日興さん、「お帰りなさい」ですね。
米国企業に買い取られ、「日興さん、さようなら」なんて言われたのは、
2年と4ヶ月前のこと。
でも、損得勘定がはっきりしている米国企業の経営不振によって、また身売りを
余儀なくされ、結局のところはまた日本企業の下に戻ってきましたね。
↓は、当時、シティ・グループに日興が買い取られた記事
①米シティグループと日興コーディアル、1株1350円でのTOBに合意 - 東京
2007年03月06日 20:17
【東京 6日 AFP】日興コーディアルグループは6日、米金融最大手のシティグループ
(Citigroup)による株式公開買付け(TOB)の実施に合意したと発表した。買付け
価格は1株1350円、買付け総額は約1兆2500億円となる見込みで、同社はシティの傘
下に入る。
シティグループは現在4.9%の出資比率を50%超に引き上げる方針で、今後1週間以
内に買付けを開始する。
日興側は「業務提携及び資本提携からなる包括的戦略提携契約を締結し、シティグ
ループが日興コーディアルグループの株式の過半数を取得するため公開買付けを実
施することに合意した。両社取締役会が承認した」と声明を発表した。
また「シティグループが現在保有している日興コーディアルの株式を除き、同社の
全株式を取得した場合、取得価格は約1兆2500億円になる見込み」だとしている。
発表を受け、日興コーディアル株の東証6日終値は13.7%(161円)高の1340円で引けた。
②シティ・グループによる日興コーディアルの買収成立 - 東京
2007年04月27日 11:12
【東京 27日 AFP】米シティグループ(Citigroup)による日興コーディアル
グループのTOB(株式公開買い付け)が成立したと双方が27日、発表した。
シティ保有比率は61%に
TOBに応じない日興主要株主もいたが26日までの応募分と、当初シティが保有して
いた4.93%を合わせ、シティによる日興株の保有比率は61.08%に達し、シティが
日興の議決権を握った。
シティは3月、当初設定したTOB価格が日興株主の反発を受けたことから、1株あたり
の買い取り価格を1700円まで引き上げ、買収総額は134億ドル(約1兆6000億円)に
なった。
それから2年と4ヵ月後・・・
住友信託、日興アセットを1124億円で買収
7月30日17時1分配信 ロイター
[東京 30日 ロイター] 住友信託銀行<8403.T>は30日、米シティ
グループ<C.N>傘下の日興アセットマネジメント(東京都港区)を買収することで
合意したと発表した。取得金額は1124億円。住友信託は買収により、
資産運用業務を強化する。
住友信託は、年金基金や国内外の機関投資家の運用を手がけ、約25.7兆円の
資産運用残高がある。日興アセット(09年3月末時点8.8兆円)と合わせる
と資産運用残高は約34.5兆円になり、規模のメリットが拡大するほか、商品
開発力などを吸収できるとみている。
住友信託は10月1日付で、日興シティホールディングスやその他の株主が保有
する日興アセットの株式1億9415万2500株を取得する予定。取得割合は
従業員持株会の保有分を除く98.55%となる。
また住友信託は、総額1090億円の優先株を第三者割当の方法で発行すること
を決議した。発行期日は9月4日。
・・・
まぁ、難しいことは全く分かりませんが、
どれだけの企業価値があるかを読み取って、この買収価格が妥当だとか、
少し割高だけど将来性を考えると買いだとか、
売る側にしても、この価格なら売ってもいいとか、妥当だとか、
そういうことを見極めて話をまとめる人って凄い人物だなぁと思いました。
買収の背景にいるそういう人物の素顔を知りたいものです。
・・・
主要事業売却、強まるリストラ圧力 シティ、日本戦略見直し
産経デジタル 2009/05/12 13:53更新
シティは日興コーデを売却した後も、三井住友と業務提携し、「日興コーデを通じ
てシティの商品を販売する」(スティーブン・ボルク副会長)ことなどを検討する
という。
しかし、日興コーデにとっては、新たな「親」となる三井住友との商品の相互供給
が最優先で、大和証券グループ本社傘下の大和証券SMBCの商品の取り扱いも検
討する。
三井住友の北山禎介社長は日興コーデ買収を発表した1日の会見で、親密な米金融
大手ゴールドマン・サックスと並列にシティを位置づけながらも、「(提携は)市
場の動きを踏まえて考える」と述べるにとどめた。
シティは日興コーデに加えて、法人向けの日興シティグループ証券の大半も三井住
友に売却し、資産運用会社の日興アセットマネジメントの売却入札も実施。日興シ
ティ信託銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJ信託銀行に売却
した。
日本での中核事業はシティバンク銀行が残る程度だが、そもそもシティが日興を買
収したのは、シティバンクに頼った日本戦略には限界を感じたからとの見方は強
い。しかも、米金融当局の資産査定を受け、直ちに増資を発表したように、シティ
の財務基盤はなお脆弱(ぜいじゃく)で、今後も貢献が低いと判断された海外事業
は見直し対象となりそう。
シティは日興グループ買収に約1兆6000億円を投じたが、日興コーデなど一連
の事業の売却金額は「7000億円に届くかどうか」(関係者)で、巨額の損失と
株主の批判は避けがたい。売却をめぐる騒動は日本の顧客にマイナスイメージも与
えた。
日本の持ち株会社のダグラス・ピーターソン会長兼社長が、日興へのTOB(株式
公開買い付け)成立直後の2007年の会見で、「日本屈指の金融グループをつく
る」と高らかに宣言してからわずか2年余り。「さらに100年、日本にとどま
る」と語るダグラス会長だが、その道のりは険しい。
そうそう、7月に入って、
↓こういう記事もありましたよね。
日興シティ信託、野村信託が190億円で買収合意
7月1日23時59分配信 産経新聞
野村ホールディングス(HD)傘下の野村信託銀行は1日、10月をめどに米金融
大手シティグループ傘下の日興シティ信託銀行の全株式を取得することで合意した
と発表した。取得総額は190億円になる見通し。
日興シティ信託をめぐっては、三菱UFJ信託銀行が昨年12月に250億円で買
収することでいったんは合意した。しかし、三井住友フィナンシャルグループがシ
ティ傘下の日興コーディアル証券の買収を決めたことなどから、三菱UFJ信託が
日興シティ信託の買収を撤回し、シティは売却先を改めて探していた。
この日興シティ信託の売却は、経営再建を進めるシティによる日本事業のリストラ
の一環で、野村HDではM&A(企業の合併・買収)戦略による規模の拡大で信託
事業を強化する。日興シティ信託は投資信託の受託業務に強く、野村信託は営業基
盤の拡大が見込めると判断した。
・・・
そう言えば、
一時期は、リクナビNEXTで毎回更新されるたびに、シティーバンクの求人募集
は毎回掲載されていました。
リクナビNEXTに掲載するのって、けっこう費用がかかるんですよね。
1回の掲載で50万円以上はします。
数千億円、いや兆の単位でお金を動かしている企業にとっては
小銭以下かもしれませんけど。
でも、あれだけ人材確保に懸命であっても、景気・経済の波にはどうにも
こうにも勝てないものなんですね。
だいたい、評論家や経済学者が、その時の経済市場の動静から、
ああだのこうだの難しいことを言っていますが、結局のところは、
「先のことなんて、どうなるかなど分からない」
ということでしょうね。
その時、その時点から見ての「今後の行方」だったり「見込み」「将来性」
そして「企業評価」なわけですから。
評論って当てにならないなぁ。
挙句の果ては、どこかで大きな戦争が起こって、
世界経済が吹っ飛んだら「戦争が起こるなんて想定外でした」という言葉で
終わりなんでしょうね。
サブプライム問題は、以前から指摘していた、
経済危機の懸念があると見ていた、
なんて、いう評論家や経済学者もいますが、
「それで、あなたはその危機を事前に察知してくい止めたの?」
と言いたいですね。
結局は、「どうすることも出来なかった」ので、こんな大不況の世界経済・
日本経済になってしまったわけで、たとえ、先のことが100%見えても
動いている経済を「そっちに行っちゃ駄目!」「目先の甘い誘惑でその金融商品
に手を出したらマズイよ!」と強制&強引に止めることなど、誰も出来ないって
ことでしょう。
・・・
まぁ、先の見えないことをゴチャゴチャ言っても、また考えてもどうしようもない
ですね。
とにかく、外国の企業に持っていかれた日本企業が、また買収によって戻ってきた
ことは、私としては良かったなぁと思っています。
米国企業に買い取られ、「日興さん、さようなら」なんて言われたのは、
2年と4ヶ月前のこと。
でも、損得勘定がはっきりしている米国企業の経営不振によって、また身売りを
余儀なくされ、結局のところはまた日本企業の下に戻ってきましたね。
↓は、当時、シティ・グループに日興が買い取られた記事
①米シティグループと日興コーディアル、1株1350円でのTOBに合意 - 東京
2007年03月06日 20:17
【東京 6日 AFP】日興コーディアルグループは6日、米金融最大手のシティグループ
(Citigroup)による株式公開買付け(TOB)の実施に合意したと発表した。買付け
価格は1株1350円、買付け総額は約1兆2500億円となる見込みで、同社はシティの傘
下に入る。
シティグループは現在4.9%の出資比率を50%超に引き上げる方針で、今後1週間以
内に買付けを開始する。
日興側は「業務提携及び資本提携からなる包括的戦略提携契約を締結し、シティグ
ループが日興コーディアルグループの株式の過半数を取得するため公開買付けを実
施することに合意した。両社取締役会が承認した」と声明を発表した。
また「シティグループが現在保有している日興コーディアルの株式を除き、同社の
全株式を取得した場合、取得価格は約1兆2500億円になる見込み」だとしている。
発表を受け、日興コーディアル株の東証6日終値は13.7%(161円)高の1340円で引けた。
②シティ・グループによる日興コーディアルの買収成立 - 東京
2007年04月27日 11:12
【東京 27日 AFP】米シティグループ(Citigroup)による日興コーディアル
グループのTOB(株式公開買い付け)が成立したと双方が27日、発表した。
シティ保有比率は61%に
TOBに応じない日興主要株主もいたが26日までの応募分と、当初シティが保有して
いた4.93%を合わせ、シティによる日興株の保有比率は61.08%に達し、シティが
日興の議決権を握った。
シティは3月、当初設定したTOB価格が日興株主の反発を受けたことから、1株あたり
の買い取り価格を1700円まで引き上げ、買収総額は134億ドル(約1兆6000億円)に
なった。
それから2年と4ヵ月後・・・
住友信託、日興アセットを1124億円で買収
7月30日17時1分配信 ロイター
[東京 30日 ロイター] 住友信託銀行<8403.T>は30日、米シティ
グループ<C.N>傘下の日興アセットマネジメント(東京都港区)を買収することで
合意したと発表した。取得金額は1124億円。住友信託は買収により、
資産運用業務を強化する。
住友信託は、年金基金や国内外の機関投資家の運用を手がけ、約25.7兆円の
資産運用残高がある。日興アセット(09年3月末時点8.8兆円)と合わせる
と資産運用残高は約34.5兆円になり、規模のメリットが拡大するほか、商品
開発力などを吸収できるとみている。
住友信託は10月1日付で、日興シティホールディングスやその他の株主が保有
する日興アセットの株式1億9415万2500株を取得する予定。取得割合は
従業員持株会の保有分を除く98.55%となる。
また住友信託は、総額1090億円の優先株を第三者割当の方法で発行すること
を決議した。発行期日は9月4日。
・・・
まぁ、難しいことは全く分かりませんが、
どれだけの企業価値があるかを読み取って、この買収価格が妥当だとか、
少し割高だけど将来性を考えると買いだとか、
売る側にしても、この価格なら売ってもいいとか、妥当だとか、
そういうことを見極めて話をまとめる人って凄い人物だなぁと思いました。
買収の背景にいるそういう人物の素顔を知りたいものです。
・・・
主要事業売却、強まるリストラ圧力 シティ、日本戦略見直し
産経デジタル 2009/05/12 13:53更新
シティは日興コーデを売却した後も、三井住友と業務提携し、「日興コーデを通じ
てシティの商品を販売する」(スティーブン・ボルク副会長)ことなどを検討する
という。
しかし、日興コーデにとっては、新たな「親」となる三井住友との商品の相互供給
が最優先で、大和証券グループ本社傘下の大和証券SMBCの商品の取り扱いも検
討する。
三井住友の北山禎介社長は日興コーデ買収を発表した1日の会見で、親密な米金融
大手ゴールドマン・サックスと並列にシティを位置づけながらも、「(提携は)市
場の動きを踏まえて考える」と述べるにとどめた。
シティは日興コーデに加えて、法人向けの日興シティグループ証券の大半も三井住
友に売却し、資産運用会社の日興アセットマネジメントの売却入札も実施。日興シ
ティ信託銀行は三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJ信託銀行に売却
した。
日本での中核事業はシティバンク銀行が残る程度だが、そもそもシティが日興を買
収したのは、シティバンクに頼った日本戦略には限界を感じたからとの見方は強
い。しかも、米金融当局の資産査定を受け、直ちに増資を発表したように、シティ
の財務基盤はなお脆弱(ぜいじゃく)で、今後も貢献が低いと判断された海外事業
は見直し対象となりそう。
シティは日興グループ買収に約1兆6000億円を投じたが、日興コーデなど一連
の事業の売却金額は「7000億円に届くかどうか」(関係者)で、巨額の損失と
株主の批判は避けがたい。売却をめぐる騒動は日本の顧客にマイナスイメージも与
えた。
日本の持ち株会社のダグラス・ピーターソン会長兼社長が、日興へのTOB(株式
公開買い付け)成立直後の2007年の会見で、「日本屈指の金融グループをつく
る」と高らかに宣言してからわずか2年余り。「さらに100年、日本にとどま
る」と語るダグラス会長だが、その道のりは険しい。
そうそう、7月に入って、
↓こういう記事もありましたよね。
日興シティ信託、野村信託が190億円で買収合意
7月1日23時59分配信 産経新聞
野村ホールディングス(HD)傘下の野村信託銀行は1日、10月をめどに米金融
大手シティグループ傘下の日興シティ信託銀行の全株式を取得することで合意した
と発表した。取得総額は190億円になる見通し。
日興シティ信託をめぐっては、三菱UFJ信託銀行が昨年12月に250億円で買
収することでいったんは合意した。しかし、三井住友フィナンシャルグループがシ
ティ傘下の日興コーディアル証券の買収を決めたことなどから、三菱UFJ信託が
日興シティ信託の買収を撤回し、シティは売却先を改めて探していた。
この日興シティ信託の売却は、経営再建を進めるシティによる日本事業のリストラ
の一環で、野村HDではM&A(企業の合併・買収)戦略による規模の拡大で信託
事業を強化する。日興シティ信託は投資信託の受託業務に強く、野村信託は営業基
盤の拡大が見込めると判断した。
・・・
そう言えば、
一時期は、リクナビNEXTで毎回更新されるたびに、シティーバンクの求人募集
は毎回掲載されていました。
リクナビNEXTに掲載するのって、けっこう費用がかかるんですよね。
1回の掲載で50万円以上はします。
数千億円、いや兆の単位でお金を動かしている企業にとっては
小銭以下かもしれませんけど。
でも、あれだけ人材確保に懸命であっても、景気・経済の波にはどうにも
こうにも勝てないものなんですね。
だいたい、評論家や経済学者が、その時の経済市場の動静から、
ああだのこうだの難しいことを言っていますが、結局のところは、
「先のことなんて、どうなるかなど分からない」
ということでしょうね。
その時、その時点から見ての「今後の行方」だったり「見込み」「将来性」
そして「企業評価」なわけですから。
評論って当てにならないなぁ。
挙句の果ては、どこかで大きな戦争が起こって、
世界経済が吹っ飛んだら「戦争が起こるなんて想定外でした」という言葉で
終わりなんでしょうね。
サブプライム問題は、以前から指摘していた、
経済危機の懸念があると見ていた、
なんて、いう評論家や経済学者もいますが、
「それで、あなたはその危機を事前に察知してくい止めたの?」
と言いたいですね。
結局は、「どうすることも出来なかった」ので、こんな大不況の世界経済・
日本経済になってしまったわけで、たとえ、先のことが100%見えても
動いている経済を「そっちに行っちゃ駄目!」「目先の甘い誘惑でその金融商品
に手を出したらマズイよ!」と強制&強引に止めることなど、誰も出来ないって
ことでしょう。
・・・
まぁ、先の見えないことをゴチャゴチャ言っても、また考えてもどうしようもない
ですね。
とにかく、外国の企業に持っていかれた日本企業が、また買収によって戻ってきた
ことは、私としては良かったなぁと思っています。
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