【ワシントン=渡辺浩生】バイデン米政権は27日発表の核戦略指針「核態勢の見直し(NPR)」で、中国とロシアという「2つの核大国」に同時に対峙するとの脅威認識を明確にした。ロシアがウクライナ侵略で核使用をちらつかせ、中国がインド太平洋地域で核戦力増強に走っている事情をかんがみた。北朝鮮も含めた脅威から同盟諸国を守るため、NPRは拡大抑止(核の傘)の重要性を強調し、日米韓豪による「抑止対話」の開催を提唱した。
2030年の節目
「2030年代までに米国はその歴史上初めて、戦略的競争相手、潜在的な敵対者としての2大核大国と対峙する」
トランプ前政権による18年のNPRまで、安全保障環境の記述はロシア、中国の順だったが、今回は逆転した。米国がロシア(旧ソ連)と対決した冷戦期の構図が過去のものとなり、中露双方と向き合う新たな時代に入ったと強調した。
中国は中距離弾道ミサイルなど運搬手段の近代化・多様化を進め、20年代終わりまでに1000発以上の核弾頭を保有する。NPRはこう予測し、「核大国化」の節目だとの認識を示した。台湾や尖閣諸島の侵略を念頭に、中国は地域紛争で米国や同盟国の介入を阻止するため、核戦力を「テコ」のように使い得るとした。
ロシアの核戦力については、最大の能力と多様な戦力を備えた「米国のライバル」だと再確認。ウクライナ侵略は「現代戦における核リスク」を突きつけたと指摘した。ロシアによる「核の恫喝」や、「ウクライナが『汚い爆弾』を使用する」とのロシアの虚偽の主張について、「核の影」と称して警戒感を示した。
28日午後7時20分ごろ、東京都港区六本木の路上で、「人が無理やり車に連れ込まれた」と通行人の男性から110番通報があった。警視庁麻布署によると、男性が複数の男にワンボックスタイプの車に押し込まれ、車が立ち去ったという。2人が連れ去られたという目撃情報もあるといい、同署が逮捕監禁や略取事件の可能性もあるとみて捜査している。
現場は東京メトロ千代田線の乃木坂駅近く。