ムスリム(イスラーム教徒)は、自分が産まれる前から、自分の運命をアッラーはご存知だと信じています。
アッラーだけが私たちの運命をご存知で、私たちの将来をご存知である理由について、アッラーはクルアーンの中でこうおっしゃっています。
【 それは あなたがたが失ったために 悲しまないためである。 】(クルアーン 鉄章23)
災難に遭った時、何かを失った時、私たちがそれに悲しまないように「運命」というものがあるのです。運命は、私たちから将来に対する心配を取り除いてくださるために、アッラーがくださったものです。
私たち人間が、将来のことを心配することなく、アッラーがお決めになったことに安心して、自分がこの世に生を受けた本来の目的、アッラーのことを知り、この世界に導きという光を届けること、に目を向けることができるように、です。
アッラーは、私たちが現世で抱く様々な心配、リズク(糧、財産)の心配、子どもの心配、仕事の心配、人間関係の心配、将来に対する様々な心配や不安を私たちが持つことがないようにしてくださいました。こういった現世のすべての心配がなくならない限り、人間が本来の自分が創られた目的に集中できないことを、アッラーは一番良くご存知だからです。クルアーンでアッラーはこうおっしゃっています。
【 地上において起こる災厄も、またあなたがたの身の上に下るものも、一つとしてわれがそれを授ける前に、書冊の中に記されていないものはない。それはアッラーにおいては、容易な業である。 】(クルアーン 鉄章22)
アッラーが私たちに伝えたいこと、それは、何か悪いことが起こっても、何か失ったものがあっても、何も心配することはなく、それはアッラーの英知によるものであり、必ずそれは自分のためになることだ、ということです。
何か悲しいこと、つらいことがあった時、何も頼るものはなく、一人で孤独にそれに耐えなければならない時の苦しさ、孤独感、それに比べて、この宇宙を動かし統治しているアッラーのヒクマ(叡智)によって、それが起こっていると知っている安心感、アッラーが常に自分を見ていてくださり、自分に悪いことを決して起こさず、善いことしか与えられないことを知っている安心感、この安心感を与えてくださり、恐怖や不安を取り除いてくださるために、アッラーは私たちに「運命」をくださいました。
アッラーは、このウンマ(共同体)が、アッラーが人間を創った本来の目的、人類すべてに導きを届けること、に向かうことができるよう、人が抱く未来に対するすべての不安や恐怖を取り除いてくださったのです。
自分の運命を握っている御方が、自分を深く深く愛し、母親よりも大きな愛情でいつも見守ってくださっていること、このことをアッラーは、すべての人にどうしても知ってほしいのです。アッラーの愛の中で、私たちが安心して幸せに生きていくことができるように。
参照:ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師(アッラーのご慈悲あれ)「40のハディース解説」
預言者(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の人徳 クルアーンの奇跡 ①
ムスリムになりました(入信記、体験記) イスラーム講座(上級)
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