レンキン

外国の写真と
それとは関係ないぼそぼそ

あのくらい

2006年06月16日 | ぼそぼそ
 朝一番に会社のトイレの扉を開けたら
ゴキブリが潰れて死んでいた。


我社の男性社員はゴキブリを見つけると
退治する所まではしてくれるのだが
その後始末はなぜかしてくれない。
踏んだら踏みっぱなしで放置していくので
動いている状態の次に見たくない状態で
第二発見者の目にさらされる。
運悪く発見してしまった第二の人物は
腹の底から変な声をあげて後退るという寸法だ。


変な声をあげて後退ってきた私を見て
パートのおばさんが心配してくれたが
訳を聞くと笑って、取ってきてあげるよと言う。
なんと頼もしい。
ちり紙を何枚か持ってがさがさしていたが
やがて丸めたちり紙をゴミ箱に放り込みながら
「大体取ったよ。あのくらいでいいよね?」 と言う。

あのくらい?

扉を開けてみると、例の事故現場には
足がばらけた状態できちんと残っていた。



ちょっと泣いた。

このご時世

2006年06月08日 | ぼそぼそ
 夜八時ごろ、駐車場から家まで歩いている途中で
自転車をひいた女子高生と擦れ違った。
女子高生は暗がりの随分向こうから此方をじっと見ていて
私が近付くと一瞬足を止める素振りも見せる。
不審な子だ。
団地から出てきたのでお隣さんとかかも、と思い
擦れ違う瞬間に「こんばんわ」と声をかけるも返答なし。
横目でちら見しながら去っていってしまった。
釈然としないままエレベーターに乗り込み
ふとエレベーターの窓を見ると
そこにはのこぎりを持った明らかに怪しい人物が
憮然とした顔で映っている。


会社から工具を引き上げてきて
右手に持っていたのを忘れていた。
しかも私ののこぎりは柄の部分を入れると
60センチを超える代物だ。
強風に煽られて髪はぼさぼさ、手に大きなのこぎり。
暗がりで不審人物に見えない訳がない。
いやいや用心に越したことはないです。
お嬢さんは特に疑ってかかるとよろしいよ。


(憮然)

留守2

2006年06月06日 | ぼそぼそ
 今日は定例会議だという事をすっかり忘れ、
休みを取って病院に検査に来ていた。
待ち時間に携帯が鳴り、それに出て初めて
忘れていた事実に気付いたのだが
慌てる頭の片隅で、忘れてたんだから
もう仕方ないじゃんという 諦めの早い声を聞く。
以前なら検査が終わり次第すぐに飛んでいっただろうが
元はと言えば会社のデスクワークで壊した身体だ。
これ以上は譲らないよ、という気持ちになり
とっとと電話を切って頭から話を締め出した。
その後敦賀の方までドライブして
蒲鉾や昆布を買って帰ってきた。


大事な会議を休むと
普通の休みとは違った開放感。
次回も是非忘れたい。


くせ

2006年06月05日 | ぼそぼそ
 夕食を作りながら名探偵コナンを見ていたら
(母が好きなのだ)
話の前後は分からないが、文章の書き癖で
犯人特定につながったとかそういう結末になっていた。
その犯人は点線で表す箇所を棒線で表記する癖があるらしく
そのことをコナンに(おっさんに?)指摘されて
ぎくっとなっていた。
でもそんな分かりやすい書き癖ではなく、文章には
どうにも消せない人それぞれの書き癖が付くものだと思う。


私は以前チャットをよくやっていたが、
上記のような例は大抵、文章に特徴を付けようとして
本人がわざとやっている場合が多かった。
句読点をコロンにする、「あー」という文章で
伸ばす棒がハイフンになっている、
閉じカッコが無い、句読点が異常に多い、少ない。
ではそういう特徴を付けずに文章を書けば
誰の書いたものか分からなくなるかと言えば
これが全くそうではない。

人の書いた文章にはそれぞれ独特のリズムがあって
Aさんの台詞だけ抜き出して音読すると
見事にAさんのリズムが浮かび上がる。
句読点の数だとか棒線の数よりもっと分かりやすい、
染み付いたテンポが文章の中には隠されている。
そしてそのリズムを完全に消せる人はまずいないのだ。
話の飛び方繋ぎ方、話題のチョイス、相槌のタイミング、
空気の読み方かき回し方など
これはチャットという会話形式だったから
余計にリズムが分かりやすかったのかもしれない。
勿論私の文章にもごくごく単調なリズムがあり
私はこれが嫌で気恥ずかしくてたまらない。
自分なりにリズムを消す工夫をして打った文を
後から読み返すと、喧しいくらいの新しいリズムの底に
どうにも拭い去れない単調なリズムが
ひっそりと沈んでいるのだ。



昔の日記とかお持ちの方は
見てみると面白いです。リズムって昔から
ほとんど変わらないんですよ。
…あーあ。(昔から単調)