モンテッソーリといえば、知っている方なら、
「敏感期」とか「集中現象」とか
そういう言葉を思い浮かべるのではないでしょうか。
小さい子どものやりたいことを観察して、
敏感期にあった環境を用意すれば、集中する…と。
初めて本を読んだり、聞いたりすると、
家でもやってみようと手作り教材を用意したくなるのではないでしょうか?
本のように子どもが集中してくれればいいけれど、
途中でやめてしまった場合、後片付けってどうするのか?
遊びになってしまったら…
最終的に、親が片付けたりしていませんか?
モンテッソーリは、
片付けまでが「お仕事」と言われているのに、
こうなってしまうと、片付けまでを子どもがやるのって、難しい…
と思いませんか?
モンテッソーリに出会った頃の私は、そうでした。
今、インファント(1歳半~2歳半くらい)の教室で、お子さんたちを見ていると、
最初の頃は、片付けないで、次のお仕事に気を取られたりしていますが、
回を重ねるごとに、元あった場所に戻すというのが、できるようになってきます。
できないのではないし、難しくないと思います。
紙をそろえて入れたりすることが難しい場合は、そろえ方から見せます。
出したり、入れたりすることが好きな時期なので、
棚から出したり、入れたりするのは、楽しいのかなと思います。
それで、入れる場所が合っていれば、片付け完了ですから
いつも同じ場所にあることが落ち着く秩序の敏感期でもありますし。
その中で、私が気をつけているのは、
「声をかけるタイミングを見計らう」ということです。
子どもに声をかけるタイミングって、しっかりみていないと逃します。
「みる」というのは、なんとなくみているのではなく、
目的を持ってみるということです。
ちょっと飽きてきたかな?
他のお仕事が気になっているみたいだな…
集中が切れてきたな…と思ったら、やめる?他のお仕事してみる?などと聞くこともあります。
また、他のお子さんを見ているときなどは、声をかけずに待ちます。
ふと意識が戻る瞬間に声をかけます。
そして、一緒に片付けます。
お仕事を出す→お仕事をする→片付け
これが定着するまでは、気をつけてみているようにします。
と言っても、数人のお子さんがいらっしゃるので、
一人のお子さんにぴったり張りついているわけではないですから、
逃してしまうときもありますが。
でも、何度か繰り返しているうちに定着してきます。
これが定着してしまえば、あとは、自分でできるようになっていきます。
教室に来始めた方に、よくあることなのですが、
お母さまがお子さんに何度も声をかけてしまうことあります。
お子さんの様子を見て、いつ声をかけるのがよいとか、お話させていただくこともあります。
先日は、お子さんがお母さまから離れてひとりで活動できるようになってきたので、
お母さまに、お子さんの様子を観察しながら気づいたことを紙に書いてもらいました。
気づくことがたくさんあったと言ってくださって、
私も、お母さまがどこに気づいたかを知ることができて、とてもよかったです。
そして、やっぱり片付けやすい「環境」というのは、必要です。
低年齢ほど、1対1(物1に対して置き場1)で片づけられる方がいいようです。
大人は、棚に隙間なく入れたくなりますが、小さいお子さんには難しいです。
特に、ガサっと入れるボックス収納は、低年齢には難しいです。
0~3歳で無意識に取り込んだ事物を分類できるようになるのが、3~6歳と言われています。
ですから、3歳くらいまでは、同じ種類だから…という片付け方ではなく、
あきらかに元の場所がわかる方が、片付けやすいですね。
ご家庭だと、スペースが限られているから、あれもこれも…と、
どうしても、棚にたくさん入れてしまいがちですが、
たくさんのものは、目につかないところへしまっておき、
数を少なくして、ゆとりを持って収納できる方が片付けやすいですよ。
ぜひ、こちらもお読みください。
モンテッソーリ教育を初めて知る方へ
マリア・モンテッソーリ
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