25年前の営業車

5年間かけて自費で夜学を卒業し、最初に入った会社は印刷会社でした。
平成元年、当時はバブル終盤。大学時分は昼・夜間15時間くらい働いて夜学校行って・・でもカスカスの暮らしでしたが、その印刷会社では「チャレンジ１００」とかいって100億円の売り上げを目指して、印刷会社といっても企画と営業とがセットで動いて企画根幹から受注するっていうスタイルでがっつり仕事してる会社でした。
上司に初めて連れて行ってもらったランチ、なんとステーキレストラン！おいおい、社会人って昼からステーキ喰うのかよ！ってビックリ。ボーナスも年間3回出て、算賞与とかいって当時の僕には訳わかんない世界でした。
配属されたのは営業。朝8時に複数ある得意先営業所に印刷の見本を週2回届ける業務がありました。朝6時に会社をでて営業車でぶっ飛んでいくわけです。見本届けたら付近の目星付けた会社に飛び込み営業したり、それぞれのやり方で夕方会社に戻ってくるんです。
当時の営業車はパワステ無し・一応オートマのスターレット。何故か僕が与えられた営業車はコニ―のショックがついてて重たい見本を積んでもガッツリ攻められる車(笑)。
当然ＡＭラジオしかついてない。カセットもＦＭも聴けないので最初は仕方なくＦＥＮとか聴いてたんだけどやっぱ英語が解らず・・・・
で、1134文化放送を聴き始めたんです。吉田照美のやるきマンマン・ナチチャコワイド・伊東四郎のあっぱれ土曜ワイド・・・・どれも最初は「ＡＭぽいなぁ」って思ってたけど、面白さだけではなく世の中の事象に切り込むジャーナリズム的視点や、なにしろニュース・交通情報・天気予報など、すぐにのめり込んで行きました。
ジェンベを張り始めた13年前からは作業場ではいっつも、いつからか車にはカセットどころかＣＤとかＤＶＤが付くようになりましたが、僕はもっぱらＡＭラジオでした。

と前置きが長くなりましたが、先日文化放送「福井謙二グッモニ」に生出演して、ジェンベを叩いてきました。
ことの始めは先方から「当番組でリズム感を養うという企画を幾つか実施しておりまして、
その一環として、東京ジャンベファクトリーの方に番組にご出演していただきたく存じます。」と依頼の連絡が来ました。そしてなんと快諾翌日に町屋のお店まで文化放送放送作家さんが来たのです。そのフットワークの良さ・大手メディアらしいエラぶった態度の無さ・ジェンベに対して示した過剰なまでの興味反応(笑)、、、これぞ自分が25年来聴き続けてきたラジオ局だ！と思いました。

グッモニの福井謙二さんはフジテレビではよーく見るアナウンサー。そして今回リズム感を養う・・対象の水谷加奈さんは僕が25年前に営業車で聴いていたやるマンに新人アナとして元気な活動をしていた方。そのよごれっぷりやボケっぷりは本当に楽しく・魅力ある人だなぁと思っていました。

今回話が来た時、ＴＤＦとして出るならタクミと俺だろってことでタクミに話したら
「いやぁ僕は地井さん・加山雄三と2回もテレビに出たので今度は佐々木さんピンででる番でしょ！」
と予想通りの反応でした。

よし。やったるか。

とは言うもののラジオは絵が無い分、初めての方にどうやってジェンベの楽しさを体現して貰うか・・を考えた時ドゥンドゥンがしっかり後ろで鳴ってないと・・と思いユウスケにヘルプを頼んで臨んだ放送当日。

いたーーー水谷加奈。
綺麗でした。
そして楽しい人でした。


ラジオってリハーサルとか全く無いんです。
そして流れが本当に早い。

軽くジェンベの説明
すぐに叩き始めます。

今回、グッモニという番組なのでアコンパを「グッモニ（グ）」にして加奈さんに叩いてもらうと・・おっと！すぐに出来た！
しかもノリノリ。

スタジオ外を見ると次の番組の野村邦丸や吉田涙子はじめスタッフが大勢かぶり付きで見てくれてました。

あっというまの10分間。

日本にはもっともっと熱いジェンベが大好きな先生や日本に来てくれてるアフリカ人の先生が各都道府県市区町村に居て、叩きたい！と思ったらご紹介できます！とか、言いたいことの100分の1も言えなかった。
でも番組後も加奈さんはジェンベを抱えたままなんかの拍子に合いの手のようにジェンベを叩いたり
撤収する時に吉田涙子アナが被りついてきて「うわぁー感激！ジェンベ大好きなんですよ！どこで習えますか？」と聞いてきてくれたり、番組の「水谷さん、いい音出してましたね」とか投稿が結構来たり、、、
もちろん友人や家族も聴いてくれてて、弦太なんて加奈さんがジェンベソロを叩き易いように考えた「好き好き！水谷加奈！」のソロフレーズを俺がやったことに対して
「キモかった！」って(笑)

今まで経験したことのないことをどんどん経験していくって、いいなぁって思いました。

だから、、ジェンベ、始めて叩いた！楽しかった！って「初体験」をもっともっとして貰えるよう、全力で頑張って行こうと改めて思いました。