アリコの
「すこしであんしん終身医療保険」というCMが頻繁に流れています。
今、お手頃保険の商品としては、ものすごく売れているようです。
保険期間・保険払込期間/終身
50歳で3,525円
55歳で4,150円
60歳で4,920円
<保障内容>
入院日額5,000円 所定の手術1回につき5万円
「掛け金が少なく一生涯保障」を謳う保険では、一番お得とされているのが、アリ
コのこの保険です。
しかし・・・
本当に一番お得な保険なのでしょう?
アリコは、ガン(悪性新生物・上被内新生物)・脳血管疾患・糖尿病・心疾患・高
血圧の5つ、いわゆる「生活習慣病」での入院は、私の知るところでも最高保障
の、通算最高1095日(1回の入院では180日まで)で、確かに安い保険料・
高齢者でも加入できる・保障は終身という点では、一番優れた保険商品だと言える
と思います。
しかし!
アリコの保険には大きな弱点があります。
それは、
例えば、
「年老いて、フラつき、こけて骨折した。」
「ぼ~っとしてて、火傷を負った。」
「風邪をひき、それがもとで肺炎を起こし入院した。」
「肝機能障害を起し、入院した。」
「老齢から腎不全を起し透析を受けることとなった。」
などの場合は、1回の入院で支払われる期間は60日が限度となります。
(例の如く、60日の字がちっさい。180日がめだってて)
齢を重ねると、生活習慣病だけが恐い病ではありません。
色々な病気がありますから。
私の祖母は、脚を滑らせて背骨を圧迫骨折したことがありました。
・・・
そこで、全労済の「終身医療ベーシック・タイプ」と比較してみます。
全労済は、生活習慣病に限らず1回の入院で180日、通算最高1000日です。
入院日額5000円 所定の手術1回につき5万円(アリコと支払額は同じ)
アリコの条件よりも、緩いということです。
○ます毎月の支払保険料
アリコ 50歳 月3,525円
全労済 50歳 月4,000円 (その差、月475円 全労済のほうが高い)
○加入から30年後。。。80歳を迎えて
アリコ・・・払込保険料合計1,269,000円
全労済・・・払込保険料合計1,440,000円
(その差、171,000円 全労済の方が多く支払うこととなる)
【結果1】これだけなら、アリコに軍配が上りますね。
80歳までに。。。
○生活習慣病
例1)生活習慣病で1回180日間入院した⇒アリコも全労済も保障は同額
例2)生活習慣病で5回(1回につき180日間)入院した⇒同上
例3)生活習慣病で5回(1回につき180日間)と1回100日入院した⇒同上
<分岐点1>
例4)生活習慣病で通算1095日間入院した⇒アリコのほうが475,000円
多く保障が受けられた。
50歳で加入し、80歳の時点での生活習慣病だけのカバー度合いを見ますと、
「アリコは、最高で171,000円+475,000円=646,000円
も、全労済よりもお得な保険商品だった。」と言えます。
なお、5回までの生活習慣病による入院では、毎月の支払保険料の差額分×360
回=171,000円だけですので。
6回目に195日入院すると、+α475,000円の保障がつくということです。
(正確には7回ですね。180日で一旦退院しないと保障が効きませんので)
【結果2】「『生活習慣病だけ』でも5回までは両者引き分けまたは全労済は保険
料が高い分負け、6回目には完全にアリコに軍配が上がりますね。」
では、次のような例ではどうでしょう。
○生活習慣病以外の病気とケガ
例4)78歳のとき、複雑骨折をして180日間入院をした。
自動車事故・自損事故色々ありますが、すべって転ぶということもありますよね。
その場合、
アリコ・・・60日間のみ保障×5,000円=300,000円
全労済・・・180日間を保障×5,000円=900,000円
全労済のほうが、1回で60万円多くの保障が受けられるということになります。
これが、ケガだけでなく、腎不全や肝機能障害など『生活習慣病以外』の病気で、
80歳までに5回(1回につき180日間入院)しますと、
3,000,000円の保障の差が出てきます。
■生活習慣病以外の病気とケガで通算1000日入院だった場合は、
最高で3,200,000円(正しくは、アリコの安かった保険料支払分
171,000円を差し引いて、3,029,000円)の保障の差がでてくる。
■全労済のほうが、広くカバーしてくれていてお得ということです。
たとえば、
1回目:ケガ、2回目:腎不全で透析、3回目:腎不全で再度入院、
4回目:風邪をこじらせて肺炎で入院、5回目:またケガ
の場合です。
そのうち1回は、生活習慣病であれば2,400,000円ですが、それでも全労済
の保険商品のほうが多くの保障額を払ってくれたことになりますよね。
【結果3】「生活習慣病以外とケガの保障は圧倒的に全労済の勝ちですね。」
-------
追加2007.7.16
アリコは、生活習慣病以外は通算最高730日です。(全労済は1000日)
-------
では、損益分岐点?のようなところはどこなのか?
と言いますと・・・
それは難しいです。理由は簡単。どんな病気になるか、またはケガをするかは分か
らないからです。不確実性なんて統計学が好きなひとなら計算できるでしょうけど
結局は「なってみないと分からない」ということですね。
ただ言えることは、
「老後で恐い病気って生活習慣病だけですか?」
「ケガだって大怪我するかもしれませんよね?」
「肺炎がもとで寝込んでしまったら?(お年寄りには多いですよね)」
「80歳までにかかった病は、生活習慣病だけならアリコが断然お得でしょうけ
ど、ケガや他の病にはかからないとは限らない。」
という点を含めて、保険商品を選ぶのも大切ではないでしょうか。
ちなみに、終身ですので長生きすればするほど、
アリコと全労済での毎月の支払保険料の差は広がります。
90歳でしたら、その差は228,000円
100歳なら、その差は285,000円
そして、1回分のケガの61日目~180日の120日分の保障の差(60万円)
をアリコの安い保険料の差額分で埋めたいなら・・・どこで追い着くのかと言いま
すと・・・157歳ですね。
たぶん、生きていたら治療代はお国が払ってくれるのではないでしょうか。
無理矢理、分岐点を言おうとすると。。。1回の入院が180日として、
「生活習慣病は4回以下、その他の病気やケガは1回以上で、その入院回数の
合計が5回(6回目は100日までならOK)までなら、全労済のほうがお得」
な保険と言えるでしょうかね。しかし、こんな計算も医者が180日の入院を、
患者と話し合って裏取引して、60日刻みで入退院を繰り返させてあげたりし
たら。。。意味ないですね。
まあ、
『保険料が全労済と比べて月475円(50歳時)お得で、
最長通算が95日長いアリコ』と、
『ケガも生活習慣病も1回180日入院を保障してくれる全労済』
どちらが一番の「おてごろ医療保険(終身)」なのか決めるのは、加入希望のみな
さんですね。
・・・
老齢の方の病気やケガのうち、入院に至ることって、どういう比率になっているの
でしょうね。
「9割は、生活習慣病だ」という統計資料でもあるなら、アリコがいいとは思いま
すが、ケガだって多そうだし、腎不全や肺炎だってよく聞きますから。。。
これ以上考えると、経済学の世界(情報の非対称性)になっていくので、止めてお
きます。
「すこしであんしん終身医療保険」というCMが頻繁に流れています。
今、お手頃保険の商品としては、ものすごく売れているようです。
保険期間・保険払込期間/終身
50歳で3,525円
55歳で4,150円
60歳で4,920円
<保障内容>
入院日額5,000円 所定の手術1回につき5万円
「掛け金が少なく一生涯保障」を謳う保険では、一番お得とされているのが、アリ
コのこの保険です。
しかし・・・
本当に一番お得な保険なのでしょう?
アリコは、ガン(悪性新生物・上被内新生物)・脳血管疾患・糖尿病・心疾患・高
血圧の5つ、いわゆる「生活習慣病」での入院は、私の知るところでも最高保障
の、通算最高1095日(1回の入院では180日まで)で、確かに安い保険料・
高齢者でも加入できる・保障は終身という点では、一番優れた保険商品だと言える
と思います。
しかし!
アリコの保険には大きな弱点があります。
それは、
例えば、
「年老いて、フラつき、こけて骨折した。」
「ぼ~っとしてて、火傷を負った。」
「風邪をひき、それがもとで肺炎を起こし入院した。」
「肝機能障害を起し、入院した。」
「老齢から腎不全を起し透析を受けることとなった。」
などの場合は、1回の入院で支払われる期間は60日が限度となります。
(例の如く、60日の字がちっさい。180日がめだってて)
齢を重ねると、生活習慣病だけが恐い病ではありません。
色々な病気がありますから。
私の祖母は、脚を滑らせて背骨を圧迫骨折したことがありました。
・・・
そこで、全労済の「終身医療ベーシック・タイプ」と比較してみます。
全労済は、生活習慣病に限らず1回の入院で180日、通算最高1000日です。
入院日額5000円 所定の手術1回につき5万円(アリコと支払額は同じ)
アリコの条件よりも、緩いということです。
○ます毎月の支払保険料
アリコ 50歳 月3,525円
全労済 50歳 月4,000円 (その差、月475円 全労済のほうが高い)
○加入から30年後。。。80歳を迎えて
アリコ・・・払込保険料合計1,269,000円
全労済・・・払込保険料合計1,440,000円
(その差、171,000円 全労済の方が多く支払うこととなる)
【結果1】これだけなら、アリコに軍配が上りますね。
80歳までに。。。
○生活習慣病
例1)生活習慣病で1回180日間入院した⇒アリコも全労済も保障は同額
例2)生活習慣病で5回(1回につき180日間)入院した⇒同上
例3)生活習慣病で5回(1回につき180日間)と1回100日入院した⇒同上
<分岐点1>
例4)生活習慣病で通算1095日間入院した⇒アリコのほうが475,000円
多く保障が受けられた。
50歳で加入し、80歳の時点での生活習慣病だけのカバー度合いを見ますと、
「アリコは、最高で171,000円+475,000円=646,000円
も、全労済よりもお得な保険商品だった。」と言えます。
なお、5回までの生活習慣病による入院では、毎月の支払保険料の差額分×360
回=171,000円だけですので。
6回目に195日入院すると、+α475,000円の保障がつくということです。
(正確には7回ですね。180日で一旦退院しないと保障が効きませんので)
【結果2】「『生活習慣病だけ』でも5回までは両者引き分けまたは全労済は保険
料が高い分負け、6回目には完全にアリコに軍配が上がりますね。」
では、次のような例ではどうでしょう。
○生活習慣病以外の病気とケガ
例4)78歳のとき、複雑骨折をして180日間入院をした。
自動車事故・自損事故色々ありますが、すべって転ぶということもありますよね。
その場合、
アリコ・・・60日間のみ保障×5,000円=300,000円
全労済・・・180日間を保障×5,000円=900,000円
全労済のほうが、1回で60万円多くの保障が受けられるということになります。
これが、ケガだけでなく、腎不全や肝機能障害など『生活習慣病以外』の病気で、
80歳までに5回(1回につき180日間入院)しますと、
3,000,000円の保障の差が出てきます。
■生活習慣病以外の病気とケガで通算1000日入院だった場合は、
最高で3,200,000円(正しくは、アリコの安かった保険料支払分
171,000円を差し引いて、3,029,000円)の保障の差がでてくる。
■全労済のほうが、広くカバーしてくれていてお得ということです。
たとえば、
1回目:ケガ、2回目:腎不全で透析、3回目:腎不全で再度入院、
4回目:風邪をこじらせて肺炎で入院、5回目:またケガ
の場合です。
そのうち1回は、生活習慣病であれば2,400,000円ですが、それでも全労済
の保険商品のほうが多くの保障額を払ってくれたことになりますよね。
【結果3】「生活習慣病以外とケガの保障は圧倒的に全労済の勝ちですね。」
-------
追加2007.7.16
アリコは、生活習慣病以外は通算最高730日です。(全労済は1000日)
-------
では、損益分岐点?のようなところはどこなのか?
と言いますと・・・
それは難しいです。理由は簡単。どんな病気になるか、またはケガをするかは分か
らないからです。不確実性なんて統計学が好きなひとなら計算できるでしょうけど
結局は「なってみないと分からない」ということですね。
ただ言えることは、
「老後で恐い病気って生活習慣病だけですか?」
「ケガだって大怪我するかもしれませんよね?」
「肺炎がもとで寝込んでしまったら?(お年寄りには多いですよね)」
「80歳までにかかった病は、生活習慣病だけならアリコが断然お得でしょうけ
ど、ケガや他の病にはかからないとは限らない。」
という点を含めて、保険商品を選ぶのも大切ではないでしょうか。
ちなみに、終身ですので長生きすればするほど、
アリコと全労済での毎月の支払保険料の差は広がります。
90歳でしたら、その差は228,000円
100歳なら、その差は285,000円
そして、1回分のケガの61日目~180日の120日分の保障の差(60万円)
をアリコの安い保険料の差額分で埋めたいなら・・・どこで追い着くのかと言いま
すと・・・157歳ですね。
たぶん、生きていたら治療代はお国が払ってくれるのではないでしょうか。
無理矢理、分岐点を言おうとすると。。。1回の入院が180日として、
「生活習慣病は4回以下、その他の病気やケガは1回以上で、その入院回数の
合計が5回(6回目は100日までならOK)までなら、全労済のほうがお得」
な保険と言えるでしょうかね。しかし、こんな計算も医者が180日の入院を、
患者と話し合って裏取引して、60日刻みで入退院を繰り返させてあげたりし
たら。。。意味ないですね。
まあ、
『保険料が全労済と比べて月475円(50歳時)お得で、
最長通算が95日長いアリコ』と、
『ケガも生活習慣病も1回180日入院を保障してくれる全労済』
どちらが一番の「おてごろ医療保険(終身)」なのか決めるのは、加入希望のみな
さんですね。
・・・
老齢の方の病気やケガのうち、入院に至ることって、どういう比率になっているの
でしょうね。
「9割は、生活習慣病だ」という統計資料でもあるなら、アリコがいいとは思いま
すが、ケガだって多そうだし、腎不全や肺炎だってよく聞きますから。。。
これ以上考えると、経済学の世界(情報の非対称性)になっていくので、止めてお
きます。
なるほど。。。アリコの「リターンズ」ですね。
「支払った保険料が全額返ってくる」というのは、最大の魅力ですね。これはなかなか無い保険商品です。
メリット①「健康ボーナス」「生存還付給付金(リターンボーナス)=ほぼ全額返金」
メリット②「払込期間終了後も保障は一生涯」
これなら、アリコ商品は一番かなと思います。
ただ1点、「この『リターンズ』に加入するなら20歳~30歳」
のうちに加入しないとお得なのかどうかは・・・のように思います。
例えば、20歳なら男女とも月々3,892円ですね。
そして、払込期間は60歳まで。
メリット①を受ける歳は、65歳。
これなら、生存している可能性も高く、リターンを十分に受けられることと思います。
30歳であれば、月々男性6,032円、女性6,332円。
病気日額4,000円,災害入院日額8,000円,手術1回40,000円の保険商品にしてはちょっとお高いですが、30歳までなら、20歳と同様の払込期間とリターンズボーナス受け取り年齢65歳なので、65歳には同じくメリットも受けられますからよいと思います。
なぜ、30歳までならお得なのかその理由は、
31歳~40歳は65歳まで払込、70歳でリターン
※ただ、その分
31歳は、26歳よりも保険料は安い。
32歳は、27歳よりも保険料は安い。
33歳は、28歳よりも保険料は安い。
34歳は、29歳よりも保険料は安い。
35歳は、30歳よりも保険料は安い。
41歳~50歳は70歳まで払込、75歳でリターン
※ただし、41歳~45歳は、36歳~40歳よりも保険料は安い。
51歳~55歳は75歳まで払込、80歳でリターン
※ただし、46歳~50歳よりも保険料は安い。
56歳~60歳は80歳まで払込、85歳でリターン
となっています。
リターン(生存還付給付金で全額返金)の時期が、85歳などというのは。。。生きている可能性が低いのと、毎月の保険料支払いの負担も重たいように思います。
記事では・・・
アリコの「すこしであんしん終身医療保障」と全労済の「終身医療ベーシック・タイプ」と同じく50歳で計算してみますと、
アリコ「リターンズ(5年据置)」でしたら、
保険料の月額は、男性11,224円、女性13,852円です。
リターンの日まで生きていれば。。。返ってくるのでしょうけど。。。病気入院日額4,000円の医療保険ですし。。。
若いうち(20歳から30歳)に加入するなら、かなりお得な保険
商品だとは言えるのではないでしょうか。
ちなみに、据置期間なしの「リターンズ」の保険商品で50歳で加入なら、毎月の保険料は男性18,256円、女性22,712円で70歳まで払込、その代わりリターンも70歳で受けられます。
毎月、老後の資金の中から1つの保険商品の支払額が2万円前後というのは、庶民にはネックじゃないかなぁ。。。
しかし、リターンズ様のコメントから「払い込んだ保険料を全額返金」という保険商品についても知ることができました。ありがとうございました。