町場の小さなお好み焼きやで味わう地方の人口減の実態、地域に残る年寄りは買うものも少なく、当然店も無く潰れていく。若いものはその住みにくさに街に出ていき、ますます活気がなくなっていく。
田舎の秀才
竹原市でお好み焼きを食べたという、この話の続きになる。ちょうどこのお好み焼き屋さんの斜め向かいが池田勇人元首相の生家。そういえば6日の原爆の日に広島の護国神社を訪れたのだが、行く途中に池田勇人の銅像を見かけたばかり。どうも今回の広島は池田勇人に縁がある。そんな事はともかく、所得倍増計画を打ち出し、戦後日本の高度経済成長の進展に大きな役割を果たした池田勇人元首相。その由縁の地、自民党の歴史が満載のこの竹原市がこれから空本誠喜の選挙区になる。
ところで「10増10減」という言葉をご存じだろうか。1票の格差を是正するための小選挙区の区割り変更の事で、東京や神奈川などの区割りを10増やす代わりに、広島や宮城、新潟などから区割りを10減らす事をいう。大都市への人口集中は抗えない事実、仕方ないといえばそれまでなのだが、地方を軽視する構造に浅学の身ながらこの国の未来を随分と心配してしまう。まあ話がややこしくなるのでこの話はこれくらいで終えるが、とにかく今日は空本の選挙区が一変し、そこを開拓しなければいけないので大変だ、という事を何気に言いたいのだ。だから竹原や呉にポスター看板をせっせと設置しているのだが、なにせ一帯は寺田稔先生の地盤、家主の好意で設置できても、その地区の区長の「維新のポスターは掲示させない」の一言で引き取らなければいけない事があったりする。そんな自民党優位の地区での新規開拓は非常に難しい。
なので実はお好み焼き目当てではなく、この日は選挙の関係で竹原市を回ったわけなのだ。今回一緒に回った広島で精力的に動いている秘書が、なかなか人に入り込むのが上手い方で、竹原にも維新のポスターを置かせてもらえるようになってきている。そんな中、訪ねた場所はすでにポスターを設置しているお宅。なんでも息子が空本と高校の同級生、だから応援にも力が入るとおっしゃってくれた。聞いてみると、その年はこの田舎町から5人もの中学生が名門旧呉一中三津田高校に進学、そのうち2人は医師になったと言うではないか。さすが池田勇人氏のお膝元、優秀な人間が多い。
だが話を聞くにつれ色々な事がわかる。なんでもその優秀な息子さんは、30歳前後の若さで子ども2人を残して亡くなったとの事。私も子どもがいる身、息子に先立たれる母の悲嘆は想像に難く、思わず涙を浮かべてしまった。
このお母さんは一人暮らしだが、立ち話をしている数分の間に通った地元の人が声をかけていた。街の皆が知り合いなので、寂しくはないという。息子のことを思い出さない日はないが、孫は父親がいなくてもしっかり育ち、今は医師として働いているという。その人だけの小さくて偉大な歴史、誰も奪う事ができないその人だけの歴史に寄り添う周りの人たち。どんな人にもその人の生きてきた歴史がある。田舎で素敵な話を聞いた。世の中なかなか捨てたもんじゃない。
【広島4区は空本誠喜の選挙区】
小選挙区において大幅に変更!
4区(再編前)
広島市(安芸区)・三原市(大和町)・東広島市(安芸津町を除く)・安芸郡(府中町・海田町・熊野町・坂町) |
4区(再編後)
呉市・竹原市・東広島市・江田島市・安芸郡(熊野町)・豊田郡(大崎神島町) |
学園と聞くと私立か特別支援学校を思い浮かべてしまうこの私、この片田舎に私立があるわけもなく、しかし小学校の先生は確かそうなので支援学校でもなさそうだ。それで調べてみたら、小中一貫の公立校が近所にあるらしい。
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