まだ明かりのつかないダーナを覘くとマスターはにこやかに「どうぞ」と言ってくれるし、それどころか既に先客があった。黒のスーツをきたサラリーマン風の三人組である。マスター慌てるわけでもなくマイペースで開店準備をしながら、一人一人にオーダーを聞く。
「一番安い赤ワインを一本下さい。」週末なので、お疲れ会を同居人と二人でと思い来店したのだから初めからワインと決めていた。BGMはマイルスデイビスの「SO WHAT」。上々の滑り出し。
二人がワインを飲み始め、マスターが三人組の注文「3杯のソルティードッグ」の為グレープフルーツを絞り始めた時に新しい客が訪れる。服装、黒のサングラス、髪型、つい最近死亡した将軍様と瓜二つ、本当なら写真でもご覧に入れたいぐらいの双子ぶり。
マスターは先生と呼び、先生大声で独り言を言いおやじギャグが受けようが受けまいがお構いなしで「何故グラスに塩か?なるほど、ビールワインは栓抜きゃ、金取れるけどカクテルはそれぐらいやらないと」「僕のマテーニおまけして」など。BGMはアランフェス交響曲現代音楽風JAZZ。ジム・ホールの方がいいのに。
話の中身も辛いが声が大きいのはバーでは如何なものか。ソルティードッグをさっさと飲み干した三人組疾風のように去っていく。直後「あの三人組カラスか?わはは」「氷洗うのかい」「角を取るんです」「なるほど」一人で大騒ぎ。ところが、しばらくすると将軍様熟睡。子供か?
カウンターに手を付きうな垂れるように眠る将軍「呼吸は大丈夫ですかね」と同居人。「いつもの事です、しばらくしたら復活しますよ」BGMはマンボ方面のラテン系JAZZ。
HACHI公が電動車椅子のお父さんに袋叩きに合った二日後、同居人も似たような目にあった話。成人式の着付けで美容院へ行き、指定駐車場に駐車しその後着付けを終え出庫しようとした時に、駐車場管理人烈火のごとく怒り狂い一方的になじり、同居人の説明など一切聞かず、一時は身の危険を感じ車に立てこもって避難したほど。これも基地外に刃物(権利)なのか。恐る恐る車の窓の隙間から500円を支払ったところ、ブツブツと文句は言うがそのまま事務所に引っ込んだとの事。夫婦でえらい目にあった(といっても些細な不幸だけどね)と話し合い、基地外方面話で笑い転げ憂さ晴らし。BGMは跳ねないJAZZ(多分マイルス)
新しいお客が見えたので席換え。カリエンテで山城さん、ちょうけん先輩などと「首里の臨済宗についてのおさらいと日本人の自虐的世界史感について」など。今週我々が遭遇した基地外に比べなんと知的で紳士であることよ(酔うとしつこくなるがまあ好いか)。
補足 ダーナのワイン 1本2500円で格安でした。フランス産で金賞をいっぱい取ったらしく、高額かとビビッていたけどラッキー。
補足(2)基地外方面話ここには書けません。お友達の皆様カリエンテなどで「危ない体験談・おおっぴらに出来ない話」などやりませんか?