若年男性の新型コロナウイルス感染リスクが現時点で認識されているより高い可能性があることが、カナダの研究チームの調査で分かった。
研究チームは米医学誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に17日に掲載された論文で、若年層のコロナ感染は表面化しにくく、特に若年男性が比較的高齢の成人の感染をひそかに拡大させている可能性があると指摘した。
高齢者は感染や重症化のリスクが高いため、ワクチン接種が優先的に行われてきた。
今回の調査では、報告されている高齢者の感染率の高さについて、症状がより深刻なため検査頻度が高いことが部分的に影響している可能性が示された。
論文の共同執筆者であるトロント大学のデービッド・フィスマン氏は「確認されている感染者数が検査件数に左右されることをわれわれは時に忘れている。検査件数は年齢層によって異なる」と述べた。
研究チームは2020年3─12月にカナダ・オンタリオ州で実施された全てのPCR検査とその結果を用いて統計モデルを考案し、年齢層ごとの感染率の違いに検査頻度が影響しているか分析した。
その結果、検査頻度の影響を調整した上で感染リスクを比較すると、人口全体と比べて10歳以下の子どもと80歳以上の高齢者で最も低いことが分かった。一方、思春期および20─49歳の若年成人、特に若年男性で最も高かった。
フィスマン氏は「このパンデミック(世界的大流行)でわれわれが目にしているのはもっと大きな氷山の一角であり、その氷山の大部分は若者だ」と述べた。その上で、今回の研究はカナダ1州のみのデータに基づいており、より多くの人口で追加調査が必要だと指摘した。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます