周知のごとく、9月上旬にガルパン最終章第4話の本予告第2弾が公表されました。無限軌道杯第3回戦の大洗女子学園チームと継続高校チームの試合の他に、黒森峰女学園チームと聖グロリアーナ女学院チームの試合のシーンも豊富に出ています。
ここでは、各チームを見渡してみて最も変化が著しかった黒森峰女学園チームについて見てみましょう。御覧のように隊長は逸見エリカですが、フラッグ車は担当せずにヤークトパンターに任せています。これは第3話の対プラウダ高校戦でも同じでした。
そして逸見エリカは第3話にて乗り換えたⅢ号戦車J型を引き続き搭乗車としています。砲塔後部のゲベックカステン背面に似顔絵がペイントされているあの車輌ですが、第4話ではさらに3色の迷彩が施されて、実際のドイツ軍車輌を思わせる雰囲気になっています。
アニメシリーズにおける黒森峰女学園チームの車輌としては、マウスに続く2輌目の迷彩仕様ですが、これには理由があるようです。
というのは、第4話で第3試合に臨んだ黒森峰女学園チームは、新隊長逸見エリカの新たな方針に沿ってか、陣容を一新して中戦車主体にまとめています。上図のようにⅢ号戦車J型が、視認出来るだけでも3輌見えます。
どうやら、逸見エリカの基本方針は、Ⅲ号戦車J型を多く配置しての軽快な機動戦を自在に展開する、という方向で設定されているようです。そして隊長車もⅢ号戦車J型なので、識別のために迷彩が施されたのではないか、と推測されます。
軽快な機動戦を自在に展開する、という方向性は、上図の陣容からも伺えます。第3話で出ていたティーガーⅡ、ヤークトティーガー、エレファント、マウスなどの重戦車群が姿を消し、軽戦車のⅡ号戦車F型が加わっています。火力では他チームの戦車に殆ど劣るため、おそらくはスピードを生かして偵察や哨戒にあたらせ、敵情を素早く察知するための布石でしょう。
そして、そのⅡ号戦車F型は、アニメシリーズにおける黒森峰女学園チームの車輌としては、初めてのグレー系の車体色をまとっています。ドラゴンの6263番のキットの箱絵を思わせるカラーです。既に同型車輌が西住家車輌として公式キット化されていますから、この黒森峰女学園所属車も箱替えで公式キット化されるでしょう。
そして、新顔として上図のⅣ号戦車G型も登場しています。史実ではこのⅣ号戦車が初めから終いまでドイツ装甲部隊の中核的存在であったことを考えると、いままで登場しなかったのが不思議なくらいですが、おそらく大洗女子学園チームがあんこうチームのⅣ号戦車を戦列外に失った流れと無関係ではないと思われます。同型車輌のゆえにイメージが被る心配が無くなったため、このタイミングで黒森峰女学園チームのほうにⅣ号戦車を出してきたのでしょうか。
上図の劇中車をよく見れば、あんこうチームのⅣ号戦車の第2形態(F2型仕様)とほぼ一緒なので、アニメにおける3Dデータを再利用しているのかもしれません。
Ⅳ号戦車G型といえば、最近にタミヤよりミリタリーミニチュアシリーズ378番の新キットが出ていますが、劇中車の仕様はどちらかといえばボーダーモデルのBT004番のキットに近いように思います。ボーダーモデルからはクルセイダーが公式キット化されていますから、このⅣ号戦車G型も間を置かずに公式キット化されるかもしれません。
もしくは、プラッツ発のドラゴンキットからのあんこうチーム車第2形態の公式キットから箱替えでの展開も有りえます。仕様が同じであれば、そうなる可能性も高いでしょう。
第4話における重戦車は、なぜかティーガーⅠだけが登場しています。第3話の対プラウダ戦では参加していなかっただけに、やや唐突の感がなくもないのですが、ここでの参加には何らかの意味があるのでしょう。
なお、車体番号をよく見ますと、131番であることが分かります。131号車ということでしょうか。かつて西住まほが搭乗していた212号車、西住みほが搭乗していた217号車とは別の個体であるようですが、仕様までが異なるかどうかは、上図のカットからではちょっと分かりません。個人的には同じだろうと予想していますが・・・。
このティーガーⅠの131号車に関しては、ズバリの131号車の適応キットがドラゴンから出ています。品番6820の、第504重戦車大隊 131号車 チュニジア仕様ですが、劇中車の仕様はどちらかというとかつての西住まほ搭乗車と同じに見えるので、プラッツの公式キットのGP-38番がそのまま利用出来るかもしれません。
また、タミヤのミリタリーミニチュアシリーズ216番のキットでも、同じ第504重戦車大隊 131号車 チュニジア仕様に仕上げることが出来ます。お好みで選べば良いでしょう。
以上、各チームを見渡してみて最も変化が著しかった黒森峰女学園チームについて見てみました。他チームではなかなか見られない、これだけの変化を盛り込んできたというのは、隊長が逸見エリカに変わったことによるのでしょうが、それだけではない気がします。
対戦する相手、聖グロリアーナ女学院チームのほうでは、新たなキャラクターが一人加わっていますが、車輌の顔触れが従来通りのように感じられます。もしそうならば、ダージリン以下の戦い方、ドクトリンにも劇的な変化が生じるとは考えにくいですが、黒森峰女学園チームの新たな陣容と戦術とに、どのように対応してくるのでしょうか。メインの大洗女子学園チームの対継続高校チーム戦とともに、こちらもなかなか目が離せない展開となってきそうで、とても楽しみです。
個人的には、黒森峰女学園チームに勝ち進んで欲しい・・・、と思います。なぜならば、大洗女子学園チームが勝つのは規定路線でしょうから、西住みほと逸見エリカが対決する流れに至るからです。かつての西住流のホープだったライバルの二人が、それぞれに見つけた戦車道のポリシーをかけて、因縁の対決に臨む。これこそガルパンの王道的ストーリーではないだろうか、と思うからです。
でも、ファンの大多数は聖グロリアーナ女学院との決勝戦を望んでいるようですね・・・。西住みほが唯一勝てていない相手がダージリンですからね・・・。 (続く)