自民党と公明党は夏の参院選に向け、互いの候補を推薦する「相互推薦」を6年ぶりに実施する。公明党の斉藤鉄夫代表は合意を受けた2月28日の記者会見で「国民の命と暮らしを守ることができる政権の枠組みは自公をおいてほかにない」と述べたが果たしてそうか。派閥パーティー券収入不記載事件、選択的夫婦別姓問題などで自公の隔たりは広がっている。数合わせに走る前に、連立関係を見直すべきではないのか。
1月下旬の斉藤代表の発言が波紋を広げた。朝日新聞のインタビューに対し、選択的夫婦別姓の導入について「『何があっても自公連立は崩しません』ということはない。我が党が譲れないもので意見が対立し、合意が得られなかった場合に連立離脱というのはあり得る」と言い切ったからだ。
与党代表から「連立離脱」という発言が飛び出した意味は大きい。斉藤代表は「連立離脱」に言及してまで、自民党内で割れている選択的夫婦別姓導入を目指すのかと受け止められた。
ところが、1月30日の産経新聞のインタビューでは、与党で丁寧に協議を進めていく考えを示し「協議が決裂したら連立離脱だというような関係ではない」とトーンダウンした。
自民党に譲歩を迫るため、「連立離脱」というカードをちらつかせてみたものの、反響が大きくあわてて打ち消しに躍起になったということだろう。
斉藤氏の一連の発言を自民党内では冷ややかに見ている議員が多い。本来なら連立を組む公明党代表から「連立離脱」という発言が飛び出せば、関係修復に動こうとする議員が出てきてもいいようなものだが、そうした動きはほとんどなかった。
石破茂首相が3月3日夜に自民党衆院1期生と首相公邸で会食する前に秘書を通じて1人10万円分の商品券を配布した問題について、斉藤代表は「報道を聞いて耳を疑った。国民の感覚と大きくずれている」と強く批判した。一方で「(石破首相が説明した)公職選挙法または、政治資金規正法上問題ないということについて私もそのように思います」とあっさり理解を示すなど、ちぐはぐさをみせた。
産経新聞
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