Updated Sydney Systemでは5点生検が推奨されていますが、現実的には前庭部大弯(A2)と体部大弯(B2)の2点生検を行うことが多いようです。3点生検の場合は胃角(IA)の追加がいいとされています(https://doi.org/10.11280/gee.51.1588)。
A2の生検組織は"幽門腺型粘膜 pyloric gland mucosa”を代表する部位と思われがちですが、H. pylori未感染の非萎縮性粘膜では、実際のところ見出し写真(クリック!)のように、胃底腺(写真左側)と幽門腺(写真右側)が混在する腺境界部粘膜であることも多いです。主細胞がなくとも壁細胞はしばしば観察されます。また、胃角の粘膜(IA)はほとんどの場合胃底腺粘膜か腺境界部粘膜であり、純粋な幽門腺粘膜であることは極めてまれです(PMID: 32239550)。
本ブログ「膵上皮化生 pancreatic acinar metaplasia (2) AIG vs. H. pylori胃炎」(2022年11月8日投稿)の見出し写真も前庭部大弯生検(除菌後)です。
これは上記のガストリン免疫染色です。Vonoprazanの作用で、G細胞過形成が生じていますが、胃底腺側の粘膜ではもともとG細胞はありません(写真クリック!)。
なお、(B+A型胃炎ではない)自己免疫性胃炎(AIG)で「萎縮がない」と思われているA2生検では、腺密度や粘膜厚としての萎縮はあまりありませんが、やはり壁細胞が減少している印象を受けます(あるいは消失)。IA生検でも壁細胞が減少(~消失)します。したがいまして、AIGでも、体部だけでなく、B2やIAの生検を追加していただけるとわかりやすくなると思います。
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年賀状です。明けましておめでとうございます。
A2の生検組織は"幽門腺型粘膜 pyloric gland mucosa”を代表する部位と思われがちですが、H. pylori未感染の非萎縮性粘膜では、実際のところ見出し写真(クリック!)のように、胃底腺(写真左側)と幽門腺(写真右側)が混在する腺境界部粘膜であることも多いです。主細胞がなくとも壁細胞はしばしば観察されます。また、胃角の粘膜(IA)はほとんどの場合胃底腺粘膜か腺境界部粘膜であり、純粋な幽門腺粘膜であることは極めてまれです(PMID: 32239550)。
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これは上記のガストリン免疫染色です。Vonoprazanの作用で、G細胞過形成が生じていますが、胃底腺側の粘膜ではもともとG細胞はありません(写真クリック!)。
なお、(B+A型胃炎ではない)自己免疫性胃炎(AIG)で「萎縮がない」と思われているA2生検では、腺密度や粘膜厚としての萎縮はあまりありませんが、やはり壁細胞が減少している印象を受けます(あるいは消失)。IA生検でも壁細胞が減少(~消失)します。したがいまして、AIGでも、体部だけでなく、B2やIAの生検を追加していただけるとわかりやすくなると思います。
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