「おおしたさん」のブログです

このブログは2005年6月に始めました。鍼灸院をやってた頃のことを含め、今も気ままに書いています。

感情はあてにならない

2023年11月12日 | 考えていることとか思っていることとか
 「行動は、気分の解毒剤、絶望の防波堤なのです」は「生きる力・森田正馬の15の提言、帚木蓬生著」から拾った言葉。
 確かに気分や感情は、その時の流れや惰性、雰囲気で決まる。ともすれば「まあいいか」と怠惰に合わせて人間は行動する。その場の雰囲気に大いに呑まれてしまうのが人間の性、だから気分や感情をあてにしてはダメなのだ。

 感情は長続きしないが、刺激し続ければ強化される。一度店員にキレたら収まらないどころかますます怒り狂ってしまうあの感じも、煽り運転が執拗になるのも、京アニの件のような恐ろしい事件が発生するのも、感情に燃料を投下し続け、怒りレベルの熱量を上げる事により起こるもの。それでますます感情が昂り引き返すことができなくなる。挙げ句の果てに自らが作ったわけのわからない物語の主人公に君臨させられ、それに酔いしれ人生を壊す。

 気分や感情に振り回されないためには、とにかく行動をする事が大切だとこの本は言う。確かに感情が想起されないほどの勢いで動き回れば、今し方怒り狂っていた事も忘れざるを得ない。感情に振り回されないための処世術としての行動、これを意識する事が最適解なのかもしれない。

 目の前に横たわる、小さくても良い、やるべき事にただただ手を出し続ける。実はそれが生きやすくなるための実践だったりする。それが禅寺での修行であり、森田療法の真骨頂だと捉えているのだが、その実際は体験した事がないのでよくわからない。ただ、最近好きになった山歩きはそれに似ていると思う。とにかく歩き続けなければ目的地に到着する事のできない山登り、その場その場を滑らないよう注意しながら息せき切って歩き続ける。いつの間にか全ての事を忘れて、歩くためだけに歩くあの感じ、それが好きで最近は山での食事も最小限にし、歩く事に集中するための環境を整えて山に向かうようにしている。これを書きながら、何故に景色を見るでもなく、山での食事を楽しみにするのでもなく、ただ歩く事があれほど私を魅了するのか、「行動」の意味を少し理解した気になっている。

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