中国は西太平洋における米軍の行動の自由を制限することを目指し、接近阻止・領域拒否(A2AD)能力を強化するとともに、日本周辺での活動を活発化させている。この動向に監視の目を光らせる役割の一端を担うのが「あさぎり」であり、「やまぎり」というわけだ。 「あさぎり」型は「はつゆき」型の拡大改良艦として昭和63年から配備が開始され、計8隻が建造された。基準排水量3500トン、長さ137メートル、幅14・6メートル。対水上艦、対空、対潜誘導弾を装備し、海自SH60J哨戒ヘリ1機を搭載可能。戦闘能力を総合的に処理する当時最新鋭の本格的システム艦で、隊員からは「きりクラス」と呼ばれている。 20年3月からは、女性として初の護衛艦艦長として、大谷三穂2等海佐が「やまぎり」の指揮を執っている。大谷氏は「あさぎり」副長も務めており、カムバック組とともに船乗りとしての人生を歩んでいることになる。
「私の後に続く女性自衛官のためにも、気負わず任務を全うしたい」
護衛艦「やまぎり」と艦長の大谷三穂2等海佐。現役護衛艦では初めての女性艦長で、注目を集めている=6月2日、神奈川県横須賀市 (寺河内美奈撮影)
練習艦から再び護衛艦に種別変更された海上自衛隊の「あさぎり」 (海自提供)
練習艦から再び護衛艦に種別変更された海上自衛隊の「やまぎり」 (海自提供)
練習艦から再び護衛艦に種別変更された海上自衛隊の「あさぎり」 (海自提供)