急性大動脈解離の発症と治療経過

報告が遅くなりましたが、2024年6月11日をもって完治しましたので
ブログに記載しておきます。

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昨年、2023年2月1日（水）
「急性大動脈解離」を発症しました。

のちのち調べて分かったことですが、スタンフォード分類という２つの
分類があり、それぞれA型、B型と言います。

私の場合はまだ生存率が高い「スタンフォードB型」でした。

「急性大動脈解離」
スタンフォードB型 急性大動脈解離

「背中をバッドで殴られたような痛みや胸痛で発症する重篤な疾患で、
大動脈の壁が裂ける事で発症します」
「前駆症状が全くないため普通に生活していた方が突然に発症する」
そうです。

2月1日、その日はとても寒い日でした。
お昼休み前に社内の喫煙所で立ってタバコを吸って一息ついていたとき、
突然腰の辺りに激痛が走りまして、

「痛ッ」「（ぎっくり腰を）やってしまった！」
と思いました。

そして、すぐに椅子に座ったのですが、腰の辺りからどんどんと上へ痛み
が上がって行きまして、また上がって来ると同時に横へと痛みが広がり、
呼吸をすることさえ悶えて出来ないくらいの激痛に襲われました。


（フリー素材の画像に記載）

上記のように、上へ、そして横へと激痛が走って行きました。
スピードとしては、１.２.３と数字を普通の速度で数えるくらいの速さ
だったと思います。

「あれっ？」「痛いッ！」「あれっ？」「どんどん上へ上がりながら、
痛みが横へと広がっていく！」という感じでした。

肩（首の近く）まで来て、痛みが上がって来るのはそこまでで止まり
ました。

そこで5分程自分の車の中で横になったのですが激痛が治まらないので、
そのまま運転して、何度か治療を受けたことがある整形外科内科病院
へ行きました。
腰から激痛が始まったので整形外科だと思ってその病院へ行きました。

その病院は、私の住まいの周辺では評判の良い病院でして、会社の同僚の
親も入院したことがある、タクシーの運転手さんも良い病院だと言って
いる等聞いていた病院でした。

当日も患者さんでいっぱいでした。

「今日は特に患者さんが多いので随分と待ちますよ」と受付の方に言われた
のですが、痛過ぎて動けないので「それでも待ちます」と言って診察を待ち
ました。

そして、3時間程経って、診察を受けました。

そのとき医師に、
上記のような順番で激痛が走り、肩（首の近く）まで痛みがあることを
話しましたところ、

先生はギョッとした表情になり、
「今話したことが本当にそうなら、大変な病気になっているかも知れない」
「すぐに内科の先生にも今の話をして」
と言われ、急ぎＣＴで見てくれました。

そこから、重病人扱いになりました。
「間違いない。急性大動脈解離です」
「動いてはダメ！」「急変して亡くなった人もいるのだから！」
と言われて、移動式のベッドの上に寝転がり、しばらくすると救急車が
来て、大きな総合病院へと運ばれました。
ようやく自分自身でも「大変なことになっているッ」と感じました。

申し訳なかったのは、患者さんがたくさんいる中で先生も救急車に乗って
救急病院まで行って頂いたことです。
（退院後、菓子折りを持って御礼に行きました）

先生から
「頑張れ」「九死に一生を得たね」と言われたのを覚えています。
あと、救急車を待っているときに、
「よく車を運転して来たね」「相当な激痛だっただろう」「普通は救急車を呼ぶよ」
と言われました。

そして、救急車で運ばれて、大きな総合病院の救命救急センター（ICU）に
入りました。

このとき「お医者さんって凄いな」と改めてそう思いました。

「問診で聞いた症状で病気が分かる」
さすがは医師だなと感じました。

・・・

A型は、上行大動脈に解離があるもので、上行は本当に怖いです。
大動脈が曲がって心臓に繋がっている箇所で解離が起こっているのが
A型で、ここの解離は救急搬送時に死亡することも多くあるとネットに
書かれていました。
B型は、上行大動脈に解離を認めない解離です。
ですので、私の場合は開放手術はありませんでした。

Ａ型は原則手術
Ｂ型は降圧・鎮痛・安静・脈拍コントロールが原則。
　　　虚血・破裂(合併症)を生じたら手術
出所：イムス葛飾総合病院

だそうです。


（今日で最後という6/11に無理をお願いして撮影させて頂きました）

大動脈壁は内側から内膜・中膜・外膜の3層構造からなっています。

ネットで調べましたら、
「内膜に亀裂が生じて、血液が流入し本来の腔(真腔)とは別に動脈壁内に新たな
腔（偽腔)が生じます。両方の腔はentryまたはreentry(別の場所にも出来た亀裂)に
よって交通します。しばしば偽腔が拡大して瘤を形成したり、偽腔によって真腔
が圧排されて血液が流れなく(虚血)なったりします。解離は激痛(背中をバットで
殴られたような痛み) 95.5％が何らかの痛みを自覚、 84.8％が突然発症。破れた
瞬間が最も痛いとされます」という説明を目にしました。
出所：イムス葛飾総合病院

左側２月8日の画像の通り、大動脈が膨らんでいるのが分かります。

そして、死亡率ですが、
保存的治療／手術治療
-----------------------------
A型 55.9%／26.6%
B型　9.6%／32.1%
-----------------------------
出所：イムス葛飾総合病院

ICUには5日間程入っていたかと思います。
痛みは１日目（24時間）の入院・治療で治まったように思います。

4日振りでしょうか、久しぶりに食事（ご飯：おかゆ）を摂ること
が許されて、食事をクチにして噛んで飲み込もうとしたときに、
ご飯粒さえ飲み込めなくて自分自身のことなのにビックリしました。

人は「たった４日くらいクチから食事をしなかっただけで、こんな
ことになるのか！」と驚きました。

その後、順調に回復しまして、
2023年2月19日（日）に退院しました。

腰から首の辺りまで大動脈の内膜が裂けていた（解離していた）と
聞きました。

・・・
そして３日後、2023年2月22日（水）

会社で仕事をしていましたら、隣の部屋に居た所長が傍に来まして、

「ネット見た？笑福亭笑瓶さん、亡くなったって！」
「大動脈何とか・・・同じ病気じゃないかな？」

と言われて、ネットで報道を見ましたら、
急性大動脈解離（以前になっていて２度目の発症）で亡くなられた
という記事を目にしました。

落語家というだけではなく、お笑いタレントとして面白くまた温かみ
もあり私もファンでした。
全国民からとても親しまれていた方だと思います。
A型だったのか、B型だったのか、、、その辺りの報道は無かったように
思います。

この記事を目にしたとき、はじめて「死」を感じてゾッとしました。

・・・

この病気ですが、高血圧の方は要注意です。

最高血圧が140～150台（mmHg）、下：最低血圧が100台となり、高く
なってきた血圧をもっと意識して下げる改善を行っていれば防げた病気
だったのではないかと思っています。

毎年の健診結果を見ますと発症する３年前までは最高血圧120台（mmHg）、
下：最低血圧80～90台でした。

このようなこともあって、高血圧に気をつけた生活を送っています。
（朝6種類、夜1種類、どれも血圧関連の薬です。このような薬を飲む
ことになってしまいました・・・）