お子さんがこの作品を持って帰ったら、どう声をかけますか?
「このシール、枠の大きさと違う」
「枠から、ずれてる」
と思いますか?
事実は、そうですね。
でも、もう一つの事実。
「ぴったり貼ってあるシールが1枚ある」
8個あるうちの1つ。8分の1ですけど、これに注目です!
お子さんが、貼っている間、ななめ後ろから黙って見ていましたが、
枠にぴったりにしようと一生懸命なんです。
少し貼って、ずれているとはがしてやりなおそうとしたり…
この一枚がぴったり貼れた時、
「ぴったり貼れた!」と、うれしそうでした。
「見て!!!」とか「やったー!」とかではなく、静かな満足とでもいいましょうか。
お迎えに来たお母さんに、作品を見せているときも、うれしそうです。
お母さんも、「たくさん、がんばったねー!」とにっこり。
できなかったことに注目しなくてもいいのです。
できなかった残りの7枚は、努力の結果ですね。
やっている途中、机に剥離紙が散らばっていますが、
いちいち「ここに入れようね」とは言いません。
本人は分かっているし、集中しているジャマはしないように。。。
後で、ちゃんと片づけていました。
片づけを忘れて、次のお仕事をしようとしていたら、
「片づけてからしようね」と声をかけます。
こういうことは、大きくなっても同じだと思うのです。
テストやプリントで、できなかったところを注目するよりも、
できたところを認めてあげる。
もちろん、できなかったところについては、
これからどうしたらいいか考えることは必要だけど、
第一声は、ほめてあげたいですね。
ところで。
宮本延春(みやもとまさはる)さんをご存じでしょうか?
オール1の落ちこぼれ、教師になるの著者です。
現在2人のお子さんがいらっしゃるそうですが、
最近、中日こどもウィークリーで連載されています。
(4月13日の記事から―できたところを見る―)
長男が、小学校に通い始めて間もない頃、
「学校に行ってきます」と家から出て5分もしないうちに帰ってきました。
「どうしたの?」と聞くと、
「忘れ物した」
「えっ、何、忘れたの?」
「ランドセル」
…さて、あなたが親ならなんと言いますか?
この時、宮本さんは、
「えらい!」と声をかけたそうです。
ランドセルを忘れて何がえらいのか。
ランドセルを忘れたことに気が付いたこと、
そして、それを取りに戻ってきたことだそうです。
私は、その状況で、即、その言葉が出るかな?と考えさせられました。
忘れても気づけばいいのですよね。
改善していけばいいのですよね。
息子は、ランドセルは忘れたことはないけど、忘れ物やなくし物がよくありました。
学校に忘れ物をして困るのは息子なので、だんだん少なくなってきました。
でも、消しゴムなどをよくなくすので、何度も買わなければならなくて、困っていました。
「使った後、確認しなさい」「筆箱に入れなさい」
と、何度も言っていましたが、改善されませんでした(T_T)
実は、この困っているのは、私で、
息子は、「なくしても買ってもらえる」ので、困っていなかったのです。
この状況を変えたくて、お小遣い制にして、
「なくしたら自分で買う」ということにしました。
何度か、息子は、自分で近所の文房具屋さんに走ることになりましたが、
困るのは息子本人なので、最近は、なくさなくなってきました
少し成長したようです
宮本さんの言葉。
「みなさんは昨日、お子さんにいくつダメ出しをしましたか?
いくつほめてあげましたか?」
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