求める世論、距離をとるCIS(独立国家共同体)、求心力低下、あせり

・占領したウクライナ4州の併合投票、カザフスタンも住民投票を認めないと表明:2022.9.26
・モスクワ、サンクトペテルブルクの一部区議からプーチン解任の要望書を公表:2022.9.13
・カザフスタン、EUへのエネルギー供給の意向。中国へ接近:2022.10
・モルドバ、CIS首脳会議を欠席。親欧米路線へ:2022.10
・キルギス、プーチン誕生日に合わせた旧ソ連諸国首脳の非公式会議を欠席。露への不信感:2022.10
・「ロシア兵の母」が「ウクライナから撤退を」と議会への書簡を公表:2022.11.29
・CIS首脳会議でプーチンから8か国首脳に金の指輪を贈呈。しかし指輪をハメたのはルカシェンコだけ。2022.12.26
・ロシア、異例の年越し。ウクライナ侵攻批判の大物歌手欠席、花火打ち上げ中止、アイスホッケー中止:2022.12.31
・プーチンに国際司法裁判所から逮捕状が出された。ウクライナの子どもをロシアへ強制移送。2023.3.17
・ロシア新任大使へのプーチンの挨拶、拍手無し:2023.4.10 クレムリン。
・ロシア高官の辞職を禁止:2023.5.18 知事、軍人、FSB、等々。
・イコン「聖三位一体」画を大聖堂へ移動し、戦争勝利を神頼み:2023.6.6。

(ロシア新任大使へのプーチンの挨拶、拍手無し:NHKニュースLive2023.4.10)


ロシア国内の遠心力増す。誰もが責任逃れを画策

「これらの報告された事象はほんの一部です。どれも軍の遠心力事象、すなわち軍の崩壊の兆しです。」SACセンター長、マシューが説明を続けた。
「2022年9月18日、ウズベキスタンを訪問したプーチンに、記者団から「ハルキウ州での露軍大敗・撤退」について訊かれて、「作戦の進め方は軍参謀本部が決めている」と答え、自身の責任ではなく軍に責任があると発言した」
「汚い男だな」ピクスビー大使がつぶやいた。
「勝てばプーチンの手柄、負ければショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長の責任。ショイグもゲラシモフも面白くないしやる気がなくなる。こういう責任逃れが公然と知られると軍上層部も部下の責任にすることになる。その部下もさらに下の責任にする。そうなると前線の兵士の弾薬不足や補給品不足、給料不払いも上が真剣に責任を果たそうとしないと気づき反乱や脱走に走ることになる」

「プーチンのために死にたくないと動員されるのを嫌ってロシア国外へ脱出する。プーチンと一緒に戦争責任を負いたくないと密かに辞任・辞職を図るロシアの高級官僚や軍関係者、FSBなどの治安関係者も国外に出たがっている。しかしその空気を察知したプーチンが2023.5中頃、この戦争が終わるまで公務員の辞職を禁止した。

CIS(独立国家共同体)もベラルーシ以外の国は、占領したウクライナのロシア併合を認めていない。力による現状変更を認めれば、次は自分たちがウクライナと同じ目にあうからと自覚しているからです。

残るは命令どうりに動く兵士や高い給料を信じている兵士、現状追認主義の国民が大半となるでしょう」


プーチンの狙い

「プーチンはこの先どう出るのか?CIAの分析は?」ピクスビー大使が訊いた。
「彼はもう手詰まりです。彼の最大の関心事は来年3月の大統領選に勝つことだけです。そのため選挙に逆風となる再動員令の発動もできないでしょう」マシューが答えた。
「プーチンに勝てる見込みはあるのか?」
「中国やトルコ、ローマ法王などからの「現状停戦・和平」を画策しましたが、ロシアの領土獲得で停戦などもっての外とウクライナ側が完全拒否したため潰えました。
そして今、ウクライナの反転攻勢が始まったため、ウクライナが占領地を奪還すれば、何のための戦争だったのか?
多くの犠牲を出した大義とは?とプーチンの威信は失墜し責任追及が始まるでしょう。彼はまたもやあの手この手で軍に責任転嫁を謀るでしょうが、威信を失墜したプーチンの言い訳を軍部が「はい、そうですね」と唯々諾々と従うとは思えません。ロシア大統領選は波乱含みの展開になる公算が大です」

「予測は?」
・不正選挙を画策して大統領選を勝ち抜く
・バトルシェフ、プリゴジンらと共謀(エリツィンとプーチンとの約束のように)、傀儡政権を樹立
 ・中国へ亡命

が考えられますが、プーチンが勝っても傀儡ができても今までのロシアではもうないので、すんなりとは行かないでしょう」


プリゴジンの狙い

「プリゴジンはプーチンと繋がっているのか?」
「軍トップのショイグやゲラシモフを口汚く罵り、戦闘の失敗を彼らの責任と名指しして批判するのは、プーチンが意図する方向と一緒です。また2023.6.4にワグネルがロシア正規軍の中佐を拘束・尋問した映像をSNSに流しました。ワグネルは傭兵。これはロシア軍の軍法や軍刑法を超越したプリゴジンの越権行為。普通ならプリゴジンは無事ではいられないはずだが、彼は何事もなかったようにロシア国内で討論会や記者会見を勝手に開いている。どう見てもプーチンの後ろ盾がないと出来ない言動です。

傭兵部隊が軍法会議を無視して正規軍中佐を尋問し映像を晒した。東スポWEB2023.6.6


プリゴジンの政治的影響力や存在感が高まっています。プーチンの料理人から民間傭兵会社ワグネルの創設者となり、更なる野望を渇望していることは確実です」
「次なるプーチンか」
「しかし簡単ではないでしょうね」
「我々の分析では、ポスト・プ-チンのロシア政局は軍事力を持つ勢力の攻防となると見ています

プリゴジンはロシア軍トップを完全に敵に回しています。またチェチェン共和国のカディロフ首長は、プリゴジンを「問題を叫んでばかりいるブロガー」(2023.6.1)と嫌っています。カディロフも残忍な特殊部隊「アフマート」を有しているのでプリゴジンが次のロシアのトップに立つことは許さないでしょう。

それとは別に我々が支援する自由ロシア軍団とロシア義勇軍団もプーチン政権やその傀儡政権の存続を容認するはずがありません」


ポスト・プーチンに備え軍事力を蓄えるロシア内勢力

「なにかキナ臭い権力闘争が起きそうだな」
「1990年代前後に起きたソ連崩壊では、ソ連邦という巨大なミカンの皮が破れ、ミカンを構成していた中身の各房、すなわちロシア、ベラルーシ、ウクライナ、バルト三国、CISなどが分離独立していきました。失敗した軍部エリートなどの反乱を除けば、軍事衝突の無い比較的穏やかな政権交代でした。その代わりロシア国内では、混乱の最中、政権を手に入れたプーチン、プーチン独裁を支える代わり甘い汁が吸える特権階級になった治安・国防職員のシロヴィキ、国営企業はタダ同然でだまし取った新興財閥のオリガルヒによって分割されました。

現在彼らはウクライナの反転攻勢でプーチンの失墜・ロシア国内の混乱が視野に入ってきました。今ある特権や富は自力で守ろうと傭兵・私兵を抱え込もうとしています。

ロシア国内の民間軍事会社の需要が増大し、報告・確認されているだけで37社ほどが乱立しているようです。
例えばショイグ国防相のパトリオット、電力ガス会社ガスプロムのポトーク、占領下にあるクリミヤ首長のコンボイなどがあります。

ご承知と思いますが、ロシアは多民族大国です。大まかな分類では、ロシアは8割の民族としてのロシア人「ルースキー」と、24の共和国に住むルースキー以外の「ロシア連邦の国民」としてのロシア人「ラシャーニン」で構成されています。今回のウクライナ侵攻で各州各地域に動員令が出されました。それを利用して武装化し民族独立の動きが起こっているとの報告もあります」

(動乱が予想されるポスト・プーチンの世界。サンデーステーション2023.5.14)



「ロシアの富も権力も全て思い通りにできると思い込んだ絶頂期のプーチンはこう言いました「私が(ロシアの)指導者でなければ国が崩壊する」と豪語しました。ある意味その通りになりつつあります。新しいロシア皇帝になり損ねた男は大ロシア消滅のボタンを押したのかもしれません」マシューは言った。

(ナショナルジオグラフィックCH「FACING PUTINライバルが暴く 真実と秘密」)



続く。


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