北海道教区有志災害ネットワーク「じゃがネット」による視察です。
じゃがネットは、これまでも被災地において炊出し等のボランティア活動を行っていただいていたほか、北海道教区においてもボランティア研修会や映画上映など様々な活動を行っておられる有志の団体です。
1日目は、参加者それぞれが航空機を利用して仙台入り。
2日目は、レンタカーで一路福島県へ。車中では現地復興支援センターの木ノ下嘱託からいろいろなお話をお聞きしながら向かいました。まず初めに訪れたのは、相馬市の「相馬市伝承鎮魂祈念館」です。館内には、相馬市の歴史や震災前の市の様子、そして地震と津波によって甚大な被害を及ぼしたことを説明する資料が展示されています。映像資料では、津波が襲来した際の映像を見ることができます。
その後、祈念館の近くにある松川浦の食事処「たこ八」で昼食をとりました。ここでは、新鮮な海の幸を堪能することができました!
昼食後は南相馬市の原町別院へ。ここでは現地災害救援本部福島事務所内で、福島県内各地域の現状や放射能測定器を使った放射線の説明など、普段はなかなか聞けない実際の現場のお話をお聞きしました。
そして、浪江に向かう途中で小高区の大悲山の磨崖仏へ立ち寄りました。ここは、国指定史跡で東北地方で最大最古の石仏です。また、県指定の天然記念物の大杉は圧巻です。ここでは、山間の放射線量なども確認しつつ視察を行いました。山あいでは生活レベルに比べると放射線が多少高いところもあるのだと実感いたします。
その後、浪江町の請戸海岸へ。この日はあいにくの暴風雨で、海岸から福島第一原発は目視することは残念ながらできませんでした。そして、すぐ近くの慰霊碑を視察。その慰霊碑には、震災の日は津波が沿岸部を襲ったが、原発事故による避難指示によって捜索活動を行うことができなかった無念さが刻まれています。
3日目は、まず仙台市若林区の荒浜地区へ向かいました。以前は海水浴場としてたくさんの人の笑顔があふれていた海岸沿いに建設された長く高い堤防の上から、慰霊碑と津波浸水区域を望みました。ここから見ると、本当に仙台市中心部が近く感じます。
その後、若林区の海楽寺様を訪れ、坊守様と前坊守様からお話をお聞きしました。
海楽寺様を後にし、震災遺構の荒浜小学校跡へ。ここでも、津波の来るまでの小学校内の様子を当時の関係者の証言をもとに説明した映像を見ました。一つの判断が命を大きく左右する。だからこそ、普段からその意識的な備えをしなければならないことがよくわかります。
その後は、名取市閖上地区へ。災害公営住宅が建ち、閖上小中学校の新しい建物がほぼ完成していました。そして、閖上さいかい市場で昼食となりました。
昼食後は仙台空港へ。丸2日間の視察日程が終了しました。
今回の視察で特に印象的であったのは、海楽寺様での坊守様のお話です。7年という月日が経過する中で、震災を経験したたくさんの子どもたちの心の状態を心配しているというお話でした。幼いながら、目の前でたくさんの方が無くなる経験をした子ども。そんな中「いのちなんて軽いものだ」というご自分のお子様の発言に驚き、心配をされたそうです。しかし、よく聞いてみると「いのちなんて軽い。簡単に死んじゃう。だから、大切に生きていかなければならないんだ」と言われたそうです。子どもたちはそれぞれ、小さいながらに一生懸命震災と向き合おうとしている。それを、私たち大人はどのようにケアをしていくのか。大きな課題をいただきました。
じゃがネット視察報告→http://shinranweb.com/wp/?p=3833