バス業界で働いてたり働いてなかったりするシニスです。
重大な貸切バス事故が多発した影響で、ここ数年、バス業界の仕組みがかわってきております。
しかし、一番の問題である部分にはなかなかメスが入らなかった。
その一番の問題ってのがバス料金。
貸切バス料金というのは、バス会社各々が運輸局だか運輸支局だかに届け出て、その届出料金
の範囲内での収受が義務付けられていて、勝手に格安運賃で走る事は行政処分を伴う違反だったり
するわけです。
でも実際のところ、届出料金より安い料金で走ったからと言ってそれにより行政処分を受ける事がほぼ
無い、というより監査がきてもそこに突っ込みを入れないのがほとんどという行政怠慢状態だった。
そこに目をつけたのか、ツアーを企画する旅行代理店は格安ツアーをどんどん打ち出し、そのツケは
貸切バス会社のバス料金に回ってくる仕組みとなり「バス=安い」のイメージがどんどん利用者に浸透
してしまった。
おかげさまで、旅行代理店を介さない仕事に関しても、お客さんにまともな料金を提示すると
「高い」と突っ込まれる始末。
「高い」と突っ込まれる始末。
その結果、貸切バス料金が際限なく低下し、一般利用者のイメージも「バス=他交通機関より安い」が
定着してしまった。
貸切バス会社からすれば、大手ツアー会社からの仕事は生命線ともなるバス会社もあり、非常に立場が弱い。
結果、実入りの無い法外な低料金でも言い値で走らざるをえない状況となっていて、仮にこの違反料金で走っ
た事によってバス会社が捕まったとしても、行政処分を受けるのはバス会社だけで依頼元のツアー会社は
お咎めなしの状態だった。
た事によってバス会社が捕まったとしても、行政処分を受けるのはバス会社だけで依頼元のツアー会社は
お咎めなしの状態だった。
しか~し、26年4月からの貸切バスの新運賃制度の導入に伴い、ほぼ野放しだった届出料金収受違反の
監視強化と厳罰化と発注元業者への行政処分も行われる見通しとなった。
監視強化と厳罰化と発注元業者への行政処分も行われる見通しとなった。
料金の計算方法も変わり、運輸局単位で一律の下限、上限料金の基準が設けられる事となりその計算
方法も単純明快な物となりました。
方法も単純明快な物となりました。
計算方法はざっくり言うと
([出庫から帰庫までの時間+2時間]×時間運賃)+(出庫から帰庫までに走った距離×キロ運賃)=バス料金
この中の時間運賃とキロ運賃に上限と下限が定められている。
ちなみに、一般的なツアー会社から今まで受注していた仕事をこの新運賃で計算すると、下限で計算しても
1.5~2倍程度のバス料金になる。
1.5~2倍程度のバス料金になる。
高いですか? 違うんです。 価格競争の果てにそんなありえないバス料金で走らざるをえなくなっていたんです。
そりゃ、バスの買い替えもできなきゃ、修理費だってかけれない、ドライバーをじっくり育成する時間もとれない、
目に見えにくい部分、安全にかけるためのコストを全部削って運営してる会社が多かったわけです。
事故が起こるのも当然ですよね?
大型バスの値段って知ってます?ギリギリ観光に使えそうな年式の中古のバスを買っても1000万~。
新車なら3000万~4000万。
1000万のバスを数年使って売却時の価格は30万円とかですよ?
大型バスの燃費しってます?
せいぜいリッター3km程度ですよ?
車検は毎年だし。
まぁ、後半は完全に愚痴になっていましたが最後に。
7月以降は貸切バス料金は大幅に上がると思いますが、それが本来の適正な価格です。
新料金を説明の際「高すぎる」「ボッタクリ」などの言葉を浴びせるやめてください。泣いてしまいます。