佐々木正美先生の本を読み直した。以前子育て真っ只中の人が「正しい話だとは思うのですが、先生が言うようには子ども本位に考えることができなくて、そんな自分が腹立たしくみじめになる」と言っていたのを思い出したからだ。どんなことが書かれていたのか忘れていたので改めて先生の本を読み返してみると、自分自身かなり影響を受けていたのがわかった。
「子どもの気持ちを大切にして親の自己愛を優先させない」。この言葉をきつく感じる人はいるかもしれない。最近は頼る人もなく、ワンオペでの子育ても多いと聞く。ヒト亜属に属する人類はその属の中でも特に個体が弱く、集団で生活する事がデフォルトな訳なのだが、おひとり様全盛のこの時代、動物学的に全く逆をいく生き方を余儀なくされている。子育てが無視された時代の育児ストレスはなかなかのものなので、自分の時間も大切にしたくなるのもよくわかる。
「要求が叶えられた子は自立する」と言われても、「正しい事を教えるよりも子どもの言うことを聞けば子どもは育つ」と言われても、依存しながらも反抗してくる子、全くいうことを聞かない子を一人で受け入れるのは相当に大変だ。私もネガティブに捉えてしまうかもしれないと思ったから、長らく本を開いていなかった。
でも結構真っ当な事を言っているように思うのだ。「母の態度はただ優しいだけでいい」というのはまさにそうだし、「共感する力は家族の中で育つ」というのも確かにと思う。先生の話から、完璧でなくてもいいから、できる範囲でできることをやってみるのはアリのような気がする。
先生の本を読んで嫌な気分になる人もいるとは思うが、参考になる人も多いと思う。読んでみる価値はあると思う。
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