今回の本の紹介は 落合恵美子著、『21世紀家族へ』(家族の戦後体制の見かた、超えかた):発行所(株)有斐閣、第3版第3刷発行。
読み終えた感想をひとこと、非常に興味深く読ませてもらった。一押しで推薦する本である。講義形式で書かれていて、難しい問題もわかりやすく表現してあり、数字的な資料も豊富で説得力がある。家族の成り立ち、役割等を時代時代に適確に捉えていて、今ある現実がほんの何十年かの固定観念であり、本来の姿ではないことを痛感させられる。これは他の様々なことにもあてはまると思われ、現実にあることをもう一度考え直し、歴史の重要性を感じた。
住宅の設計をしていると家族に関しては非常に興味のあるところであり、専業主婦の見かた、考え方、時代性などにも納得するところが多かった。最後に現実的な年金問題等のことが取り上げてあったが、このあたりはそれはそれでいいとは思うが、もう少し、これから家族が向かう方向性を見たかったという気がするが、今後の家族の形態を考えると方向性を示せないかとも思う。これからの家族像は多様性があって方向性が示せない部分があり、絞りきれない時代に突入しているからであると考える。
これは、著者のするどい観察力と豊富な資料を見る限り、著者の思いはあるだろうが、読者に将来像をゆだねているところが大きいからだと思う。住宅の設計をしている限り、家族とは何か?家族とはどうなっていくべきか?というのは永遠の課題だと思われるし、そのことについて建築的に少しでもその家族にあった方向に導けるような住宅をつくれたらと思う。
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