・ラクトンLactone らくとん
香り成分で、多くのものは芳香があり、食品ではアンズ、モモなどの果物やバターなどの乳製品、また、ジャスミンなどの花やじゃ香といった多くの芳香成分、テルペン類などの天然物に多く存在する。
天然に動植物体内に脂肪および蝋(ろう)の形で蓄えられている。性質はエステルにきわめて類似し抽出して得られる環状エステルのことで、同分子内のヒドロキシル基(-OH)とカルボキシル基(-COOH)が脱水縮合することにより生成する。エステル基を環内に含む複素環式化合物の総称。環を構成する炭素の数の違いにより、3員環はα-ラクトン、4員環はβ-ラクトン、5員環はγ-ラクトン、6員環のものをδ-ラクトンという。12以上の大環状Macrocyclicのラクトンは有機化合物でマクロライドMacrolideと総称し、強い抗菌作用を示すものが多い。
性質はエステルに似て普通のラクトンは中性の液体でエタノール(エチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒によく溶けるほか、低分子量のものは水にも溶ける。合成法は主に、ヒドロキシ基とカルボキシル基を持つ分子(ヒドロキシカルボン酸)の分子内脱水縮合による。水酸化ナトリウム水溶液などで加水分解すると、脱水縮合前のヒドロキシカルボン酸に戻る。
麝香臭を持つ香料として著名なエキサルトリドEexaltolide は16員環のラクトンとして存在する。和牛香は脂っぽい香りを持つ化合物や桃やココナッツ様の甘い香りを 持つラクトン類という化合物などが組み合わさって形成していることを明らかにしている。抽出して食品添加物、香水などの着香料とし利用する。ラクトン類は、毒性の強いもの意外は認可している。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。