<胆管がん>死亡は27~46歳7人…大阪の印刷会社
毎日新聞 6月30日(土)15時0分配信
大阪市の印刷会社で働いた従業員に胆管がんが多発している
問題で、この印刷会社で胆管がんで亡くなったのは7人で、
その平均死亡年齢は約37歳と、全国の胆管がんによる死亡
平均年齢のほぼ半分の若さであることが毎日新聞などの調査
で分かった。
仕事と発症との関係を強く疑わせるが、若くして息子や夫を
亡くした遺族の悲しみは深く、「時が止まったまま」と漏ら
す遺族も少なくない。
今回、この印刷会社での発症者は新たに2人判明し、計12人
になった。
胆管は肝臓から胆汁が流れる管。国の統計で、胆管がんは、
肝臓側にできる肝内胆管がんと、外側の肝外胆管がんに分類
され、男性の平均死亡年齢は肝内で71歳、肝外で75歳。
これに対し、毎日新聞が取材で把握した胆管がんによる死者
7人(全員男性)の死亡年齢は27~46歳で、その平均年齢
は国の統計を大きく下回った。
7人は化学物質を扱う校正印刷部門で91~03年に働いていた。
同部門ではこの間に1年以上働いていた男性従業員が33人
いたとされる。胆管がんの潜伏期間は約10~20年で、7人
の平均死亡年齢が極端に若いのは、胆管がんの原因となる化学
物質を、職場で若くして吸い込んだためとみられる。印刷会社
側は従業員の健康状態などに関して説明しておらず、胆管がん
の発症者数などの全容はいまだに判明していない。
・・・
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 法的衛生義務怠る
厚労省が会社に是正勧告
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
大阪市内の印刷会社で従業員らに胆管がんが多発している問題
で、労働者の意見を反映して職業性疾病を予防する「衛生委員会」
などを同社が設置していないことが22日分かった。労働安全
衛生法で設置が義務付けられており、厚生労働省は違法として
先月30日に是正勧告した。同社では10年以上前から複数の
従業員が、社内で使われていた有機溶剤が体調悪化の原因と疑い、
換気の改善も訴えており、衛生委員会が設置されていれば、発症
を早期に把握できていた可能性がある。
労働安全衛生法によると、業種を問わず、労働者が50人以上の
事業所は、健康に異常のある人の発見や措置、病気による死亡を
調べて記録などをする「衛生管理者」を置く義務がある。さらに、
労使一緒に健康障害を防止するため、「衛生委員会」を月1回
開催して職場環境の維持・向上に努めなければならない。
問題の印刷会社は従業員が50人以上おり、衛生管理者や衛生
委員会を設置しなければならない。厚労省によると、衛生管理者
も設置していなかった。
・・・
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 法的衛生義務怠る
厚労省が会社に是正勧告
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
勤務経験者によると、90年代、体調を崩した従業員が「有機
溶剤が原因ではないか」と会社側に訴えたが、否定され、叱責
を受けた。
職場には吐き気などを訴える従業員がいた。別の関係者によると、
換気の改善を2回求めたが、反映されなかった。「改善が見込め
ない」として退職する人もいたという。厚労省もこうした証言を
把握している模様だ。
同社では10人が胆管がんを発症し、うち2人は在職中に死亡した。
問題は今年3月末、遺族らが労災申請したことで発覚した。
印刷会社の代理人の弁護士は、換気改善の訴えがあったことに
ついて「事実か確認できていない」と話した。
・・・
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 「換気悪い」無念の死
退職後発症の40代男性、改善訴え続け
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
「換気が悪いと訴えてもらちがあかない」
胆管がんが多発している大阪市内の印刷会社は、法律で定められた
衛生委員会を設置しておらず、ずさんな健康管理の実態が浮き彫りに
なった。10年以上前から体調不良を訴える声が社員から相次ぐ中、
会社側に環境改善を訴える男性従業員がいた。男性は「もう先が
見えない」と退職したが、胆管がんを発症して40代で無念の死を
遂げた。友人らには「あの会社には、自分と同じような病気になった
人が複数いる」と打ち明けていた。
男性は90年代に入社。「設備が悪くて、換気が悪い」とたびたび
周囲に打ち明けていた。別の元従業員は当時の様子を「作業場に
入った瞬間、吐き気をもよおした。印刷機器で洗浄剤を使うと、
いきなり鼻の奥を突くような臭いが来る。顔を近づけると、目が
開けられないほどで、腰を引いて洗浄の作業をした」と証言する。
男性は01年、係長になったが、環境は改善されていなかった。
職場は物を言いにくい雰囲気だったが、思い切って上司に「換気が
十分でない」とかけあった。しかし、改善されることはなく、
男性は失意のうちに退職した。その数年後、胆管がんが男性を襲った。
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 「換気悪い」無念の死
退職後発症の40代男性、改善訴え続け
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
腹水が二度にわたってたまった。やせ細り食欲をなくして、激痛を
抑制する薬も効かなくなった。死期を悟って治療を打ち切り、自ら
緩和病棟のある病院へ転院した。死の直前、お世話になった人たちに
感謝の電話をしたり、家族に手紙を書いてもらうなどしていた。
男性の死後、自宅を訪れた印刷会社の元同僚が遺族に言った。
「正義感があり、職場の環境のことを上司に言っていた」とたたえた。
男性の父は「労災申請で調査をしてもらい、息子がいた職場の人たち
のために力になりたい」と遺志を継ぐ決意をしている。
・・・
厚生労働省報道発表資料
報道関係者各位
胆管がんに関する労災請求について
印刷業に従事していた労働者に胆管がんが発症したとして、
既に大阪府で、6名の労災請求がなされているところであるが、
今般、宮城県でも新たに2名の労災請求がなされた。
概要は以下の通りとなっている。
1 労災請求の概要
今日(6月25日)、宮城県内の印刷事業場で印刷作業に従事して
いた労働者2名(30代男性、40代男性)から労災請求があったところ。
2 事業場の状況
宮城県内の印刷事業場であり、労働者から聞き取った範囲で把握
している情報は以下の通り。
・長時間の洗浄作業を行っていた
・地下室ではないが窓を閉め切っていた
・マスク及び手袋は着用していなかった
3 今後の対応
今後、使用していた化学物質、特に洗浄で使用されていた溶剤や
作業方法、換気の状況等について調査を行うことにしている。
また、当該事業場の他の労働者、退職者についても早急に把握の
上調査を進めることにする。
・・・
労災申請があり、世間で報道されることによってはじめて、国も
動き出すといった後手後手の対応には、いつも落胆させられますね。
一つの印刷会社内で胆管がんの発症が12名、そのうち27から46歳
の社員が7名も胆管がんで死亡しているとは、労災を通り越して
殺人会社です。
社員が労働環境の悪さでさえ、言いづらいような雰囲気の会社で、
訴えた社員もいたようですが、会社側は聞いていないと言ってます
し、酷い会社ですね。
しかし、ようやくお国が動き出した検挙の法的根拠は、
「労働安全衛生法」
従業員50名以上の会社には、衛生管理者の設置義務があり、
衛生委員会を設置しなければならないが、厚労省によると、衛生
管理者も設置していなかったということでの法律違反での検挙。
そんなこと決まりきっているのにも関わらず、このような法律違反
の会社を調べずに放置してきた結果、遺族の方々が労災申請等で
騒ぎ出してから、ようやく状況把握して、このような会社がある
ことを知ったような感じですよね。
大変お粗末なことだと思います。
私の会社では、毎月1回安全衛生委員会を各所で開催しています。
そして、どのような労働災害があったか、社内だけでなく、
同業他社で起こった労災事故や品質事故について、検証して
います。
印刷業でしたら、従業員(パート・アルバイト含む)50名以上
となった時点で、第一種衛生管理者を14日以内に選任して所管の
労働基準監督署に報告しなければなりません。
労働基準監督署も選任の報告をしない会社に対して、有資格者の
設置と衛生委員会の設置をさせないといけません。
これは、労働安全衛生法で定められている義務ですので、必ず
行わないといけないことになっています。
常時パートやアルバイトも含め、10名以上50名未満でも
安全衛生推進者(講習で取得)を設置しなければいけません。
しかし、こちらは労働基準監督署への報告義務はなく、
「安全衛生推進者の氏名を事業場の見やすい場所などに掲示」
「労働者に周知しなければならない」とのみ記されています。
・・・
この記事で取り上げられている会社は、
「自社で働く社員の労働や衛生のことを全く考えていない会社」
だなと感じました。
・・・
私の勤める会社は単体で社員数約1千名。
グループ全体では3千名。
単体でも100名近く、第一種衛生管理者の資格取得がいます。
情けないようなことでの労災認定(時間外に余所見をしていて
職場内で躓いてコケて骨折→労災認定)もありますが、
この印刷会社での胆管がん多発はまさに「労災」であり、また
社員殺害とも言えるくらい労働衛生を無視し尽くした恐ろしい
会社だと思います。
印刷業界は、ネットの普及で売上げが伸び悩んでいるのは
分かります。厳しい業界です。
しかし、社員の健康を犠牲にしてよいことではありません。
しかし、この印刷会社だけでなく、多くの中小零細企業の中
には、労働衛生や労働安全を無視した経営がなされているという
のが実態だと思います。
・・・
私の会社では、Gマーク(物自動車運送事業安全性評価事業)
での安全優良事業所の認定を受けたり、ISOを取得したりと
中小企業ですが、懸命に改善を計っています。
逆にそうすることによって、信頼と信用を得て売上げを伸ばそう
としています。
企業倫理、コンプライアンスもそうです。
とにかく、過労等にはうるさいくらい言います。
「これ以上出勤すると、コンプラ違反になりますので・・・」
とこちらが言いますと、部長クラスの役職者でさえ、出勤して
働きなさいとは言いません。
大手企業で社員も多い会社ではありませんが、労働・衛生・
安全の遵守にはこだわっている会社です。
・・・
高速バスの事故もそうですが、私の支店の事務系社員だけでも、
運行管理者の有資格者が18名います。
高速バス(陸援隊)の事故でも浮き彫りになりましたが、
「法律への意識が低い」「最低限、何を守らないといけない
のか、それすら分かっていない」のは、会社の経営者が
おカネ儲けのみに走っているからです。
運行管理者の資格の名義貸しという問題も挙がっていました。
「カネしか考えていない」証拠ですね。
・・・
労働意識、衛生管理意識、安全(品質も含む)意識の欠如
した会社は、この不況下の中、一番リスクが高い面を、目先
の金儲けのために無視しているのでしょうけど、結果的に
例えば、記事のような印刷会社は賠償責任等で潰れて行く
ことになると思います。
結局は、全ては因果応報、自ら撒いた種は、自分自身に
返って来るということですね。
・・・
このような記事を見ていますと、
「まだ自分が勤めている会社はマシなほうなんだ」
と改めてそう思ってきます。
毎日新聞 6月30日(土)15時0分配信
大阪市の印刷会社で働いた従業員に胆管がんが多発している
問題で、この印刷会社で胆管がんで亡くなったのは7人で、
その平均死亡年齢は約37歳と、全国の胆管がんによる死亡
平均年齢のほぼ半分の若さであることが毎日新聞などの調査
で分かった。
仕事と発症との関係を強く疑わせるが、若くして息子や夫を
亡くした遺族の悲しみは深く、「時が止まったまま」と漏ら
す遺族も少なくない。
今回、この印刷会社での発症者は新たに2人判明し、計12人
になった。
胆管は肝臓から胆汁が流れる管。国の統計で、胆管がんは、
肝臓側にできる肝内胆管がんと、外側の肝外胆管がんに分類
され、男性の平均死亡年齢は肝内で71歳、肝外で75歳。
これに対し、毎日新聞が取材で把握した胆管がんによる死者
7人(全員男性)の死亡年齢は27~46歳で、その平均年齢
は国の統計を大きく下回った。
7人は化学物質を扱う校正印刷部門で91~03年に働いていた。
同部門ではこの間に1年以上働いていた男性従業員が33人
いたとされる。胆管がんの潜伏期間は約10~20年で、7人
の平均死亡年齢が極端に若いのは、胆管がんの原因となる化学
物質を、職場で若くして吸い込んだためとみられる。印刷会社
側は従業員の健康状態などに関して説明しておらず、胆管がん
の発症者数などの全容はいまだに判明していない。
・・・
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 法的衛生義務怠る
厚労省が会社に是正勧告
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
大阪市内の印刷会社で従業員らに胆管がんが多発している問題
で、労働者の意見を反映して職業性疾病を予防する「衛生委員会」
などを同社が設置していないことが22日分かった。労働安全
衛生法で設置が義務付けられており、厚生労働省は違法として
先月30日に是正勧告した。同社では10年以上前から複数の
従業員が、社内で使われていた有機溶剤が体調悪化の原因と疑い、
換気の改善も訴えており、衛生委員会が設置されていれば、発症
を早期に把握できていた可能性がある。
労働安全衛生法によると、業種を問わず、労働者が50人以上の
事業所は、健康に異常のある人の発見や措置、病気による死亡を
調べて記録などをする「衛生管理者」を置く義務がある。さらに、
労使一緒に健康障害を防止するため、「衛生委員会」を月1回
開催して職場環境の維持・向上に努めなければならない。
問題の印刷会社は従業員が50人以上おり、衛生管理者や衛生
委員会を設置しなければならない。厚労省によると、衛生管理者
も設置していなかった。
・・・
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 法的衛生義務怠る
厚労省が会社に是正勧告
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
勤務経験者によると、90年代、体調を崩した従業員が「有機
溶剤が原因ではないか」と会社側に訴えたが、否定され、叱責
を受けた。
職場には吐き気などを訴える従業員がいた。別の関係者によると、
換気の改善を2回求めたが、反映されなかった。「改善が見込め
ない」として退職する人もいたという。厚労省もこうした証言を
把握している模様だ。
同社では10人が胆管がんを発症し、うち2人は在職中に死亡した。
問題は今年3月末、遺族らが労災申請したことで発覚した。
印刷会社の代理人の弁護士は、換気改善の訴えがあったことに
ついて「事実か確認できていない」と話した。
・・・
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 「換気悪い」無念の死
退職後発症の40代男性、改善訴え続け
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
「換気が悪いと訴えてもらちがあかない」
胆管がんが多発している大阪市内の印刷会社は、法律で定められた
衛生委員会を設置しておらず、ずさんな健康管理の実態が浮き彫りに
なった。10年以上前から体調不良を訴える声が社員から相次ぐ中、
会社側に環境改善を訴える男性従業員がいた。男性は「もう先が
見えない」と退職したが、胆管がんを発症して40代で無念の死を
遂げた。友人らには「あの会社には、自分と同じような病気になった
人が複数いる」と打ち明けていた。
男性は90年代に入社。「設備が悪くて、換気が悪い」とたびたび
周囲に打ち明けていた。別の元従業員は当時の様子を「作業場に
入った瞬間、吐き気をもよおした。印刷機器で洗浄剤を使うと、
いきなり鼻の奥を突くような臭いが来る。顔を近づけると、目が
開けられないほどで、腰を引いて洗浄の作業をした」と証言する。
男性は01年、係長になったが、環境は改善されていなかった。
職場は物を言いにくい雰囲気だったが、思い切って上司に「換気が
十分でない」とかけあった。しかし、改善されることはなく、
男性は失意のうちに退職した。その数年後、胆管がんが男性を襲った。
胆管がん:大阪・印刷会社元従業員死亡 「換気悪い」無念の死
退職後発症の40代男性、改善訴え続け
毎日新聞 2012年06月22日 大阪夕刊
腹水が二度にわたってたまった。やせ細り食欲をなくして、激痛を
抑制する薬も効かなくなった。死期を悟って治療を打ち切り、自ら
緩和病棟のある病院へ転院した。死の直前、お世話になった人たちに
感謝の電話をしたり、家族に手紙を書いてもらうなどしていた。
男性の死後、自宅を訪れた印刷会社の元同僚が遺族に言った。
「正義感があり、職場の環境のことを上司に言っていた」とたたえた。
男性の父は「労災申請で調査をしてもらい、息子がいた職場の人たち
のために力になりたい」と遺志を継ぐ決意をしている。
・・・
厚生労働省報道発表資料
報道関係者各位
胆管がんに関する労災請求について
印刷業に従事していた労働者に胆管がんが発症したとして、
既に大阪府で、6名の労災請求がなされているところであるが、
今般、宮城県でも新たに2名の労災請求がなされた。
概要は以下の通りとなっている。
1 労災請求の概要
今日(6月25日)、宮城県内の印刷事業場で印刷作業に従事して
いた労働者2名(30代男性、40代男性)から労災請求があったところ。
2 事業場の状況
宮城県内の印刷事業場であり、労働者から聞き取った範囲で把握
している情報は以下の通り。
・長時間の洗浄作業を行っていた
・地下室ではないが窓を閉め切っていた
・マスク及び手袋は着用していなかった
3 今後の対応
今後、使用していた化学物質、特に洗浄で使用されていた溶剤や
作業方法、換気の状況等について調査を行うことにしている。
また、当該事業場の他の労働者、退職者についても早急に把握の
上調査を進めることにする。
・・・
労災申請があり、世間で報道されることによってはじめて、国も
動き出すといった後手後手の対応には、いつも落胆させられますね。
一つの印刷会社内で胆管がんの発症が12名、そのうち27から46歳
の社員が7名も胆管がんで死亡しているとは、労災を通り越して
殺人会社です。
社員が労働環境の悪さでさえ、言いづらいような雰囲気の会社で、
訴えた社員もいたようですが、会社側は聞いていないと言ってます
し、酷い会社ですね。
しかし、ようやくお国が動き出した検挙の法的根拠は、
「労働安全衛生法」
従業員50名以上の会社には、衛生管理者の設置義務があり、
衛生委員会を設置しなければならないが、厚労省によると、衛生
管理者も設置していなかったということでの法律違反での検挙。
そんなこと決まりきっているのにも関わらず、このような法律違反
の会社を調べずに放置してきた結果、遺族の方々が労災申請等で
騒ぎ出してから、ようやく状況把握して、このような会社がある
ことを知ったような感じですよね。
大変お粗末なことだと思います。
私の会社では、毎月1回安全衛生委員会を各所で開催しています。
そして、どのような労働災害があったか、社内だけでなく、
同業他社で起こった労災事故や品質事故について、検証して
います。
印刷業でしたら、従業員(パート・アルバイト含む)50名以上
となった時点で、第一種衛生管理者を14日以内に選任して所管の
労働基準監督署に報告しなければなりません。
労働基準監督署も選任の報告をしない会社に対して、有資格者の
設置と衛生委員会の設置をさせないといけません。
これは、労働安全衛生法で定められている義務ですので、必ず
行わないといけないことになっています。
常時パートやアルバイトも含め、10名以上50名未満でも
安全衛生推進者(講習で取得)を設置しなければいけません。
しかし、こちらは労働基準監督署への報告義務はなく、
「安全衛生推進者の氏名を事業場の見やすい場所などに掲示」
「労働者に周知しなければならない」とのみ記されています。
・・・
この記事で取り上げられている会社は、
「自社で働く社員の労働や衛生のことを全く考えていない会社」
だなと感じました。
・・・
私の勤める会社は単体で社員数約1千名。
グループ全体では3千名。
単体でも100名近く、第一種衛生管理者の資格取得がいます。
情けないようなことでの労災認定(時間外に余所見をしていて
職場内で躓いてコケて骨折→労災認定)もありますが、
この印刷会社での胆管がん多発はまさに「労災」であり、また
社員殺害とも言えるくらい労働衛生を無視し尽くした恐ろしい
会社だと思います。
印刷業界は、ネットの普及で売上げが伸び悩んでいるのは
分かります。厳しい業界です。
しかし、社員の健康を犠牲にしてよいことではありません。
しかし、この印刷会社だけでなく、多くの中小零細企業の中
には、労働衛生や労働安全を無視した経営がなされているという
のが実態だと思います。
・・・
私の会社では、Gマーク(物自動車運送事業安全性評価事業)
での安全優良事業所の認定を受けたり、ISOを取得したりと
中小企業ですが、懸命に改善を計っています。
逆にそうすることによって、信頼と信用を得て売上げを伸ばそう
としています。
企業倫理、コンプライアンスもそうです。
とにかく、過労等にはうるさいくらい言います。
「これ以上出勤すると、コンプラ違反になりますので・・・」
とこちらが言いますと、部長クラスの役職者でさえ、出勤して
働きなさいとは言いません。
大手企業で社員も多い会社ではありませんが、労働・衛生・
安全の遵守にはこだわっている会社です。
・・・
高速バスの事故もそうですが、私の支店の事務系社員だけでも、
運行管理者の有資格者が18名います。
高速バス(陸援隊)の事故でも浮き彫りになりましたが、
「法律への意識が低い」「最低限、何を守らないといけない
のか、それすら分かっていない」のは、会社の経営者が
おカネ儲けのみに走っているからです。
運行管理者の資格の名義貸しという問題も挙がっていました。
「カネしか考えていない」証拠ですね。
・・・
労働意識、衛生管理意識、安全(品質も含む)意識の欠如
した会社は、この不況下の中、一番リスクが高い面を、目先
の金儲けのために無視しているのでしょうけど、結果的に
例えば、記事のような印刷会社は賠償責任等で潰れて行く
ことになると思います。
結局は、全ては因果応報、自ら撒いた種は、自分自身に
返って来るということですね。
・・・
このような記事を見ていますと、
「まだ自分が勤めている会社はマシなほうなんだ」
と改めてそう思ってきます。
この手であの世に送ってやります。
これが正義ってもんです。
国にも問題がありますね。怠慢でもあり、不作為でもあります。
なぜ今の時点で、会社名が公表されていないのか?
納得いきません。
自分は正義感が強いので書き込みました。
許せません。
私も遺族なら、社長や役員を同じ作業工程をさせて、胆管がんにさせてやりたいと思いますね。
所管の労働基準監督署は、明らかに業務怠慢だと思います。これだけのがん患者が出ている会社、しかも「胆管がん」という同一のがんを発症している職場があるというのに、労災申請があるまで知らなかったでは済まされません。
従業員50名以上の会社が、自ら「衛生管理者の設置の届出をする」という会社は優等生の会社だけです。ほとんどの会社は、従業員が50名に達しても「お国から言われるまで対応しない」のが現状でしょう。それを、労災や雇用保険の加入数をデータ管理している労働基準監督署はすぐに分かるにも関わらず、動いていなかったこと時点、厚生労働省、そして政府にも責任が生じてきます。
私も何という会社なのか知りたいですね。
社会的な制裁を受けて当然の会社だと思います。
コメントありがとうございました。