胃生検の小部屋 Cottage for Gastric Biopsy

胃生検からはじまる消化管病理の美しい世界

Reactive gastritis. Chemical gastritis. Corkscrew. 反応性/化学性胃炎、コルクスクリュー

2022-12-11 | 胃炎
 コルクスクリュー状にみえる胃腺窩上皮です。
 反応性胃炎とか化学性胃炎と呼ばれる胃炎でよくみられる所見だと教科書に書かれています。
 内視鏡的に隆起性びらんといわれる粘膜や、残胃粘膜の吻合部に近いところ、あるいはNSAIDs胃炎でよくみられます。前庭部の隆起性びらんはH. pylori未感染胃にみることが多いですが、除菌後でも出現しますね。除菌後隆起性びらんの生検では、しばしば腸上皮化生も混じています。もちろん、未感染胃の隆起性びらんからの生検でもまれに腸上皮化生が出現します。
 粘膜固有層内では毛細血管が拡張し、ニュルニュルっと平滑筋線維が下から伸びています(線維筋症)。慢性炎症細胞浸潤は軽度で、非活動的です。
 生検病理組織診断名は"Reactive gastritis, inactive, Group 1"、吻合部ならば”Stomal gastritis, inactive, Group 1"と書いてもいいでしょう。"Group 1"だけの記述は”診断”ではありません。
 内視鏡的に”隆起性びらん”とか”良性びらん”言ってとられた生検でも、組織所見でホンマに”びらん”(上皮が剥がれて滲出性変化がみえる)が見えなければ, ”Erosive”と形容するのは好ましくありません。


聖地のひとつ、JR北海道苗穂工場です。

*インスタグラムを始めました。
doctor_qussie
です。

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