胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

膵上皮化生 pancreatic acinar metaplasia

2022-03-21 | 胃炎
 膵上皮化生 pancreatic acinar metaplasiaです。胃粘膜の深部腺内に膵臓の外分泌細胞が出現する現象です。食道・胃接合部の噴門腺によく出現するとばかり思っていました。最近のAutoimmune gastritis (AIG)ブームで(といってマイブームですが)、欧米の教科書や文献を読むと、AIGの病理組織像の特徴のように書かれています(この写真も日本人AIGの生検組織です。写真クリック!)。UpToDateでAIGをしらべてみると、そのタイトルは"Autoimmune metaplastic atrophic gastritis (AMAG)"と書かれています。ここでいうmetaplasiaとはintestinal metaplasiaだけではなく、pseudopyloric metaplasia, pancreatic acinar metaplasiaも含められています。膵上皮化生をみると必ず粘液腺とセットで認められるので、偽幽門腺化生・幽門腺化生に伴って(同時に)出現するのかな?とつぶやいていたら、同僚達が動物実験で証明してくれました(PMID: 32440745)。膵上皮化生はGERDの食道胃接合部やAIGの体部だけでなく、H. pylori胃炎でもよく探すとみつかります。
 ついでに、pancreatic acinar metaplasiaと関連あるかどうか(知らんけど)、胃原発で、pureなpancreatic-type acinar cell carcinomaの報告もあります(PMID: 34499781)。


国鉄播但線 福崎・溝口間 (昭和46年1月)水鏡が綺麗でしょう(写真クリック!)。太秦小時代の作品です。
撮影地点:34.936861, 134.743924 (34°56'12.7"N 134°44'38.1"E)
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