福井7人の工芸サムライ

福井県にある国指定7つの伝統的工芸品の職人やモノづくりや産地、福井にまつわる事がらをご紹介します。

日本でセルロイドを扱う会社「ダイセル」

2019-07-22 23:12:21 | メガネの材料

眼鏡にも使われるセルロイドを扱う会社知ってますか?

前回、世界初のプラスチックセルロイドの話をしました。

www.yumakumamoto.work

 

 
実は日本セルロイドを扱う会社があるのです。
今では淘汰されて日本で唯一残存するセルロイドを製造する会社といってもいいのではないでしょうか。
他にセルロイドを製造会社がありましたら教えてください。

添付の写真はメガネ材料のアセチの梱包材ですが
ダイセルクラフト→ダイセルファインケムと名前を変えました。

ダイセル今と昔

上は今はなきダイセルクラフト時代の梱包材。
下はダイセルファインケムと名前が変わった後の梱包材です

ダイセルファインケムはプラスチックの祖先であるセルロイドも製造しています。
イタリアにあるマツケリーという老舗の工場と並ぶ日本の誇るセルロースアセテートの老舗の工場です。 

眼鏡にも使われるセルロイドの原材料は?

セルロイドも原材料は綿花でダイナマイトにも含まれる
ニトログリセン(可燃性)を混ぜて作られています。
硝酸セルロースを主原料とするセルロイドは、発火性が強く、取扱いには十分な注意が必要ですが、ほかの繊維素系プラスチックにくらべて変形が少ないという特徴があります。現在もその自然な風合いから、メガネフレーム、理美容用のクシ、ギターピック、楽器の部品などに利用されています。

セルロイドの発火性を改良されたプラスチックです。 

www.yumakumamoto.work

 

メガネ業界とセルロイドの関係は?

メガネは今も一部作っておりますが昔はほとんどがセルロイドで作られており、工場がよく火事になったと聞きます。
セルロイドに可燃性を抑えるために改良されたのがセルロースアセテート
なんです。
セルロイドはセルロースアセテートより固いのが特徴です。
酢酸セルロースを主原料とするセルロース・アセテート・プラスチックは、一般的にはアセテート樹脂と呼ばれ、世界の多くのメガネフレームに使用されています。
今でもメガネ業界ではセル枠(プラスチック枠の事)と言われますが 語源は昔主流だったセルロイド枠からきております。

 

www.yumakumamoto.work

 

【ダイセルの詳しい説明】

www.daicel.com

めがね以外には主に下記の用途に使われてます。

  • 液晶光学フィルム
  • たばこ用フィルター
  • アセテート繊維
  • 写真フィルム

 

最後に

時代と共に変化していくプラスチック。
昔は自然由来の材料を使い、石油を使った樹脂に徐々とって代わられていきます。
モノの起源を調べたり、歴史を調べたりするのも面白いかもしれませんね。


世界初のプラスチックって知ってる?

2019-07-22 21:03:13 | ブログ

世界初のプラスチックは。。。 

ビリヤード

私たちの周りに必ずあるプラスチック。
きっかけはビリヤードの玉なんですよ。

メガネの世界も始まりは金属メガネでした。
色目が味気ない金属メガネも
切削性がよく強度もあるセルロイドの登場で
メガネの概念を大きく変化させました。

視力補正=メガネだったのが セルロイド枠の登場で 
色彩ファッション性を表現出来るようになりました。

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セルロイドの歴史

 1856年にイギリス人アレキサンダー・パークスによって初めて作られた。パークスはこれを「パークシン」と命名して売り出したがコストの問題から失敗に終わった。

1870年にアメリカのジョン・ウェズリー・ハイアットビリヤードの玉の原料として実用化に成功し、彼の製造会社の商標としてセルロイドという名前が登録された

1880年代
後半からセルロイドは乾板に代わって写真フィルムとして使われるようになった。それらの製造技術を開発したハンニバル・グッドウィンの会社が現在のイーストマン・コダック社の前身である。

1955年
、セルロイド製品の火災事故が多発していた事を受けアメリカで可燃物質規制法が成立。これにより日本製のセルロイド玩具などは全てアメリカへ輸出できなくなった。またこの出来事を期に世界的にセルロイドの製造や消費が落ち込む事となった。

20世紀の半ばまでは、食器の取っ手や万年筆の筒や眼鏡のフレーム、洋服の襟(カラー)やおもちゃ、飾り物などに広く利用されたセルロイドだが素材の顕著な可燃性が問題となり、アメリカから広まったセルロイド製品の市場からの排除運動が世界へ広まり、のちにそれらの製品の多くはアセテートポリエチレンなど後発のすぐれた合成樹脂素材に取って代わられた。セルアニメの製作に使われるセルは当初セルロイドのシートを使用していたため、1950年代にトリアセチルセルロース製の製品が使われるようになってからも「セル画」と呼ばれている。

*1 

発明のきっかけはビリヤードの玉の賞金

かつてビリヤードの玉は象牙で作られてたのですが
製造会社が値段が高い象牙にかわる材料を発明した人に賞金1万ドルを出したことがきっかけでいろんな樹脂が生まれました。
その中でも初めて量産化され商品として流通してきたのがセルロイドでした。
これがセルロイドが世界初のプラスチックと言われる所以です。

さらに人類は知恵を絞り人類の都合のいいプラスチックを発明続けます。
石油系のプラスチックが発明され安価で大量に生産できるプラスチックに改良され続け現在に至ります。

メガネ業界においてもプラスチックメガネはセル枠と言われるのですが
セルロイドのセルから来ています。
こうしてセルロイドはいろんな業界に革命をしてきた。

まとめ

私たちの身近にあるプラスチック
先人たちの知恵が詰まっていたのですね。

 

 

*1:wikipedia